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彼女の違和感(10)

「…………ボクに未来を見通せるような能力はありません。この先になにが起こるかもわかりません。でも…………このまま快適な生活を送ることはできないかもしれません」

「そうなのか?」

「…………なにか、起こります。きっと…………」

「じゃあ、なおさら澪ちゃんが抱えている問題を解決しないといけないじゃん。澪ちゃんだけがひとりで問題を抱えるなんて、かわいそうだよ」

「…………そう言ってもらえるのは、うれしいのですが」

「少なくとも今は本当になにも言えないってわけか…………わかった。これ以上問いただしていても仕方ないから、これぐらいにしておこう」

「…………ひとつだけボクに言えることがあります」

「うん?」

「…………ボクの人生は、『笑えない喜劇』と、『泣けない悲劇』です。今のボクに言えることは、これだけです」

 鼈宮谷さんの目が泳いでいることと、今はなにも言えないという言葉。それだけで、鼈宮谷さんの過去が消えたわけではないことが明らかだった。

「笑えない喜劇…………泣けない悲劇…………うん、頭に入れておくよ。澪ちゃん、無理に聞き出してごめんね」

「…………大丈夫です。きっと、おふたりなら…………」

「オレたちなら?」

「…………いいえ、なんでもありません」

 言ってはいけないことを言いかけたのだろうか。それ以上問い詰めることもできず、会話が終わった。

「さ、やることもなくなったし寝よう寝よう。どういう理由があったとしても今の鼈宮谷さんの居場所はここだ。それは揺るがしようのない事実だ」

「…………そうですね。ボクの居場所はここです」

「我が家はやることがなくなったら夜ふかしをせずに寝るルール。お前らふたりにも容赦なく適用するからな」

「はいはーい。じゃあ一緒に寝よっか、澪ちゃん」

 オレたちよりも先に、階段を登って床についた。

 オレはかんたんな掃除と、洗濯物を洗濯機に放り込んで、予約。電気を消して部屋に戻った。

「……………………」

《…………ボクの人生は、『笑えない喜劇』と、『泣けない悲劇』です。今のボクに言えることは、これだけです》

 この前の図書館で言っていたように、鼈宮谷さんは宇宙人だと仮定したら。なんらかの理由で地球にたどり着いたはぐれものということになるだろう。

 もしそうであれば、泣けない悲劇であることは納得できる。だが、笑えない喜劇とは…………?

 インターネットで宇宙人について調べてみる。

《宇宙人のミイラwwwwwwwwwwwwwwww》


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