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彼女の違和感(7)

 まあ、股間を見せつけたのはオレの不手際だしな。これ以上文句を言うこともあるまい。

「ふう…………」

 ドカッとソファーに座り込む。リビングにはソファーがふたつあり、片方に鼈宮谷さんと結月が、もう片方にオレが座っている。

 テレビにはMyTubeが映し出されており、オレが風呂に入っている間に動画サイトを観ていたようだ。

「…………くっさいな」

 画面にはガタイのいいお兄さんと、警察官と、郵便屋が出ている。ガタイのいいお兄さんを男二人で取り押さえている。途中から、謎の人物が乱入して4人になったけど。

「普通の番組を見ようぜ、なにか面白いものやってないのかよ」

「テレビにする? それならそれでもいいけど」

「ほら、夏場だから怖い番組とかやってるかもしれないぞ」

 リモコンで地上波のテレビに変えると、大方の予想通り怖い番組がやっていた。

「えー…………」

「案の定やってたな。夏休みシーズンだからこういう番組のほうがウケがいいんだろ」

「うーん、あんまり…………」

 あまり乗り気ではない。なんと結月、この性格をしておきながら怖いものが得意ではないのである。

「結月はチキンだもんな」

「チキンじゃないもん! ちょっと…………ちょっと苦手なだけだから! 全然怖くないし!」

「怖くないんなら3人で見ようぜ、面白いかもしれないぞ」

「ふん…………やってやろうじゃないの!」

 怖い番組を3人で観る。

《なんと、そこには人の顔のように見えるシミがあるではないか!》

《後ろにはゾンビのように顔の皮膚がただれ落ちた人影が!》

 ありがちな心霊番組だ。どこまでがヤラセでどこまでが本当かわからないが…………心霊写真や映像に専門家がコメントをつけている。

 それなのに…………。

「ひっ…………りょ、稜希、もうやめようよ、ね、MyTube見ようよ」

「いいや、まだだ。怖いのか?」

「こ、こわくなんか…………」

「……………………」

 鼈宮谷さんは特になにも動じることなく、普通に画面を眺めている。その点は肝の据わり方の違いなのだろうか。

「…………結月さん」

「みおちゃぁん…………」

「…………大丈夫、大丈夫ですから」

 よしよしと、結月の身体をさすっている。体格の小さい鼈宮谷さんが、結月をあやしている姿はなんとも不思議だ。

「…………大丈夫ですよ、あの人たちもなにか言いたいことがあって写真や映像に写り込んでいるのですから…………」

「うわぁぁぁぁぁぁん!」

 鼈宮谷さん。それはかえって逆効果ではなかろうか。


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