彼女の違和感(5)
20分後。
「ふあ〜あったまったあったまった。これで体の芯からポカポカだよ。エアコンで涼みながら休むんだ〜!」
「…………お風呂、お先しました」
「お風呂沸かしたから入ってきなよ。今ならいい匂いのする女の子ふたりの残り湯だよ」
「絶妙にきもい言い方をするな」
それに興味を示したのも事実だが、からかわれるので黙っておいた。
「じゃ、オレも入ってくるから。お前らは適当にくつろいでてくれ」
「はいはーい」
同じことをぐるぐると考えながら風呂に入った。湯船は熱めに設定されており、気化熱で冷えた身体に染み渡るようだった。
「あっ…………着替えがねえ。しょうがないか…………」
バスタオルを巻きつけ、リビングに置いてある着替えを取りに行く。当然、そのリビングには結月たちがいる。
「おかえ…………って、なんちゅーかっこしてきてるのよ!」
「しょうがないだろ、着替えを忘れて入っちゃったんだから。ずぶ濡れの服なんて二度も着たくねえよ」
Tシャツはすぐに見つかったが、パンツがない。
「あれ…………パンツがないぞ」
「えーっ。稜希のおぱんつなんて知らないよ。全部洗濯してあるんじゃないの?」
「まいったなあ…………着るものがないぞ」
タンスの最下段の引き出しを開けた、そのとき。
「…………!」
「1枚くらいあったような気がするんだがなあ…………」
「…………じーっ…………」
「えっ、ちょっ、澪ちゃん! なに見てるの! 見ちゃダメ!」
「…………じーっ…………」
「ダメ、見ちゃダメ!」
手で目元を多いかぶそうとしてくるのを、振りほどいて。
「…………じーっ…………」
「そんないかがわしいもの見ちゃダメーーーーッッ!!!!」
「なんだようるせえな、なにを騒いでいるんだよ」
結月が騒いでいるので、ナニゴトかと思って結月たちの方に身体を向けた。
「…………わあ…………!」
「ダメーーーーーーーーッッ!!!!」
騒いだ結月が、鼈宮谷さんを勢いよく押し倒していた。
「…………なにやってんだ、オマエ」
「それはこっちのセリフだよ! アンタは自分の下半身を見なさい! なんちゅうものを晒してるのよ!」
「うん?」
見ると、腰に巻いていたはずのタオルがない。Cの字になりながら床に落ちている。
「これって、つまり…………」
「つまりそういうことだよ!!!!」
自分が全裸になっていることに気が付かなかった。タオルの巻きが甘くて、かがんだときに落ちてしまっていたようだ。




