表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/272

日常の向こうに(4)

「じゃあ、女性が喜びそうなお店…………飯屋にでも行くか? 昼どきで腹も減ったし」

「…………」

 まんざらでもない表情をされた。

「うーん。正解ではないけど、間違いでもない。70点くらい。まあそれでもいいかな」

「めんどくせえやつだ…………んで、どんな飯が食いたいんだよ」

「うーん、悩むなあ」

「オレのおごりってのはなしだぞ。お金厳しいんだから」

「不正解だったから稜希に出させようと思ったんだけど〜」

「油断も隙もありゃしねえなお前」

「じゃあーどこのお店にしようかな。ありきたりじゃつまらないしー。オゾンモールに最近入った話題のお店に行ってみる?」

「最近入ったお店? そんなもんあったっけ」

「あるのあるの! 本来なら独立した店舗でやっているお店なんだけど、一般のお客さんを増やすためにオゾンモールに出店することになったらしいよ!」

「へえー。じゃあそこに行ってみるか、あんまり高いお店にはするなよ」

「まあ1,000円ぐらいかな、そこまでめちゃくちゃ高いわけじゃないよ」

「わかった。案内してくれ」

 オゾンモール内を歩いていると、香ばしいニンニクの匂いが立ち込めてきた。

「なんかいい匂いがするな」

「この匂いのお店がこれから行くところだよ」

「麺屋、三郎…………なんだ、ラーメン屋か?」

「ちょっとちがう。ここは油そばのお店。ラーメンと似ているけどスープがなくてアブラが入っているの。見た目は悪くなるけど全部混ぜて食べる。まぜそばとも言うよ」

「オレは食ったことないけど、なんだかうまそうだな」

「でしょでしょ。だから一度行ってみたかったんだよね〜」

「へいらっしゃい! ご注文をどうぞー!」

 席に着くやいなや、まくしたてられるように注文を急かされる。ちょっと忙しいな、ここ。

「とりあえずオレはよくわからんから、全ノーマルでお願いするよ。まずはどんな味か試してみたいしな」

「ところで稜希、トイレは大丈夫? 食べる前に行ってきたほうがいいんじゃない? トイレから戻ってくるぐらいにちょうど食べられるようになるよ」

 珍しく親切な提案をされた。

「お、気が利くな。じゃあ行ってくるか。代わりに注文を頼んだぞ」

「はいはーい!」


 なにも気付いていない稜希がトイレのために去っていった。

「店員さーん」

「はいよー!」

「注文いいですかー。ダブルオニクニンニクアブラマシマシのギガマックスがひとつ! 全部フツウがひとつ! よろしくおねがいしまーす!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ