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まぶしい世界(1)

「…………は?」

 そこには、学校が終わってから別れたはずの結月とミトちゃんさんが立っていた。

「あはー。ふたりきりでデートさせたらどうなるのかってひまちゃんから提案されてね。ずーっと観察してたんだ」

「おまえ…………」

 ものすごくくだらねえことをしているなと心から思った。

「稜希くん、意外とウブだね。もっとこうガンガン攻めいらないと春は訪れないよ」

「余計なお世話にもほどがあるわ! ていうか、普通の買い物に下心なんて出すわけないだろ」

「ほら、澪ちゃんと手を繋ぐとか色々あるじゃん。そういう経験も積まないとダメだよ」

「突然手を繋いでいいですかって言ったらやべーやつだろ。最悪通報されるわ」

「ま、思っていたよりも仲が良さそうだなあと思ったよ。初対面のわたしに言われるのはアレかもしれないけど」

 陽キャの人ってこんなもんなのか…………? それともミトちゃんさんが変わった人であるだけなのか…………?

「わたしは人を観察するのが好きだから。これで満足できたから帰るね。あ。その前に稜希くんの連絡先教えてくれない? なにか用があったら話しかけるかもしれないし」

「お、おう…………」

 連絡先を交換することぐらいなら構わないが。ただこういう変わった人と関わって大丈夫なのだろうか。

「大丈夫大丈夫、安心して。いたずらはちょっとしかしないから」

「ちょっとはするんかい」

「連絡先を教えてくれてありがと。じゃ、またね」

 ミトちゃんさんはオレたちとは反対方向の出口へ歩いていった。

 ミトちゃんさんがいなくなったあと、呆れた顔で結月を見つめた。

「おまえな…………」

「ま、たまにはこういう人間観察もいいじゃん。ただ帰るだけだと思ってたから予想外の外出になったけど」

「趣味が悪いって言われないか?」

「あは。あたしが提案したんじゃないもん。提案したのはひまちゃんだから」

「ったく…………観察されるほうがいい気分じゃないことは覚えておけよ」

「…………」

 鼈宮谷さんは終始無言だった。


「で、今日もオレの家で寝泊まりすると」

「寝泊まりする代わりにお料理も掃除も洗濯も一部やってあげてるんだからいいじゃん。愛嬌愛嬌〜」

 なかなか図太い神経をしているなと思う。可愛げがないわけではないが。実質的にオレが一人暮らしという点もあるのだろう。親がいたら、きっとここまでのことは言わないはずだ。

「あたしはご飯を作ってくるから、その間に買ったパソコンの設定をしてあげれば?」


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