どうやら、転生令嬢
週一投稿、の予定
第3王子主催のお茶会。
私は公爵令嬢としてそこに招待されたので、他の貴族への挨拶回りをすませた後、少し疲れたので侍従を下がらせしばし人気のない休憩室で休んでいた、だけだったのに。
今なぜ私は宙に浮いているのだろう。
答えは少し複雑で、自分より身長の高い使用人姿の男に首を締めあげられているからだ。
じたばたと抵抗するも大人のそれに子供の自分が叶うわけもない。
急なことに驚いた心臓がドクンと波打つのがはっきりと感じられる。
その時、誰かの記憶が自身の脳を駆け巡った。
うそだろ、こんなことってあるのだろうか、そう思って笑いたくなったが首を掴む力は段々増し、私の脳は認めたくない現実をいやにはっきりと一つの答えに結びつける。
私、転生してたのか。
そんなことが分かっても、誰もいないこの部屋では3度目の人生を歩みかねない。
人生2回も途中退場だなんてたまったもんじゃない、と男の腕に爪を立てるも令嬢らしくきちんと手入れされたその爪では相手を阻むことなどできはしない。
首の骨が耐えきれなくなるのが先か、身体中の酸素が尽きるのが先か。
諦めようかと思ったとき、バタン、と勢い良く扉が開かれ、本日の主役のはずのまだ顔にあどけなさが残る男の子と数人の衛兵が部屋に入るや否や、今も私の首を締め上げるその男を引き剥がす。
男が抵抗したため少し乱暴に床に叩きつけられるも、体はそこまで痛くない。
急に酸素が吸えるようになったお陰で、激しく咳き込むとその男の子が傍に駆け寄ってくる。
「大丈夫か、レイニア嬢!」
ええ、大丈夫、そう言えたかは分からない。
だがこの小さな体には先程の出来事はかなり響いたらしく、やっとまともに空気が吸えるのと同時に私の意識は強制的に暗闇へと投げられた。
初投稿なので至らぬ点は悪しからず。
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