05.ロールプレイ
…………やっほ。実はこれ本日三話目なのよ?現実逃避もホドホドにって感じよね、作者さん。
キャラクターをロールプレイするというのは簡単に見えて案外難しい。なのでなれないうちはキャラクターを自分に似せて作るといいかもしれない。同じ性別、同じくらいの年齢にするだけでもぐっとやり易さは違ってくるはず。それでもなお難しいと思う場合は状況描写で周囲に伝えることから慣れていくのもいいかもしれない。つまり、「自分のキャラクターは怒りを露にしながらこっちの敵を殴ります」って具合に。
ただ、ロールプレイが難しいっていうひとの大半の原因は声を出して台詞を言うのが恥ずかしいということの方が占めていると思う。それが異性キャラクターとかになればさらに恥ずかしさは増すよねぇ。……誰もが通る道だけど。でも本当にそのキャラクターをロールプレイしたいなら少しずつでもいいから勇気を出してなれていこう?大丈夫、先輩たちも生暖かく見守ってくれるはずだから。
それはさておき。自分が決めたキャラクター設定をもとにロールプレイをするにあたって、ひとつだけ勘違いしてはいけないことがあるんだけど、それはキャラクターの現状にそぐわない設定をもとにしたロールプレイはしちゃいけないということ。具体的に言えば例えばプレイヤー間の取り決めで冒険者パーティーのリーダーをすることになったキャラクターがいるとして、でも事前に作った設定では実は子供の頃からコミュ障で基本的には無口だから喋りません。っていうパターン。これは設定がおかしいパターンで、本来は開始前にゲームマスターがキャラクター背景を確認して修正を求めなくちゃいけない。理由は分かりやすいよね?命をやり取りするような職業なのにコミュニケーションは取れないし、基本無口。なのにパーティーのリーダーなんて普通に考えて無理だもの。どうしても設定を生かしたいならリーダーは最低限他の人にお願いしたうえで、直接話す以外の手段を持っていることをゲームマスター交えて考えて許可を貰い、冒険者にならざるを得ない相当の理由付けをしなくちゃいけない。でもここまでやることを考えると大体は面倒くさくなって設定を変えちゃうんだよね。案外、無口キャラクターって楽そうに見えてハードルは高いんです。
それから異性キャラクターを演じる時に陥りがちなのが、無意識にいつも自分が取るような行動をさせてしまうというパターン。例を示すと、キャラクターは嫁入り前な年頃の女の子なのにその行動がやたらと無防備で不用心。いわゆる危機意識が欠如している。でも現実世界では自分の娘さんに危ない場所には近づくなとか言ってるわけ。ゲームの舞台は現代日本よりも格段に治安悪いのに。
つまり何が言いたいのかというと、ロールプレイをするということはそのキャラクターのことを深く知らないと出来ないよ、っていうことかな。なりきるって言うのはそういうことだよね?
……とはいえ、実際の話として本当にガチのロールプレイを求めてくるゲームマスターなんて滅多にいない(たまにいるけど大体は事前告知してくれる)から、深く知るとはいっても常識的な範囲で十分。わからないことはインターネットで調べればわりと容易く手に入る時代だし、パーティーメンバーやゲームマスターに相談したっていいし。職業や立場上に関するロールプレイも基本的には同じだから理由があって故意にしているとかでなければ不自然なロールプレイはやめるべきだと思う。楽しむために苦しむ必要はないけれど手抜きしては楽しめない。つまりはそういうことじゃないかな。
さてプレイヤーは自分のキャラクターだけロールプレイすればいいけれど、シナリオによっては何人ものノンプレイヤーキャラクター(NPC)を出さなきゃいけないゲームマスターとなると老若男女にわたるロールプレイになるわけで結構どころか場合によっては修羅場になり得る。なのであまりたくさんのNPCを登場させるのはやめておいた方がいいと思う。仮に演じきる自信があるにしても出しすぎはプレイヤーの混乱を招く可能性もあるので進行がグダグダになってしまいかねない。裏声とかを駆使して使い分けるにも限度というものはあるのだし。音声を伴わないチャット式だとしてもやっぱり出しすぎはやめた方がいいかなぁ。ロールプレイがおざなりになっては本末転倒だしなにより楽しめないと思うな。
では適切な人数なら大丈夫かといえば必ずしもその通りとはいえない場合もあるわけで。だいたいは時間的な余裕が消えてくるとか、雰囲気を出しすぎてかえって渡したい情報をうまく渡せなくなったとか、多様に起こりうるのでそこはゲームマスターの手腕で臨機応変にうまく立ち回っていくしかない。