04.キャラクターメイキング
なにげに本日二話目……ですよ?ひっそり連投。
自分の分身たるキャラクターに愛着や特別な思い入れを抱いてしまう・しまった人は結構いるんじゃないだろうか。キャラクターメイキングの段階から細かな背景設定を練り上げる人もいるだろうし、複数のシナリオをこなした過程で成長したキャラクターに思いを重ねて行く場合もあるだろう。そうした行為や状態はキャラクターをロールプレイ、つまり演じるときに概ね良い成果をもたらすことだろう。でも、ひとつだけ忘れてはいけないことがある。それは――――物語は必ずしもハッピーエンドばかりではないということだ。
愛着や思い入れが深すぎると万が一結末が不本意な結果になった場合に果たしてそれをすんなり受け入れられることができるのか甚だ疑問になるからだ。自分を責める場合はまだいい。自分のダイス運の無さを呪ったり選択肢間違いを悔やんだりしてしばらく落ち込むくらいなら許容範囲だと言えるが、これが逆恨みに発展することはまったく無いのか?といえば――実は無いとは言えない。少なくとも私の回りで複数回は見聞きしたことがあるし、セッション中にキャラクターにとって不都合な結果になったプレイヤーがむちゃくちゃな言い分を言い始めて受け入れ拒否からの大喧嘩になったというのも経験している。愛着を持つなということではないがリアルに影響を及ぼすような状態は迷惑でしかないので本当に気を付けてほしい。
さて、そのキャラクターをメイキングする方法には大まかに分けて3つくらいある。ひとつはルールブックにある手順に沿って淡々と作成する場合。この場合は能力値などが不本意であっても振り直したりせずに最後まで作り、その上で受け入れるかまたは全破棄して最初からやり直す方法である。この方法は時間がある程度確保されてないと思うようなキャラクターを作るのは難しいため採用するゲームマスターはあんまりいない。
二つ目は項目ごとに振り直しの回数を決めて作成する方法で、だいたいのゲームマスターが選ぶ方法だと思われる。ただし振り直しを認めるかどうかはゲームマスターの権利なのですべてにおいて認められるとは思わない方がいいだろう。
最後はゲームマスター判断によるルールで定められた範囲内でという条件下でプレイヤーの自由に選ばせる方法で、一番作成難易度が高い方法だと私は思っている。なぜなら自由に作れるということは作ろうと思えばなろう系俺TUEEEEキャラクターも作れるということなので、ようするにバランスブレイカーになりやすいということだ。果たしてそんな状況が面白いシナリオ、楽しめるプレイに繋がるキャラクターを上手く作れるかどうか想像してみるといい。少なくとも私にはそんな自信はまったくない。まず間違いなく「みんなで楽しむ」ことができるとは思えない。
私がゲームマスターをするときはだいたい2番目のやり方を選ぶ。なるべくならプレイヤーが納得できるキャラクターを作って欲しいとは思うしね。けれども自分がプレイヤーで、あんまり時間的猶予が無いときは1番目の方法かつオープンダイスでやるときがたまにあり、その場合大抵ダイス目に「神様」が宿る。恐ろしい確率で宿るのだ。
一例をあげてみよう。システムはアリアンロッド。知り合いのゲームマスターからの救援依頼で急遽キャンペーン途中から参加する事になりメンバーの構成的に足りない回復役キャラクターを作ることにした。どうにも攻撃偏重パーティーだったためメインクラス:アコライト、サブクラス:アコライトという回復特化キャラクターに決定。ダイスを振らない部分は自動的に決まっていくので用意されたキャラクターシートに記入して、さあダイスで決めるものを振るかーと握りしめて気合い一閃転がすと。――――見事に引きやがりましたよダイスの神様コンチクショウ!――――「出自:始祖の紋章」「特徴:神の恩恵」「境遇:秘密」「運命:幸福」……。なにこのヒロイン確定フルコース。ゲームマスターは大爆笑しながら紋章の位置を決めようかーってオリジナルのやたら細かい部位決定表持ち出してくるし、イヤな予感はしたけど半ば自棄で振ったら最悪の出目また出るし。
「……2d10で1と1……ですって?いやーな予感しかしないんだけど」
「ぶははははははっ!おめでとう、左内股の付け根だよ!」
「ちょっとまちなさいよ!!この子女の子なのにそんな場所とか色々ヤバすぎるでしょぉぉぉお!!」
不在だったキャンペーンヒロインが爆誕した瞬間でしたよ…………。おのれ神様、いつもいつも宿りおって。たまには普通の人生送らせろ!