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01.テーブルトークRPGと私

不定期に気の向くままダイスの転がるまま更新します。

 テーブルトークRPGというものをご存知の方は昨今であれば多いのではないだろうか。詳しく知らなくても名前くらいは聞いたことがあるかと思う。この遊びを簡単に説明するならば事前に作成した参加者プレイヤーの分身たるキャラクターになりきって、GMゲームマスターが用意したシナリオを元にそれぞれのキャラクターが持つ役割を演じる遊びだ。実際にはもう少し複雑だったりするけれど俗に“卓上ミニ演劇”とも呼ばれている通り、とても簡単に言えば“ごっこ遊び”なのである。

 このテーブルトークRPGに私が魅せられたのはなんといっても最低限定められたルールの中であれば自由な発想に基づいた行動を起こすことができるという点につきる。例えばコンピューターゲームであれば主人公たちは事前に定められている行動しか許されていないけれど、テーブルトークRPGであればその自由度はまさに桁違いなのだ。ただし、制限がまったくないわけではないのでご注意を。


 さてこのテーブルトークRPGを遊ぶにあたり大事なことはいくつかある。まず第一に「声を出す」こと。いくらキャラクターの設定が寡黙で無口だからといってセッション中ずっと黙っているような行為はNGだ。俗に“お地蔵さん”と呼ばれるこの行為はゲームマスターや他のプレイヤーへの迷惑になり場を白けさせたり進行を遅らせたりしてしまう。恥ずかしかったり不慣れなのかもしれないけれど勇気を出して声をだそう。

 次に大事なことはキャラクターに沿って「演じる」こと。慣れないうちは演技すること自体恥ずかしいだろうし周囲の雰囲気に呑まれたりするかもしれない。けれどもやはり一番の醍醐味は“なりきること”だと思うのだ。大丈夫、恥ずかしいのはほんの少しだけ。

 最後に大切なことは「みんなで楽しむ」こと。多人数で集まって遊ぶのだから自分だけ、とかいうのは無しだろう。シナリオの進行具合によってはいろいろな事態に陥ることもあるだろうけれどゲームマスターがよほどの理不尽をしない限りは“状況を楽しむ”ことも大事だと思う。


 私がこの遊びに初遭遇したのは高校生の頃だったけれども当時の私は吹奏楽部に所属していてコンクールの県大会に向けて忙しく、同級生や下級生の男の子たちがなにやら楽しそうにしているのを時々見受けた程度だった。それが本格的に遊ぶようになったのは大学生になってからで入学後のサークル紹介でテーブルトークRPGを遊ぶサークルがあるというのを知って見学に行ったら思ったよりもたくさんの人がいて男女比率も同じくらい、と言うことでやってみようかな、というのがすべての始まりだった。…………まさかこんなに嵌まるとは夢にも知らず。

 上の方では大層立派なことを言ったけれど、私も慣れるまではなかなか声も出せず、演じるのもあっぷあっぷでみんなと楽しむレベルではなかったと思う。それでも分身たるキャラクターへの愛情だけはそれなりにあったので一年目が過ぎる頃にはなんとか一人前にはなれていた。人間、慣れとはよく言ったものだと思う。

 この出会いは私の交遊関係も高校時代までとはかなりの変化をもたらした。高校時代までの私は俗に言う本の虫で小学校から高校までほとんど暇さえあれば図書室にいて読みあさり全在書読破とかしていたらついたあだ名が“図書室のぬし”。当然部活や委員会以外ではあまり話す友達も少なかった。ところが大学生になってサークルに入ったら上は卒業生のおじさまから院生、他の学部を含む先輩たちや同級生と一気に多様な交遊を持つに至りそれは今でも広がりを見せながら続いている。いやはやなんともびっくりだし、そしてサークルに入る決断をした当時の私に感謝である。

 そしてこの出会いがもたらした最大の恩恵は……こうやって小説を書くようになったということでもある。基本の骨子たるシナリオを基に物語を紡いでいくという遊びのテーブルトークRPGは多少ゲームマスターがアドリブを混ぜたりするけれど、基本的にはプロットを組んで小説を書くようなものと同義でもあると思っている。……私の書き方はともかくとして。だからこうやって私が小説を書き始めたのもあのときから時間はかかったけれど充分な経験や感性を得たうえでなるべくしてなったのだと今では心底納得しているのである。



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