馬車に揺られて
馬車で一夜を過ごしたら、また馬車に揺られて移動することになる。
馬車の旅ってのは大体こんなものだし、僕の旅も基本的にそんな感じだ。
「そろそろお昼時です、一旦休憩して食事でも採りましょう」
数分程前から僕の腹の虫が騒ぎ出していたので御者さんに呼びかけてみる。
「もうそんな時間ですか。そうですね、ではお言葉に甘えて私も少し休ませてもらいますよ」
馬車の前方からそんな声が聞こえると馬の歩みが徐々に鈍く、牛のようになって行く。 やがて、完全に馬車が停止したところで
「さぁ、早く食事を終えてしまいましょう!」
そんな声が聞こえた。 当然御者さんの声だ。
「僕の食料はいつもどおりだけど、御者さんは?」
そういいながら鞄から携帯食料を取り出して齧り付く。
「私もいつもどおりですよ。 もっと出世していつでもおいしい食事をとれるようになりたいものです」
笑いながら言う彼だがどう考えても無理だ。 勇者である自分でさえ何の変哲もない携帯食料を食んでいるのだから、それこそ王侯貴族でもなければ馬車で温かい食事など取れっこない。
「貴族にでもなるつもりですか?」
僕が笑いながら尋ねると、
「本当、貴族様に仲間入りできたらどれだけうれしいことでしょう」
半笑いで哀しげな声が返ってくる。
しかし、この御者は王宮専属の御者である。 そこらの位の低い貴族よりもよほど王に対する発言力を持っているのだ。 ・・・あくまで個人的に、ではあるが。
「当代の王様も、甘いなぁ・・・」
専属だとは言え、一介の御者の意見を聞いてやる王の器に改めて感服する。
「そうですねぇ・・・」
何を思ったか御者も便乗してくるが
「いや、あなたがそれを言ったら駄目でしょう・・・」
僕は呆れたように言葉を返した。
おや!?地の文のようすが・・・・・!!
いろいろ地の文がおかしい気がしますが気にしないでください。すべて作者が執筆中おねむなのが原因です。
短いのも作者のおねむが原因です。
作者は眠いのです。