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最悪の勇者は聖女と歩む  作者: じゃがイム
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途中の決着


「!!」

 言葉で揺さぶって隙を作り、アグルの剣を弾き飛ばす。

こうでもしないと戦いが長引いてリィグラに到着するのが遅れかねないからね。 ・・・多分普通に戦い続けていたら下手をすれば明日の昼ごろまでは決着がつかないと思うし。


「これで詰みだよ。 今すぐ逃げるんだったら見逃してあげるけど、どうする?」

 弟の喉元に剣を突きつけて言う。もしもアグルが妙な動きを見せたら即座に首をはねることができるだろう。


「・・・分かった、今回は引くことにする。 次は殺す」

 『敵』に命を握られているって言うのに全く怖気づいてないね・・・。まったく、たいした胆力だよ。流石は僕の弟だ――――いや、それは関係ないね。 正しくは、『流石は勇者だ』かな。


「・・・恐いねぇ」

 そんなセリフを吐きつつもこのとき僕の顔は興奮に笑っていたと思う。

まぁ、ほとんど無意識でのことだから自分でも良くわからないんだけど、なんとなくそんな気がしたんだ。


――――――次の瞬間、僕が一瞬の瞬きをしたその間にアグルはその姿を夜の闇に紛れさせていた。


「行っちゃったなぁ・・・久しぶりに兄弟に会ったってんだからもう少しお話してくれてもいいのに」

 そんなことをいいながら突き出したままだった剣を鞘に収める。


「賊の始末は終わりましたか? 結構な大声が聞こえましたが」

 奥からのんきに歩いてきたのは御者だ。

こんな夜でものんきに過ごしていられるのは僕という最高の用心棒が居るからかな? まぁ御者さんも職業柄それなりに腕に自身があるのかもしれないけど。


「いえ、実は取り逃がしてしまいました。 でも仲間を連れて復讐に来るとかそういった様子は見られなかったので問題はないと思いますよ」

 御者さんには悪いけど適当なことを言って誤魔化させて貰う。


「そうですか・・・。でもまぁ用心はしておいてくださいね?」

 御者さんが少し心配そうに言う。


「もちろんですよ。そんなことより今日はもう休みましょう、盗賊退治もしたのでちょっと疲れてしまいました」


「何を言っているんですか、いつもよってくる盗賊を退けても元気いっぱいなのに」

 あきれたような半笑いで茶化された・・・ まぁ僕と御者さんもそんな風に言い合える程度には仲が良いってことかな。


「あはは、でも今日は本当に疲れちゃいましたよ」

 そういって僕達は馬車に戻っていった。

アグルが勇者だとか何とか言っていますがそういうのが明かされるであろう過去編はいつになるかわからないしこの先の展開も作者は知りません。


ちなみにアグルの名前は前作の舞台である『アグランド王国』から適当に取ってきました。特に意味はないです。ウルトラマンとも関係ないですがなんとなくウルトラマンアグルとアグル・ウェームって立場が似ているんですよね。 実は作者の中でアグル・ウェームは裏主人公だったりします。

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