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最悪の勇者は聖女と歩む  作者: じゃがイム
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愉悦の森

再三注意を呼びかけてありますが、非情に残酷な描写が含まれております。ご注意ください。








―――――――――


 新緑生い茂る森の中、僕は新鮮で澄んだ空気を肺いっぱいに取り込んだ。

草木が発するさわやかな香りと周りの雰囲気との相乗効果で僕の胸がスッと安らぐのが感じられる。 あたりから聞こえる小鳥のさえずりに小動物の声が僕の心を癒していく。――――――でも、そんな草木の香りよりも、動物の合唱よりも僕の心を満たしてくれるものがここにある。

 さっきの表現には少し御幣が会ったかもしれないね、正しくはこうだ。

僕は草木が発するさわやかな香りと鉄臭さの混じった空気を肺いっぱいに取り込んだんだ。

あたりは真っ赤に染まっていて生き生きとした草の色なんてもう見えやしない。

小鳥や小動物の声を掻き消して響き渡るのは甲高い悲鳴。


 悲鳴の主は栗色の長髪を後ろで束ねている女性、顔は・・・そうだねぇ、上の中ってところかな? ―――顔って言っても今はグチャグチャにされている上に表情は憎悪と絶望に染まっているから美人が見る影も無いんだけどね。


 さて、突然だけど僕の自己紹介をさせてもらおうかな。

僕の名前はリアン・ウェーム。 趣味は拷問虐待、つまり生き物をいたぶる事が好きなんだよね。 あ、でも勘違いはしないでね?僕がいたぶるのは人々を苦しめる悪い魔物や悪人だけだからね。 善良な人に牙を向けることも無いし、小動物を虐待することもしない。 むしろ小動物みたいなかわいい生き物は大好きなんだよね。 っと、話が横道にそれちゃったね。 それで、僕の名前、趣味と来たから次は職業かな。 僕の職業は勇者だ。 確か12歳のころだったかな?田舎の村で暮らしていた僕は王に指名されて勇者になったんだ。 最初は何で自分が勇者なのかまったく判らなかったんだけど・・・僕を指名した王の側近曰く僕には素質があったんだってさ。まぁ、そんなことはどうだっていいね。


 僕の自己紹介はこんなところにして、そろそろ甘美な拷問の時間に戻ろうかな。


「さて、君の名前は確か・・・メアリだったかな? そろそろ反省する気になった?」

 右足のひざから下と左腕を付け根からもがれた彼女だがいまだに僕に対する憎悪の目を辞めようとしない。 半ば答えがわかりきっていることだけど一応たずねてみる。


「ぐぞ、ぐらえだ・・・!!」

 叫びまくったせいか声帯もズタズタになっている様子の彼女の言葉だ。 まったく、クソクラエ か。 本当にこの悪人は僕を愉しませてくれるなぁ。

 自分でも分かるほどに口がにやけてしまう。メアリから見れば今の僕の顔は非常に非情で残酷でおぞましいものなんだろうね。 まぁ僕は容姿には自身があるけど・・・ソレとはまた別だよね。


「ククク、あははははははは! 本当にいいねぇ、君は。 僕を愉しませてくれるお礼だ、傷を治してあげるよ。 オールヒール」

 僕は醜悪な笑みを浮かべたままメアリに最上位の回復魔法をかけてやる。 すると、失われた彼女の腕や足が切り口から生え、幾重にも折られ、砕かれた骨が再生する。飛び出しかけていた内臓も元の位置に戻り、切り裂かれた腹部も閉じていく。

 数秒後には万全の姿となったメアリの姿があった。


「よし。 これでもう一度最初から虐た・・・断罪を受けられるね! 反省して罪を受け入れてね!」

 今までの拷問・・・もとい断罪が無かったことにされまた初めからとなったことを知ったメアリは滂沱の涙を流し奇声を上げて動かなくなってしまった。


「って、なんだ。壊れちゃったの? じゃあもういいや、お疲れ様」

 返事をすることの無い彼女に労いの言葉をかけ、楽にしてやった。



前回の失敗から何も学ばない系執筆者のじゃがイムでございます。


ここまで読んでくださった皆様、どうかこの残酷な愉悦の世界に最後までお付き合いいただけたら幸いでございます。


残酷な描写はありますが、あまり詳しくは描写しないようにしておきます。(削除怖いからね)今回の描写よりも残酷、グロにはならない程度のダーク感でいきたいと思います。

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