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月下の一群

大根

作者: 濱野乱

おう大根。

うまそうだな。お前の大根一つよこせ。

青辛いのがいいんだよ。細っちよろいのはだめだ。

隠れても無駄無駄。葉っぱからかじっちゃうぞ。それが嫌なら出て来いよ。


おう大根。畑にはお前しかいないのだな。

虫に食われてるんじゃないのか。それとも栄養不足でこぼうみたいに細いのか。

さっきは細いのが好きじゃないって言ったけど、ごぼうみたいのでも食べてやるぞ。


瑞々しくないとか、ひん曲がってるとか、そんな言い訳聞きたくないからな。

大根は抜いて見るまでわからない。一つ見せてご覧よ。お前の大根。


…………。

右曲がり左曲がり何の因果か、捻れてら。

泥を落としてご尊顔を拝し奉るに、お前さん、でこぼこだね。モグラにでもつつかれたんじゃないかい。

こりゃ市場には卸せないね。他所様の御宅の台所に並べるなんて失礼にあたるよ。


でも味は良さそうだ。わかる奴にはわかる。わかんねえ奴には一生かかってもわからないだろうね。

俺もわからない方かもしれんね。確認してみようか。

なあ、大根。

俺は大根が好きなんだ。


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