SSS・その4「天才ロボット博士の製品化 再会編」
製造工場の社員が、天才ロボット博士の噂を聞きつけて訪問した。
なんでも飛びぬけて高度なメイドロボットを、また新しく造り直したとかで、彼は博士のロボットの製品化を提案しにきたのである。
博士に快く研究室に招かれた社員だが、出迎えたメイドは愛想のかけらもなく仏頂面。あいさつの一言すらしなかった。そのうえ不遜で、無礼で、とっても乱暴なロボットだ。
彼女の外見は美しいが、応接間に客人がとおされたのにもかかわらず、茶の一杯も出そうとしない。仕事をしないロボットなんて、とんでもない。
社員は製品化をすでにあきらめた。
そんな彼とは対照的に、天才博士の顔はなぜかすごく自慢気だ。
当然、彼は質問した。
どこにそんな自慢できる性能があるのですか。
「まったく。ツンデレ・メイドは最高だぜ」
帰り際に、メイドロボは顔を赤らめてちゃんとわたしを製品化しなさいよねっ、とテンプレを披露したが、やっぱり製品化は見送られた。