第1話 訪ねてきた旧友
ここは地球とそっくりな…でもなんだか違う星にある北大北王国の古都川府新川町市の駅前に新しいビルに挟まれた五階建ての古びたビルがあった。
そのビルは一階から四階までがあいているがそのビルの最上階である五階には探偵事務所があった。
「暇だなー」
と言いながら椅子に座ったまま背伸びをしているメガネをかけて茶色い帽子など…典型的な探偵の恰好をした男はこの探偵事務所の近所である意味有名なノブこと探偵の坂町信孝である。
ノブが気分転換でもしようとコーヒーカップ片手に窓際に立つと窓の外を眺め
「相変わらずだな…。」
とつぶやくと机の上にあった砂糖と書かれた容器に書かれた容器に入ったものを大量に入れてコーヒーに口を付ける。
「なんじゃこりゃ!雪菜の奴砂糖の容器に塩入れやがったな!」
と言いながら流し台の方へ行き新しくコーヒーを作り直すとコーヒーカップ片手に窓際に立つ。そしてさっきのことなどすっかり忘れて砂糖と言う名の塩を大量に入れる。ふと下を見ると見知った人物がこのビルに入って行くのが見えた。このビルに入る人間は十中八九この探偵事務所にようがあるのでノブは身なりを整え始めた。
数分後ドアをノックされたためノブが
「どうぞ…」
と言うと先ほどビルに入ってきた短髪で肌が色黒の男がが入ってきた。
「久しぶり!ノブ!」
と男が言うとノブは
「何年かぶりだな…どうしたんだ?お前がここを訪ねるなんて…。」
と話しかけた。
「あぁ…ちょっとお前にようがあってな…友人としてではなく…探偵としての…。」
と男が言うとノブは来客用のソファーに腰かけるように促して男が腰かけたのを確認すると
「それで…話って言うと?」
とノブが聞いた。すると男は
「ノブ…俺は今からお前の友人の白壁大輔としてではなくHHRの社員として言う…。」
と言った。
「お前…HHRに入社したのか?結構な会社に入社したんだな…。」
とノブが聞くと大輔は
「まぁな…とはいっても本社の営業部の社員だけど…。」
と言うとノブは
「それで?」
と聞いた。
「実は…今度HHR二鳥主催のイベントが行われるのだが…そのイベントで使う道具がなくなってしまったんだ…これが盗まれたものとは限らないから警察沙汰にするわけにもいかないし…そんな時ノブが探偵やってた事思い出してここへ来たんだ…一応依頼料は用意している…。」
と言いながら封筒を差し出した。
「へぇーそれで探し物って?」
とノブが聞くと大輔は
「それは向こうについてから話す…明日の10時に二鳥駅まで来てくれ…くれぐれも遅れるなよ」
と念を押した。
「わかってるよ…仕事には遅れないから…。」
とノブが言うと大輔は
「それじゃぁ頼むよ…。」
と言いながら立ち上がる。
「待ってよ…久しぶりに来たんだからゆっくりしてきなよ!」
とノブが引き止めるが大輔は
「これからまた仕事なんだ…さっさと会社に戻らないと…それから一応言っておくがここから二鳥まで行くには古都新川町駅から急行の木古川行きに乗って南国駅で普通電車の町田行きで町田まで行ってさらにそこから急行の二鳥行きに乗るんだぞ…わかったか?」
と大輔が言うとノブは
「まったく…複雑すぎる…もっとわかりやすく言えないの?」
と聞くが大輔は
「これが精いっぱいだ!」
と言うとそそくさと去って行った。
大輔が出て行った直後ノブの助手である東川雪菜がやって来た。
「おはようございまーす!」
と雪菜が言うとノブは
「何がおはようございまーす!だよ…。」
と言った。
「どうかしたんですか?」
と雪菜が聞くとノブは
「どうもこうもお前砂糖の容器に塩入れただろ!」
と言った。
「あーあれですか…少し砂糖を控えた方がいいかなって…だってめちゃくちゃたくさん入れるじゃないですか…。」
と雪菜が言うとノブは
「いや…砂糖を大量に入れるより塩分が多量に入ったコーヒーの方が不健康だと思うんだけど…。」
と言った。
「そうですか?」
と雪菜が言うとノブは
「何今知ったみたいにふるまってるわけ?絶対知ってるよね!そんなことぐらい!」
と言うが雪菜は
「そんなに文句言うなら塩はやめます…。」
と「塩」を強調していった。
「塩は…って何?砂糖にしてよ!頼むから!」
とノブが言うと雪菜は
「えーせっかく毒でも盛ろうかと思ったのに…。」
と残念がりながら言った。
「どこが残念なの…ってゆうかそんなこと考えてたの?」
とノブが聞くと雪菜は
「だって…何で私が助手なんですか?」
と聞いた。
「それは…俺の方が優秀だから!」
とノブが言うと雪菜は
「はいはい…そうですか…だったら一人でやってください…。」
と言って外に出ようとするがノブが
「待ってよ!俺一人にしないで!お塩たっぷりのコーヒーあげるから!」
と言ったが効果はなく雪菜は帰って行った。
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