読了頂けた方へ。
これまで、我が神を求めをお読みいただき、本当にありがとうございました。
この作品が生まれるきっかけは、倫理の授業で宗教革命を習ったことです。その前にもキリスト教だとか、イスラム教だとか、仏教だとかを習っていたんですが、その頃かなり小説のネタに飢えていた頃で勉強に集中できなかったんです。でもそんなふうにいるわけにいかないので、何とか勉強を小説につなげようと頑張っていたその日ごろでした。
まあ、授業は授業なので、上っ面しか習わなかったんですが、僕の妄想スイッチを入れるにはそれだけで十分でした。とりあえず、僕自身が抱く宗教に対する考えを固めて、その考えを伝えるのにはどんなストーリーがいいか、そこから神を求める主人公というのが浮かんできて、そこからヘレンとエディが生まれて……という具合です。始めたばかりの頃はその結論を急ぎすぎていて、某さんにセイヤーされてしまいましたが。
そこから自分はエディとヘレンに対してきちんと向き合っていなかったなあ、と反省しました。反省したので、一旦エディとヘレンの細かい人物像を洗い出して、それから今まで書いてきた文章にテコ入れして……したら全く別物の作品になっちゃったので、今ある『我が神を求め』は『力の二号』だったりします。書いた初めは、今の半分の分量で終わらせちゃうつもりだったんですから、随分長くなったなあ、と自分でもしみじみしています。その甲斐あってか、ただ考えを打ち出しただけじゃなくなって、そして嬉しいことに、楽しいと言って頂ける作品になったんじゃないかな、なんて思っています。
この作品の大きな特徴である(と思う)わらしべイベントは、元々伏線の練習として練りこみました。貰ったものが、どんどん移り変わっていく……ゼルダの伝説を楽しんだ時から、このイベントはやろう! って決めてたんです。初めは気づいて頂ける人があまりにも少なかったので、諦めた僕は一番上にアイテムとして載っけて、伏線の意味は取り上げちゃったんですが……実は、わらしべイベントの終点が、ロードになる予定だったんです。馬車付きで。ですから、実はロード、かなり出世したんですよね。
それからシレーヌ。彼女は、初期プロット時点では幽霊でした。灯台に取り憑いた、優しい女の子の幽霊。それに気付かないままエディ達は灯台を後にし、その後本当の灯台守がやってくる……という話です。ですが、それはその後の広がりがないのでやめて、普通に血の通った人間にしました。それどころか、エディとヘレンの旅の続編は、正しくシレーヌとの旅を予定しています。すっかり大人になった三人が織りなす冒険を、楽しんでいただければ、なあ。なんて今は思っています。
長くなっちゃいましたが、最後に。『エディとヘレンの旅行奇譚』とでもいいましょうか、このシリーズは、続編が続編じゃない作りを目指しています。どこから読んでも楽しめて、どこで読み終えても着陸できる。そんな作りを目指しているので、どうか温かい目でお見守り下さい。