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第七話 分からせてあげる♡

「おい、やり過ぎんなよ」


 後ろからのクマの忠告に、私は振り向かずに手だけ上げてゆっくりとゼホに近づく。


「ちょっと教育が必要みたいねークソガキ君?」


 そう言って不敵に笑いながら私はゆっくりゼホに近づいていった。


「ふへへっ」


 まるでその状況を楽しむかのように憎たらしい笑みを浮かべてるゼホ。コイツ絶対しばく。

 やがて私の手が届くぐらいまで近づいたとき――。




 ――ダッ!!


 ゼホは案の定逃げ出した!


 ふっ、やっぱり……バカだね、この私から逃げ切れると思ってんの!?


 私は運動神経は普通に良い。いつもクマという化け物と一緒にいるせいで勘違いしそうになるが、足だってまあまあ速いのだ!



 ――タタタッ。


 人気のない所まで走ったところで私はゼホの上着の襟を掴んでそのまま後ろに引っぱった!


「ぐえっ」


 情けない声と共にゼホは背中から地面に打ち付けられ、私はすかさずそんなゼホに馬乗りになる。


「ぐわあああ。や、やめろー」


 ゼホは半笑いで体をよじって抵抗してくる、でも無駄だよ。


 コイツは生意気な割にチビで体はひょろひょろだ。私がちょっと全身の体重をかけると簡単に身動きを封じられる。


 私はニヤつきながらゼホの両手を私の両膝で押さえ込もうとして手を伸ばした。



「ホラホラ~どしたのゼホ!?もっと抵抗してみ~?」


 などと煽りつつ私は右手でゼホの左手首を掴んだ!そのとき――。



 ――ビシッ。


 たまたま偶然ゼホの右手が、私の頬を引っ掻くように当たった……。



「痛った!!」



 しばらくゼホの手の当たった部分を手で押さえる私。ゼホは「あ……ちょっとまずかった!?」といった困惑の表情を浮かべる。


「あ……はは……は……」



 私は指の間からゼホの目の奥をにらみつけ、ゆっくり顔から手をどけた。そして先程までのふざけた雰囲気から一転し、低く静かに脅すような声で恫喝どうかつした。



「おい。調子のんなよお前」



「……あは……は……」


 焦りと恐怖で目を泳がせまくるゼホに対し、私は一切ゼホから目をらさず少し眉間にしわを寄せつつじっと睨みつける。

 ここで重要なのは絶対目をそらさない事!それがこちらの怒りを表現するための最重要事項だ。


 ゼホはちょっと泣きそうになっていた。

 私を本気で怒らせてしまった事を後悔するように口をパクパクさせている。


 一方……私が感じた怒りは一瞬で消え失せていて、もうすでに心の中でほくそ笑みながらこう思っていた。


 あははっ、めっちゃビビってるコイツ面白っ!もっと怖がらせてやろっと。



 ――ドスッ!!


「あふっ……!!」


 ゼホの腹に軽く拳を打ち付け、再び低い声で脅しをかける。


「私に何か言う事あるよなゼホ?んん?」


「ご……ごご、ごめ……んなさい……」


 そう言うゼホの目には涙が浮かんでいた。ふふ楽しいー♪


 私はゼホの目をにらんだまま顔を近づけ、震えるゼホの顔を観察する。


 そして表情を一転させ――――ニカッと微笑む!その表情の変化にゼホは一瞬ポカンとした。そして――。



「うりゃーーっ!!」



 私はその隙をついて両手でゼホの脇腹をこれでもか!というぐらいくすぐってやった。



「あはっははっっははあ!!ぎゃあああっああっ!!や、やめっ……あははぎゃああっっはは!!!!」



 体をよじらせ猛烈に大笑いを始めるゼホ!

 しかしゼホの両腕は私の両膝の下でガッチリ押さえつけられていて、私の手をはねのける事が出来ない。私はもうやりたい放題だ!!


 あーっははははっ!私にちょっかいかけるからだバーカ、思い知りなゼホーー!!あっはははっ!!


「あっ……はあっ、だめっ、も、もうやめてっ……ぎゃははっ……あふうう……」


 ゼホが笑いすぎて体力がなくなってきた所で、私は前々からやってみたかった技をかけてやろうと思った!


 一旦立ち上がり、まず右足の靴を脱ぎ両手で横たわるゼホの両足首を掴み、右足をゼホの股間に押し当てた!

  


 くふふふっ……。



 私はもの凄くニヤーッとした笑みを浮かべ、ゼホの股間の感触を確かめるようにフニフニした。


 あ、なるほどぉー!これがおち○ちんと金玉かー!!


「あぎゃーっ、ちょっ、やめ……!!」

「ねえゼホ?こっから何されるか、いくら馬鹿なアンタでも分かるよねー??」

「や、やめろーっ……!!」


 涙目のゼホの顔がさらに恐怖に歪んだその時、私は一気に右足を伸ばし、そして小刻みに振動させた!



 ――グリグリグリグリグリグリ!!



「ぎゃあああああああああああっ!!」


 ゼホの絶叫が辺りに響き渡る。私はそんなゼホの顔を見ていると楽しくなってきて調子に乗ってさらに攻撃を続けた。


「あははははははっ!!ほらほらー!!さっきの威勢はどうしたのかなゼホォ!?あはははははっ!!」


「ぎゃあああっ……あっ!?ああああーーーー!!!!」



 しばらくそんな状態を続けた後、やっと私はゼホを開放してあげた。


「……ひっ……ひっ……ひぐっ……」


 あー楽しかった!


 仁王立ちして勝ち誇る私の前で、ゼホはしばらく引きったようなむせび声をあげて、やがて立ち上がった。


「ううっ……ひぐっ……」


 今にも大泣きしそうなゼホの顔を見て、私はやっと「あ、ちょっとやりすぎたかな……」とかわいそうに思えてきた。


 こういう気持ちは言葉より体で表す方がいい。そう考えすぐ実行に移した。



 ――スッ。


 私は俯いたまま立ちすくむゼホの正面に回り込み、そのままゼホを抱きしめた!


「むふっ……!?」


 左手をゼホの背中に、右手を後頭部に回し、お互いの体を密着させながら少しずつ腕に力を込めていく……。


「む……ぐ……」


 するとやや猫背になっていたゼホの顔が私の胸に埋まり、私の大きくて形の良いおっぱいがゼホの顔の形にグニュッと歪んだ。


 私は一瞬だけ気持ちよくなった。



 ――ドッ、ドッ、ドッ、ドッ。


 胸の鼓動は徐々にその音を大きくしていく。

 ゼホはそのまま動かない。私もそのまま動かない。



 ――ドッドッドッドッドッ……。



 心臓の高鳴りが速くなっていくのを感じた私は、ゼホも同じ感覚なのかな?とか思った。



 ああ……なんか……ちょっと気持ちよくなってきた……はあっ……はあっ……!



 興奮してきた私はゼホを抱きしめる腕に少し力を込めて、ゼホに体をり付けるように体をくねらせた。

 ゼホは未知の体験に直立不動のまま動けないでいる。


 例えこんなクソガキであっても、こんな風にぎゅっと抱きしめればちゃんと気持ちいいんだね!……すごい発見。



 そして私の興奮はさらに昂まっていく……。


 その高揚感のままに、私は右手をゼホの顎下に当てがいクイッと上を向かせ、貪るように上から唇を合わせた。



 ちゅ……。



 目を見開いて固まるゼホ。その小さな口が妙に愛おしい……。


 しばらくゼホの唇を甘噛したり舌先でなぞったりして味わった後、私は舌を一気にゼホの口内へ入れた……!!

 ゼホはピクンと一瞬体を震わせ、口内に侵入した私の舌にされるがままになっている。



 んっ、はぁっ……んん、ちゅっ……ちゅるっ……。



 私の舌はゼホの口内を蹂躙するかのように暴れまわり、やがて私は舌から糸を引きながらゆっくり顔を上げ、ゼホの口から離れた。



 ――ドクン、ドクン、ドクン……。


 数秒経っても未だに鳴り止まない胸の鼓動。正直言って気持ちよかった……かなり。

 私の求める最高の快楽とはまだまだ遠い気がするが、これはこれでいい。うふふ。

 私は恍惚とした表情のままゼホを眺める。


 ゼホを見ると、顔を紅潮こうちょうさせたまま私の顔を見上げ、口をポカーンと開けたままで固まっていた。

 その股間は不自然な形状に盛り上がっている。


 なるほど!アレが本で読んだ◯起(◯っき)か。



 そして、最後に私は別れ際にこう言った。


「私、あんたの事嫌いじゃないからね。ゼホ」


「…………」


 ゼホは顔をこちらに向け、快楽、高揚、困惑、悔しさ……といった様々な感情が入り乱れたような、何とも言えない表情のまま口をポカーンと開けて立ちすくんでいた。

 ふふ、ちょっと刺激が強すぎたみたいね。


 まあでもいいや。これで恐らくもうおふざけで私に絡んでは来なくなるだろう。


「じゃあね。バイバーイ」




 ――タタタタッ。


 クマ達の元に走りながら私は考えていた。


 今のゼホとの行為に愛はない、ただひたすら気持ちいいからやった。それだけだ。


 皆、大袈裟に互いの体を合わせる事に、特別な意味を持たせたがる。

 愛だの恋だの心の波長がどうのとか、私に言わせれば全てタダの性欲だ。アホか。


 欲望に忠実に生きることこそが私にとっての正義なのだ!



 そして同時に私は思い出していた。クマと最初に出会った時の事を……。


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