物語のはじめに
皆様に、お聞きして参りました。
只今より、紡ぎ出しゆく物語。
自分なりの一言で表現するなら、何という?
皆様の許可を頂きまして、以下に掲載させて頂きます。
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白灰:これは誰かが紡ぐ みんなの物語。
黒灰:これは俺が紡ぐ みんなの物語。
鈴乱:これはみんなで紡ぐ みんなの物語。
夕飛:これは……誰かが紡ぐ 誰かの物語。
赤:これらは、みんなが紡ぐ……何か違う。ちょっと待って……えーと。これらは”俺ら”が紡ぐ、かな。これらは、誰かが紡ぐ 俺らの物語。
金:これは、誰かが紡ぐ、私の家族の物語。
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おや? 同じものを紡いだはずが、随分、表現が違いますね?
まぁ、それもそうですね。私は表現に規制などかけておりませんもので。
なるほどなるほど。こうしてみると、皆の個性があふれて……実に美しい様相ではございませんか。
どちらのお方も、表現は違えど、同じものを語っている。
とても、そうは見えないけれど。
さて……、ここに触れていらっしゃるあなたは、一体どちらの方でしょう?
誰の言う物語を、呼んでみたいと思いますか?
おやおや、まぁまぁ。落ち着きなさって。
大丈夫。すべてのお方の物語を、皆様にご覧に入れる所存にございます。
我が命、続く限り。
どうぞ、ごゆるりと、お楽しみ頂けますと、幸いに、ございます。
それでは、お待ちかねの夢の世界へ、行ってらっしゃいませ。