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些細ではない幸せ

作者: 小田虹里

明日も幸せな1日でありますように。


布団の中にもぐるが、明日も目を覚ます保証はない。


少しばかりの不安を胸に、祈りながら意識を手放す。

夢の中でいくらか過ごし、朝を待つ。


日が差し込み、目を開ける。

映り込むのは、見慣れた天井。

当たり前のように視界に入ることが、嬉しく思える。


些細なこと?

いや、そうでもない。


朝ごはんを食べ、学校なり仕事なり。

各々行くべき場所へ出かけていく。


日常をこなし、帰宅する頃には日も傾く。

「おかえり」と出迎えてくれる人がいたら、尚幸せなことだ。

いなくとも、帰る場所があるというのはそれだけで幸せ。

ドアノブをひねり、扉を開ける。

慣れた自分の家の香りが、身体を纏う。

そのことに安堵する。


今日も1日頑張った。


生きてるだけで、素晴らしい。

自分をまずは、褒めてあげよう。


夕飯を食べ、お風呂に浸かり。

また、布団の中にもぐる。


1日の終わりだ。

やはり、願わずにはいられない。


明日も幸せな1日でありますように。

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