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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第91話:美味しい夕飯…?

第91話として、メンバーが艦内の食堂で夕飯(アスの激辛カレー)を囲むシーンを笑いとちょっぴりの感動を織り交ぜながら描写しました。

【ルミナス艦内・食堂にて】

訓練施設から戻ったメンバーがシャワーと着替えを済ませ、ルミナスの明るい食堂に集まる頃には、すでにスパイスの香りが立ち込めていた。


「うわぁ~、今日の夕飯カレーだ〜!」

キャスが鼻をクンクンさせながら、興奮気味に席につく。


「……ただのカレーじゃないと思うよ」

ステラが無表情でポツリと呟く。彼女の嗅覚は、危険信号を感知していた。


「そう、今日は“本場の戦場飯”を再現してみました。名付けて《アス式・厳選スパイス99種ブレンドカレー》です」

アスが料理を運んでくる。湯気の中に、目が痛くなるほどの刺激臭。


「お、おぉぅ……なんか辛さがヤバそうな……?」

貴志がたじろぎながら皿を見下ろす。真っ赤。黒いスパイスが浮いている。

ルナが身を乗り出し、わくわくした目でスプーンを手に取る。


「アス姉の料理、いつも変わってて好き〜♪ カレーも絶対おいしいはずだよー!」


「ちょ、ルナ……まず俺が毒味を……」


が、ルナはすでにスプーンを口に運んでいた。


数秒後。


「ん……あれ? 甘……くは、な…い…」


ブワァッ!!!


「か、かかか、辛ぁぁぁああああああぁああっっっ!!!」

ルナが椅子ごとひっくり返り、ドローンまで反応して空中で火花を散らす。


「ルナ! お前、早いって言っただろ!!」

貴志が慌ててルナを支えるも、自らもスプーンを口に。


「ん……辛っ、辛っ!? 舌が、舌が燃えるっ……! おいアス、これは武器だぞ……!」


「訓練後の身体を活性化させ、代謝を高める理想の食事です。健康志向です」

アスが真顔でスパイスボトルをさらに取り出し、「辛さの上塗り」すら提案してくる。


「えええぇぇ……!?」

キャスがびびりながら皿をじっと見つめる。


「わ、私、カレー好きだけどぉ……これは絶対舌が壊れるやつだってぇ〜!」


「キャス、食べるなら早く。温度と辛味の変化は時間で指数関数的に上がります」

アスの冷酷な科学的追い打ちに、キャスが半泣きでスプーンを構える。


「うううううっ……ま、負けないっ! 私、キャス、いっきまーす!!」


その後。


「アスぅぅぅ! なにこれぇぇええええええぇぇえええ!!! 舌が壊れたぁぁぁぁ!!」

「水っ、水持ってきてぇええ!!」


ルミがさっと差し出したのは、牛乳。

「水じゃ逆効果。これ、飲んで。カレーの辛味は油分で中和するんだって」


「ルミ天使~~~~~~!!!」


【食後のまったりタイム】

ようやく「激辛試練」を耐え抜いた後、食堂の照明は少し暗くなり、暖色系のライトに切り替わる。

メンバーは各自のカップで紅茶やハーブティーを楽しみ始めていた。


キャスは胃を押さえながらソファに倒れこみ、ブランケットを頭まで被っていた。

「うぅ……もう私、明日からお粥生活する……」


アスはそんな彼女の横で紅茶を静かに啜り、呟く。


「明日からは《スパイスデトックススープ》を予定しています。楽しみにしていてください」


「や、やめてぇぇぇ~~~!!」


一方、ステラはブラスターの分解清掃を行いながら、ふと周囲を見回した。


「……こういう時間が、戦闘以上に大切なのかもしれませんね」


貴志が頷きながら、ホログラフでニュースを流す。


「戦うだけが“チーム”じゃない。こうして笑ったり、怒ったり、泣いたり……その積み重ねが一番の力になるんだと思う」


ルナがクッションを抱えて、貴志の隣に座る。


「お兄ちゃん、明日も訓練ある?」


「ああ。でも明日は少し軽め。チーム演習中心だ」


「やったー! じゃあ今夜はぐっすり寝よう~!」


ルミが控えめに笑いながら、部屋の片付けに向かった。


【食堂から退散】

「そろそろ解散だな。各自、明日の予定確認して、22時には消灯だ」


貴志がそう告げると、それぞれがゆっくりと立ち上がる。


アスは片付けを手早く終え、最後に鍋を見て満足げに頷いた。


「やはり、戦場の食事は強い意志を鍛えますね。みなさん、明日もよろしくお願いします」


キャスは目をうるませながらアスの背中を見送る。


「明日もあの舌試練……? 神さま、私、なにか悪いことした……?」


ステラは静かに立ち上がり、カップを返却口へ。


「……カレーとは、食事であると同時に、試練でもある。私は今日、学びました」


ルナが爆笑しながらステラの肩を叩く。


「ステラ、名言〜〜! 『カレーは試練』、明日の日誌に書いとくね!」


食堂を出る一行の背に、艦内自動放送の穏やかな声が響く。


「お疲れ様でした。本日の訓練記録を保存しました。よい夜を、お過ごしください」


こうして、彼らの一日は笑いと痛みと成長で幕を閉じていく。

それぞれが明日の任務に備え、短くも大切なプライベートタイムへと入っていった――


艦内プライベートルーム区画。


【貴志とアスの親密な夜】

静かな部屋に、アスの髪を撫でる貴志の手がそっと動く。

彼女は目を細め、わずかに頬を赤らめながら、身体を寄せた。


「……貴志さん。今日の私は、厳しすぎたでしょうか?」


貴志は少し考えてから、そっと微笑んで答えた。


「いや、必要だったと思う。キャスは明るいけど、その分、緊張感が抜けやすい。でもな……アスの顔、最後ちょっと怖かったぞ」


アスが小さく苦笑する。


「自覚はあります。……でも、貴志さんが見ていると思うと、少しでも“理想の副官”でいたくなるんです。立派で、強くて、頼れるように」


貴志はその言葉を真剣に受け止め、アスの手を強く握った。


「お前はもう、十分すぎるくらい頼れる副官だよ。でも、無理はするな。俺の隣にいるのは、強さだけじゃなくて、優しさもあるアスでいてほしい」


アスは数秒沈黙し、静かに呟いた。


「……はい。貴志さんの副官で、本当に良かった」


室内照明がほのかに揺れ、二人はそのまましばらく寄り添い、何も言葉を交わさず、ただ静かに時間を分け合った。


アスがぽつりとつぶやいた。


「明日も頑張りましょうね……私たちなら、どんな遺跡も越えられます」


【ルナ・キャス・ルミの楽しい夜】

キャスがベッドでクッションを抱え、訓練の復習をしていた……つもりが、ぬいぐるみを相手に「アス先生ごっこ」が始まっていた。


「立ちなさい! 撃てるまで寝かさないわよーっ! はい、もう一回!!」


ルナがその様子を見て、布団を抱えて転げ回る。


「キャス、それ似すぎっ! アス姉そっくり〜〜〜!!」


「うふふ〜! アスのマネ完璧でしょー! 明日こそ、的の中心ぶち抜いてやるんだからっ!」


ルミはサイドテーブルにハーブティーを置きながら、穏やかに微笑む。


「キャス、今日は前よりずっと当たってたよ。私、ちゃんと見てたもん」


キャスの表情がぱっと明るくなる。


「ほんとに? ルミに言われると、なんか嬉しいな〜」


「うん。失敗しても、繰り返すのがキャスのいいところ。……私は好きだよ、そういうところ」


「えへへ……ルミもかわいいよーっ!」


キャスが勢いよく抱きつき、ルミが「わっ」と驚きながらも受け止める。


一方、ルナは自分のドローン端末を持ち出して、今日の訓練映像を再生していた。


「ほら、これ見て見て〜! キャスが10メートル横に撃ったとこ、3倍速にすると超ウケるんだよ〜!」


「やーめーてーっ!! それ永久保存しないでぇぇ!!」


キャスが必死でルナに飛びつき、枕投げ再び。


ルミが笑いながら、またクッキーを配る。


「ほら、喧嘩せずに食べよ。明日もきっと忙しいよ。遺跡探索の準備、始まるかも」


ルナが大きく頷いた。


「うん! 私たち、もう立派なクルーだもんねっ!」


「へへ、そうだねっ! 次こそ、アスに褒められるんだからー!」


「私も……みんなと一緒なら、怖くない。遺跡も、未来も」


その言葉に、二人がふと静かになり、優しく微笑み合った。


【ステラの静かな夜】

その夜、ステラの個室はほとんど物音もなく、窓の外には静かな星々が瞬いていた。


彼女は制服を脱ぎ、白いワンピースのような部屋着に着替えると、無造作にベッドの上へ座った。

床には、今日初めて手にした小型ブラスターがそっと置かれている。


彼女はそれをしばらく見つめていた。


握ったときの重さ、振動、そして撃つ時のわずかな怖さ。

それでも、あの時。


> 「撃てば守れる」

「……でも、間違えば、傷つける」


ステラの指先が、小さく震えた。


彼女はそっとブラスターを手に取り、静かに構える真似をする。

アスの指導の声が頭をよぎる。


> 「足を肩幅に。肘は無理に伸ばさず、柔らかく固定して。恐れるな」


「……アスさん、すごかったな……」


ぽつりと呟いた声が、部屋に小さく響く。


続けて、笑顔で励ましてくれたルミの顔、陽気に話しかけてくれたキャス、

ドローンを自慢げに見せてきたルナ、そして、彼女を正式に迎え入れてくれた艦長――貴志の言葉が浮かぶ。


> 「ステラ、お前がいたおかげで助かった。これからよろしくな」


ステラは目を細める。


「……私は、あの人たちみたいに強くない。けど、少しだけ、進んでみたい」


ふと、机の上の小型端末に目をやると、ルミからの未読メッセージが一件届いていた。


> 【from ルミ】:

『お疲れさま。今日は一緒におしゃべりできなかったけど、また今度お菓子持ってくね。訓練頑張ってて偉いよ、ステラちゃん』


小さなメッセージ。それだけで、胸の奥がぽっと温かくなる。


彼女は端末を両手で包み込むように持ち、小さく微笑んだ。


「……ありがとう、ルミさん。次は……私から話しかけてみようかな」


【照明が落ちる前に】

それぞれの部屋の照明が自動的に「ナイトモード」へと切り替わり、淡い青白い光が空間を包む。


貴志とアスの部屋では、二人がそのまま穏やかにベッドに入り、手を繋いだまま、明かりがゆっくりと落ちていった。


ルナ、キャス、ルミの部屋では、キャスが「明日は寝坊しないっ!」と宣言しながら、ブランケットを頭までかぶり、

ルナが「アスに叩き起こされるキャスをまた録画しよ〜♪」と笑い、

ルミが「ふたりとも、ちゃんと寝よ……明日もいい日になるよ」と優しく言って、スイッチを切った。


【ステラの決意】

ブラスターを再びベッド脇に置き、彼女はそっと布団へ横になる。

天井の照明がナイトモードに切り替わり、青白い光が部屋を包む。


ステラは毛布を抱きしめるようにして、そっと目を閉じた。


「明日は、もう少し……“仲間”になれるように」


自分の中にわずかに芽生えた変化に気づきながら、

その夜、ステラは静かに、少しだけ希望のある夢を見た。


静かな夜。


ルミナスの外壁には星の光が反射し、艦は出発前の整備終え、補給ドックに静かにたたずんでいた。


彼らの心にもまた、少しずつ仲間としての信頼と絆が深く積み重なっていき、夜は深まっていった。

夕食の楽しい…?時間の後、各クルーのプライベートな時間を、親密で楽しく、自分を振り返る様子で描きました。

次話は、惑星ガンマに降り立っていきます。

ご期待ください。

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