第65話:貴志とアスの穏やかな休息日
第65話として、貴志とアスが食料品や副食品の買い物を済ませ、喫茶店で穏やかに過ごす休息日の午後を、彼らの性格を反映して柔らかく温かい雰囲気で描きました。
※表題を章から話に変更しました。
【買い物と柔らかな日々】
午後になり、貴志とアスは艦内の物資確認を終え、オルテガ・フロンティアの商業区にある食料品店にやってきた。
貴志がカートを押しながら、棚に並ぶフードカートリッジを眺めて呟いた。
「朝、昼、夕の食事はさ、フードカートリッジ買えば全自動調理器で済むけど…副食品はどうするかなぁ。お菓子とかさ、ルナとキャスが減らしてる分補充しないと」
アスが隣でタブレットを手に持ち、冷静に、しかし少し楽しそうに応じた。
「艦長、あの子たち、ルナとキャスの好みは正直分かりませんから、コストと内容量で選んで購入しようと思います。どうでしょう?」
貴志が笑いながらカートにカートリッジを放り込んだ。
「あの二人もいないし、共用品だからそれでいいよ。アス、賢い選択だな」
アスが小さく頷き、タブレットで注文手続きを進めながら言った。
「承知しました。艦に納入するように手続きしておきますね。これでしばらくは大丈夫そうです」
二人は食料品と副食品、お菓子やデザートの詰め合わせをカートに積み、穏やかに買い物を終えた。
貴志がカートを押しながら、アスに微笑んだ。
「アス、助かったよ。きみがいるとこういうのもスムーズだな」
アスが静かに微笑み返し、柔らかく応じた。
「艦長と一緒なら、私も楽しいですよ」
【喫茶店でのひととき】
買い物を終えた二人は、近くの喫茶店「スターライト」に立ち寄った。
午後の陽射しが柔らかく差し込む、静かな喫茶店。
木の温もりを感じる店内に落ち着いた音楽が流れ、貴志とアスは窓際の小さなテーブルに座った。
窓際の席に座る二人は、周囲の喧騒とは別世界にいるようだった。
注文した紅茶とケーキが運ばれてくると、貴志がフォークを手に持って笑った。
「ルナにからかわれちまったけどさ、こうやって二人で飲食してると、やっぱりデートみたいだな」
アスが紅茶を一口飲んで、穏やかに目を細めた。
「そうですね、艦長。あながちルナの言ってることに間違いはないかもしれません。ただ…軍服の二人じゃ、上官と部下みたいですよね」
貴志がケーキを切りながら、少し残念そうに呟いた。
「そうだなー。軍服だとさ、確かに業務っぽいよな。ちょっと残念だ」
その言葉を聞いたアスが、紅茶のカップを置いて優しく微笑んだ。
「それじゃ、艦長。私服でプライベートの時に行きましょうか? その方がデートらしいですよ」
貴志が一瞬目を丸くし、顔を少し赤くして慌てた。
「アス! き、きみ、急に何だよ…でも、うん、いいな。ルナ、キャス、ルミにバレないように行こうぜ」
アスが小さく笑い、柔らかく頷いた。
「はい、艦長。内緒で行きましょう。私も楽しみです」
貴志は、目の前のケーキを食べながら、アスに優しく微笑んだ。
「このケーキ、やっぱりきみが選んだだけあって、すごく美味しいね。」
貴志が笑いながらフォークを動かすと、アスは少し得意げにうなずいた。
「そうですね。ここは、艦長と2人で来たかったお店でした。雰囲気もとても良さそうでしたので…」
アスはそう言いながら、貴志のカップにそっと砂糖をひとさじ加えた。
ふと目が合う。会話が止まった一瞬、言葉よりも濃い何かが互いを包んだ。照れ隠しのように貴志がカップを持ち上げると、アスも笑みを浮かべて小さく頷いた。
二人はケーキを食べながら、さりげない約束に心が温かくなり、穏やかな歓談が続いた。
貴志が紅茶を飲み干し、アスに目を向けた。
「このケーキ、美味いな。アス、お前が選んだ紅茶もいい感じだよ」
アスが微笑み、カップを手に持った。
「ありがとうございます、艦長。私もこの時間が嬉しいです。休息日らしいですね」
【訓練の話と戦力向上】
話題が自然と明日以降の訓練に移ると、貴志が少し真剣な顔で言った。
「昨日は実戦経験したけどさ、もっといろんな訓練が必要だな。ルミナスの力をもっと引き出したいよ」
アスがタブレットを手に取り、提案した。
「艦長、私から提案があります。標的艦を軍から借用して、標的ドローンを発射する撃墜訓練や、標的艦から模擬レーザー、模擬ミサイルを発射する防御訓練はどうでしょう? 実戦とは異なる状況で鍛えられますよ」
貴志が目を輝かせて頷いた。
「いいな、アス! 昨日とは違う訓練もしたいし、標的艦やドローンって借りられるのか?」
アスがタブレットで確認しながら、冷静に応じた。
「軍訓練センターに問い合わせたところ、明日10時から13時までなら借用可能とのことです。ちょうどいい時間帯ですよ」
貴志が笑顔で頼んだ。
「それじゃ、アス、借用の手続きお願いな。助かるよ」
アスが了解の意を示し、タブレットを操作しようとした時、貴志が申し訳なさそうな顔で付け加えた。
「アス、ごめんな。せっかくの休息日に仕事させちまって…俺、気が引けるよ」
アスが手を止めて貴志を見上げ、柔らかく微笑んだ。
「大丈夫です、艦長。センターにアクセスして申請するだけですし、貴方と一緒なら仕事だって楽しいですよ。私にはこれが休息です」
貴志がホッとしたように笑い、アスの肩に軽く手を置いた。
「アス、ほんとお前には助けられてばっかりだな。ありがとう。じゃあ、手続き終わったらゆっくりしようぜ」
アスが優しく頷き、タブレットで申請を済ませた。
「はい、艦長。申請完了しました。これで午後はゆっくりできますね」
店内には優しいジャズが流れ、カップの触れる音が心地よいリズムを刻む。喫茶店の窓から差し込む柔らかな光の中、二人は紅茶とケーキを楽しみながら休息日を満喫した。
貴志の優しさと少しの照れ、アスの穏やかさとさりげない気遣いが、戦闘の疲れを癒す穏やかな時間を作り出していた。
明日への訓練の準備も整い、貴志とアスは互いの存在に感謝しながら、柔らかい午後を過ごした。
貴志とアスの買い物と喫茶店での穏やかなひとときを二人の日常的な会話を入れ、楽しく描きました。
次話では、実践的な訓練の様子を描いていきます。




