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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第54話:シーウェイ救援と初交戦

第54話として、ルミナスがシーウェイ救援に向け最大宇宙速度で航行中、敵艦との初交戦が始まり、ミサイル攻撃と防御の緊迫したやり取りを詳細に描きました。

※表題を章から話に変更しました。

【シーウェイ救援】

ルミナスはシーウェイ救援のため、最大宇宙速度で宙を突き進んでいた。

艦橋は静かな緊張感に包まれ、主機関の低い唸り音だけが響く中、貴志が艦長席から優しくも力強い声で指示を出した。

「アス、ルミ、パッシブレーダー作動。正面ディスプレイに敵艦の位置、速度、シーウェイとの距離を表示してくれ。状況を把握するぞ」


アスが即座にコンソールを操作し、冷静に報告した。

「了解、艦長。パッシブレーダー作動。敵艦とシーウェイの位置を確認しました。敵艦は巡洋艦クラスの中型艦、武装はミサイルとレーザー砲が主体です。ディスプレイに表示します」


正面ディスプレイに赤い点として敵艦、緑の点としてシーウェイが映し出され、距離と速度データが更新されていく。


ルミがセンサーを確認し、少し焦った声で補足した。

「艦長、逆探レーダーに感あり! 敵艦のアクティブレーダーに捕捉されたよ。奇襲攻撃はできないね。私たちの位置、バレちゃってる」


貴志が頷き、状況を整理した。

「分かった。隠れて近づくのは無理か…正面から行くしかないな」


その時、ルナがドローン隊のコンソールを握り、目を輝かせて尋ねた。

「お兄ちゃん、ドローン隊出していい? 海賊やっつけちゃうよ!」


貴志がルナを見て、優しく諭した。

「ルナ、まだ遠いぞ。エネルギー持たないから、もう少し待機だ。チャンスは必ずやるからな」


ルナが少し残念そうに唇を尖らせた。

「えー、早く出したいのに…分かった、お兄ちゃんの言う通り待つよ」


アスがルナに目を向け、穏やかに励ました。

「ルナ、活躍の場面は必ずあります。もう少し我慢してくださいね。私がタイミングを計ります」


ルナがアスに笑顔を返し、納得した。

「アスお姉ちゃん、ありがとう! 待つよ!」


【シーウェイ被弾】

ディスプレイを見ると、シーウェイの速度が徐々に落ちているのが分かった。赤い警告マークが点滅し、海賊からの攻撃を受けている様子がリアルタイムで映し出されていた。貴志が眉をひそめ、急を要する状況を悟った。

「シーウェイ、攻撃受けてるな…速度が落ちてる。時間がない。アス、キャス、ミサイル攻撃を実施する。敵艦の座標を特定して、ディスプレイに表示しろ」


キャスがコンソールに手を置き、緊張しながらも迅速に応じた。

「了解、貴志さん! 敵艦の座標位置、特定完了しました。ディスプレイに表示します!」


ディスプレイに敵艦の座標が赤い十字でマークされ、アスがミサイルシステムにアクセスした。

「艦長、ミサイルにコンタクト開始…コンタクト完了。発射準備完了です。ミサイル、発射します」


アスがスイッチを押すと、ルミナスの対艦ミサイル発射管4基から白い煙を引いてミサイルが飛び出した。ディスプレイ上でミサイルの軌跡が光の線として描かれ、敵巡洋艦に向かって一直線に進んだ。


レーダー誘導のもと、ミサイルは正確に目標を追尾していた。

ルミがその様子をじっと見つめ、ボソッと呟いた。

「終末誘導がレーダーだと、敵艦の防御システムに翻弄されるよ…、敵艦がベテランと想定されるときの終末誘導は、直接誘導の方がいいんだけどなぁ」


貴志がルミの言葉を聞き、尋ねようとした瞬間、アスが報告した。

「艦長、ミサイル敵艦に接近。まもなく接触します!」


だが、アスの顔色が突然変わった。ディスプレイに敵艦から放たれたチャフとフレアが映り、ミサイルの軌跡が乱れた。アスが悔しそうに声を上げた。

「チャフ、フレアと急速回頭で回避されました…ミサイル、迎撃されました!」


貴志が拳を握り、残念そうに呟いた。

「くそっ、ルミの言う通りだったか…直接誘導なら当たってたかもしれないな」


アスの報告が終わるか終わらないうちに、キャスが突然警告を発した。

「貴志さん! 敵艦のミサイル誘導にロックオンされました!」


同時に、艦の警報音がけたたましく鳴り響き、機械合成音声が艦橋に響いた。

「ミサイルロックオン警報。防御システムを稼働させてください。本艦に向かってミサイルが接近中です」


ディスプレイに赤い警告ラインが表示され、敵艦から発射されたミサイルがルミナスに向かって急速に近づく様子が映し出された。貴志が即座にルミとアスに指示を出した。

「ルミ、防御システム稼働! ミサイルを迎撃しろ。アス、急速回頭、取舵一杯。この艦を守るんだ!」


ルミが目を鋭くし、力強く応じた。

「承知した、艦長! 私の艦に傷なんかつけさせないからね!」

アスは、少し焦りながらも冷静に反応した。

「了解しました!取舵一杯、遠心力の衝撃にそなえて!」


ルミがコンソールを操作すると、ルミナスの防御システムが起動。チャフとフレアが艦の周囲に散布され、至近距離接近センサーがミサイルの軌跡を捉えた。

ディスプレイに表示されたミサイルの赤い点が、アスの急速回頭、チャフに反応してわずかに進路を逸らし始めた。


ルミが叫んだ。

「チャフ展開完了! フレアも撃つよ! 絶対当たらせない!」

フレアがオレンジ色の光を放ちながら宙に飛び、ミサイルを誘導する熱源として機能した。


貴志がディスプレイを睨み、緊迫した声で確認した。

「アス、どうだ!?」

アスがセンサーを確認し、勝利の笑みを浮かべた。

「艦長、ミサイルの誘導、乱れた! 外れていきます!」


ディスプレイ上でミサイルの軌跡がルミナスから逸れ、数秒後に遠くの宙で爆発する光が映った。キャスがホッとして叫んだ。

「やった! 貴志さん、ルミさん、助かったよ!」


アスが冷静に状況を整理した。

「艦長、急速回頭と、ルミの防御で間に合いました。敵のミサイルは迎撃成功です。ただ、シーウェイはまだ危険です。次の手を急ぎましょう」


貴志が全員を見渡し、優しくも力強い声で号令をかけた。

「よくやった、アス、ルミ! みんな、シーウェイを助けるぞ。敵艦に反撃だ。準備しろ!」


ルミナスは敵のミサイルを回避し、シーウェイ救援に向けて次の行動へと移った。

艦橋には貴志のリーダーシップ、アスの冷静さ、ルナの勢い、キャスの緊張感、そしてルミの経験が響き合い、戦闘の緊迫感とチームワークが交錯していた。

シーウェイ救援に向かうルミナスのミサイル攻撃と敵艦からの反撃、そして防御システムの稼働までを詳細に描きました。

次話では、戦闘の激化と海賊側の視点からも描いていきます。

ご期待ください。


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