第51話:ルミの仲間入りと朝の賑わい
第51話として、貴志、アス、ルミが艦橋でルナとキャスを待ち、ルミの仲間入りや自己紹介が楽しく進む場面を描きました。
※表題を章から話に変更しました。
【新たな仲間ルミ】
貴志とアスは新たにルミを仲間として迎え入れ、定例ミーティングの時間より少し早く艦橋に集まった。
ルミも一緒で、彼女は艦橋のコンソールを懐かしそうに触りながら、貴志とアスに昔話を始めた。
「ねえ、貴志さん、アスさん、このコンソール、私が初めて動かした時、艦長が『ルミナス、撃て!』って叫んでさ、私、レーザー砲を一気に全開にしたんだよ。敵艦がドカーンって爆発して、艦橋が揺れて楽しかったなぁ」
貴志が笑いながら応じた。
「ルミ、お前、昔から派手好きだったんだな。この艦の魂って感じだよ。今でもその勢い、頼りにしてるぜ」
アスが少し微笑みつつ、冷静に補足した。
「ルミ、貴官の経験は確かに素晴らしいです。私に統合されたデータからも、当時の戦闘記録が鮮明に残ってます。貴志艦長と一緒に、これからもその力を発揮してくださいね」
ルミがコンソールを撫でながら、懐かしそうに呟いた。
「うん、この艦、私の家だったから…またこうやって触れるなんて、夢みたいだよ」
三人がそんな話をしていると、艦橋の自動ドアがスッと開いた。
最初に入ってきたのはルナだった。彼女は貴志とアスの後ろに立つ見知らぬ女性に気づき、目を丸くして一言。
「お姉ちゃん、だれ?」
アスが穏やかに口を開き、説明を始めた。
「ルナ、彼女は今日から仲間になったルミ。この艦、ルミナスのAIで、実体化した姿です」
ルナが首をかしげて聞き返した。
「ルミナスのAI? あれ、消息不明だったんじゃないの?」
ルミが少し照れ笑いを浮かべながら答えた。
「うん、そうなんだけど…みんながあまりにも楽しそうにこの艦を動かしてたから、我慢できなくなって出てきちゃったんだ。隠れてたの、バレちゃったね」
ルナが目を輝かせて飛びつき、ルミに笑顔を向けた。
「そっか! じゃあ、ルミお姉ちゃんだね! よろしくね!」
ルミが嬉しそうにルナに微笑み、優しく返した。
「よろしくね、ルナ。私、みんなと一緒に戦えるの、嬉しいよ」
【お寝坊さんキャス】
貴志が二人のやり取りを見て、ルナに尋ねた。
「ルナ、キャスはどこだ? お前と一緒じゃないのか?」
ルナが少し困った顔で答えた。
「キャスお姉ちゃん、お寝坊さんだからさ。布団の中で『あと5分、5分で起きるから』ってゴロゴロしてたよ。私、先に来ちゃった」
アスが眉をひそめ、少し怒ったように呟いた。
「規律がなってませんね…キャス、いつまで寝てるつもりですか」
アスが艦内放送のマイクを手に取り、キャスの部屋に向けて一言、鋭く叫んだ。
「キャス、起きろ!」
艦内にアスの声が響き渡り、30秒後、頭がボサボサで軍服がヨレヨレのキャスが艦橋に飛び込んできた。
「うわっ! アスさん、ごめんなさい! 起きました、起きましたから!」
アスがキャスを呆れた目で見つめ、苦言を呈した。
「キャス、貴官、毎朝こうですか? 艦長目指すなら、もっと規律を守ってください。貴志艦長だって呆れてますよ」
貴志が笑いを堪えながらフォローした。
「まぁ、アス、キャスらしいっちゃらしいよ。遅刻したけど、ちゃんと来たんだからさ。な、キャス?」
キャスが頭をかきながら照れ笑いした。
「貴志さん、ありがとう…でも、アスさんには怒られちゃうよね。ごめんなさい!」
【ルミの紹介】
ルミがキャスの慌てぶりを見てクスクス笑い、貴志が改めて場を整えた。
「よし、みんな揃ったな。じゃあ、ルミ、自己紹介頼むよ。お前が仲間になったこと、ちゃんと伝えようぜ」
ルミが一歩前に出て、明るく自己紹介を始めた。
「えっと、私はルミ。この艦、ルミナスの元AIだよ。一回軍に抹消されかけたけど、貴志さん…じゃなくて艦長とアスさんに助けられて、またここにいるんだ。昔はこの艦で戦ってたから、みんなと一緒にまた戦えるの、すっごく嬉しい! よろしくね、ルナ、キャス!」
ルナが手を挙げて元気に応じた。
「ルミお姉ちゃん、よろしくね! ドローン一緒に出すの、楽しみだよ!」
キャスが頭を整えながら、笑顔で言った。
「ルミさん、よろしくね。私、寝坊しちゃったけど、貴志さんたちと一緒に戦う仲間が増えて嬉しいよ!」
アスが少し呆れつつも、微笑んで締めた。
「キャス、貴官はもう少し早く起きること。ルミ、貴官の経験は私にも統合されてます。今日の訓練で、みんなの力を引き出しましょう。艦長、準備はいいですか?」
貴志が全員を見渡し、優しくも力強い声で答えた。
「ああ、みんな揃った。これからルミも加わって、ルミナスを最強の艦にするぞ。朝から賑やかでいいスタートだな。よし、ミーティング始めようぜ!」
艦橋に笑い声が響き、ルミの仲間入りがチームに新たな活気をもたらした。
ルナの元気さ、キャスのドジっ子ぶり、アスの規律へのこだわり、そして貴志の優しさが混ざり合い、楽しい朝のミーティングが始まった。
ルミの仲間入りと自己紹介が楽しく進み、アスの規律への呆れとチームの和やかな雰囲気を描きました。
次話では、ルミナスの訓練航宙に向かいます。
ご期待ください。




