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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第46話:夜のルミナスと笑顔

第46話として、ルミナス艦橋での振り返りと、貴志とアス、ルナとキャスのプライベートルームでの和やかなやり取りを、明るく楽しい雰囲気で描きました。

※表題を章から話に変更しました。

【艦橋での振り返り】

ルミナスの艦橋に集まった貴志、アス、ルナ、キャスは、今日一日の出来事を振り返る時間を過ごしていた。

清掃で埃が取れ、照明器具を新品に取替えが明るくなった艦橋には、紅茶の香りが漂い、和やかな空気が流れていた。


貴志が優しく、艦長として力強い声で話を始めた。

「みんな、今日はルミナスの受領から始まって、機関の始動、点検、清掃まで、よく頑張ってくれたな。新しい艦に慣れる第一歩だ。どうだった?」


ルナが目を輝かせて飛びついた。

「お兄ちゃん、ルミナスって最初は埃だらけだったけど、主機関動いた時の音、かっこよかったよ! ドローン隊も見に行ったけど、まだコンタクトしてないから、訓練の開始が楽しみだなぁ!」


キャスが笑いながら付け加えた。

「貴志さん、私、掃除で大変だったよ!ルナちゃんにバケツひっくり返したことバラされちゃって、恥ずかしかったけど…でも、みんなで笑えて楽しかった!」


貴志が腹を抱えて笑った。

「ハハッ! キャス、さっきのバケツの話は最高だったよ。キャス、戦場じゃ冷静になって来たのに、掃除じゃドジっ子全開だな。ルナもよく見てたよなー」


キャスが真っ赤になって顔を隠した。

「もうやめてよ!ルナちゃんだけではなく、 貴志さんまで笑うんだから、恥ずかしいよ!」


アスがクスクス笑いながらフォローした。

「キャス、そんなドジもあなたの魅力ですよ。私、艦のシステム封印解除したけど、みんなの笑顔が今日一番の収穫ですね。艦長、ルミナスも私たちの家になりそうです」


貴志が全員を見渡し、優しく締めた。

「そうだな、アス。みんなの笑顔があれば、ルミナスだってすぐに馴染むよ。埃だらけだった艦が、今日でお前たちのおかげで生き返った。感謝してるぜ、アス、ルナ、キャス」


艦橋は笑い声と温かい雰囲気に包まれ、ルミナスでの初日が楽しい思い出として刻まれた。夜も遅くなり、話が尽きたところで解散となった。


【貴志とアスのプライベートルーム】

貴志はプライベートルームに入り、荷物を置いて一息つこうとした瞬間、違和感に気づいた。


「ん? 何だこれ…なんでベッドが2つあるんだ? デスクも2つ?」

その時、ノックもせずにアスが当たり前のように入ってきた。普段着に着替えた彼女が、穏やかに説明した。


「艦長、ルナやキャスから聞いてませんでしたか? ルミナスは艦内の容積を戦闘能力に振ってるから、プライベートルームが少ないんです。よって、私と艦長は同室になります」


貴志が目を丸くして驚いた。

「え!? 同室!? 若い男女が一緒って、まずくないか? 何か変な感じになっちゃうだろ!」


アスが冷静に、しかし少しからかうように応じた。

「艦長、私は実体化AIですよ。何も気にすることありませんが、私にご興味がありますか?」

と言って、アスはわざと服のボタンを外すような振りをした。


貴志が少し照れながら反論した。

「まぁ、そうなんだけどさ…でも、俺は人間だぞ? 変な気を起こすかも知れないって!」


アスが一瞬黙り、ニコッと笑って一言。

「戦場だけではなく、夜の戦いも喜んでお待ちしてますよ、艦長」


貴志の顔が一気に赤くなり、慌てて後ろを向いた。

「お、お前! 何だよその言い方! からかうなよ、恥ずかしいだろ!」


アスがクスクス笑いながら近づき、貴志の肩を軽く叩いた。

「艦長、冗談ですよ。でも、あなたがそんな顔するなら、同室も悪くないですね。私、戦場以外でもあなたのそばにいるの、嫌いじゃないです」


貴志が赤い顔のまま笑い、気持ちを切り替えた。

「…ったく、お前ってほんと大胆だな。まぁ、お前が平気なら、俺も慣れるさ。ルミナスでも、よろしく頼むぜ、アス」

「ええ、艦長。私もよろしくお願いします。今晩も良い夜にしましょうね」


二人は笑い合い、ルミナスの狭い部屋で新たな同居生活が始まった。明るく和やかな空気が、貴志とアスの絆をさらに深めていた。


【ルナとキャスの部屋】

一方、ルナとキャスの部屋では、二人がベッドに寝転がりながら雑談していた。ルナが枕を抱えて呟いた。

「お兄ちゃんとアスお姉ちゃん、仲良くやってるかなぁ? 新しい艦でも一緒にいるんだよね」


キャスがクッキーをかじりながら笑った。

「ルナちゃん、貴志さんとアスさんってほんと仲良いよね。もう少しくっついてもいいと思うんだけど、貴志さんって奥手だからさ。私たち、少しでも後押ししなきゃね!」


ルナが目を輝かせて飛び起きた。

「キャスお姉ちゃん、それいいね! お兄ちゃん、アスお姉ちゃんのこと大好きそうだし、私たちで何か企もうよ! 例えば、アスお姉ちゃんにお兄ちゃんのこと褒めさせたりさ!」


キャスがニヤッと笑って提案した。

「うん、いいね! 私、貴志さんに『アスさんって頼りになるよね』とか言って、意識させちゃおうかな。ルナちゃんはドローン隊を使ってで二人をくっつける作戦とかどう?」


ルナが大笑いした。

「ハハッ! ドローン隊で追いかけ回すの? お兄ちゃん、真っ赤になって逃げるよ、きっと! 楽しそう!」


キャスも笑いながら頷いた。

「そうだよ、ルナちゃん。私たちの作戦で、貴志さんとアスさんがもっと仲良くなったら面白いよね。ルミナスでも、楽しいこと増やそう!」


二人は笑い合い、企みを膨らませながら夜を過ごした。ルナとキャスの楽しげな声が部屋に響き、ルミナスでの新たな生活への期待が膨らんでいき、夜は更けていった。


ルミナスの艦内は、貴志とアス、ルナとキャスの笑顔で満たされ、新しい艦での生活が明るく始まった。


ルミナスでの激しい戦闘が始まっていくが、今はこの穏やかな時間を各自が精一杯楽しんでいた。

艦橋での和やかな振り返りと、プライベートルームでの貴志とアス、ルナとキャスの楽しいやり取りを描きました。少しずつ貴志とアスとの距離が近づいて行きます。

次話では「幽霊?」が登場します。

ご期待ください。



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