第44話:ルミナスの始動と謎
第44話として、ルミナス艦橋に入った貴志、アス、ルナ、キャスが新たな艦の始動に挑み、埃まみれの状況や過去の謎に直面する様子を描写しました。
※表題を章から話に変更しました。
【ルミナスの始動開始】
ルミナスに乗り込んだ貴志、アス、ルナ、キャスは、新たな艦に心を躍らせながら艦橋に足を踏み入れた。だが、主機関も補助機関も始動していない艦橋は薄暗く、赤暗い非常灯だけが点灯しているだけで、艦内の状態は不明だった。
貴志が状況を見て、アスに優しく、しかし艦長としての威厳をもって指示を出した。
「アス、まずは補助機関を始動してくれ。艦内が暗いと状況把握すら出来ない。これからは俺たちのルミナスなんだから、各部をしっかり点検していこう」
アスがコンソールに手を置き、冷静に応じた。
「了解しました、艦長。ルミナスのメインシステムにリンク開始…リンク完了。ルミナスは私の指揮下に入りました。補助機関にリンク開始…リンク完了。補助機関、始動します」
アスがスイッチを入れると、低い振動と共に艦橋の照明が明るさを取り戻した。だが、光が差し込んだ瞬間、貴志、ルナ、キャスの第一声が揃った。
「汚ーい!」
艦橋は埃にまみれ、コンソールや壁には薄い灰色の層が積もり、長期間放置されていたことが一目で分かった。
ルナがコンソール上の埃をつまんで叫んだ。
「酷い艦内状況だねー! 埃だらけで訓練どころか整備、点検すら出来ないよっ!」
キャスが苦笑いしながら同意した。
「貴志さん、こんなに汚いなんて…、触るのも嫌だけど、私たちのお家にするには、掃除しないとね」
貴志が埃っぽいコンソールを軽く叩きながら、優しく笑った。
「確かにひどいな…でも、主機関を動かして宙域で訓練しないと、この艦の実力も分からない。艦橋や格納庫はドックの清掃スタッフに頼むよ。プライベートルームやキッチン、ダイニングは俺たちが使うんだから、ルナ、キャス、お前たちに任せる。いいな?」
ルナが少し不満そうに頬を膨らませた。
「えー、お兄ちゃん、掃除かぁ…でも、これからの新しいお家になるんだから頑張るよ!」
キャスがルナを励ますように笑った。
「ルナちゃん、一緒にやればすぐ終わるよ。私、キッチン綺麗にするの楽しみだな」
貴志が二人に目を向け、さらに提案した。
「そうそう、ルナ、キャス、ついでに格納庫に新しく購入したドローン隊が納入されてるはずだ。実機を見て、コンタクトと整備を始めてくれ。俺とアスは主機関室に行って、機関を動かす。みんなでこの艦を起こしてやるぞ」
ルナが目を輝かせて飛びついた。
「ドローン隊!? やっと会えるんだ! キャスお姉ちゃん、早く見に行こう!」
キャスが頷き、二人は意気揚々と艦橋を後にした。
【ルミナスの謎】
貴志とアスは主機関室へと向かった。埃っぽい通路を進む中、主機関室に到着すると、そこは艦橋ほどではないものの、やはり埃が積もっていた。しかし、機関自体はしっかり整備されている印象を受けた。貴志が機関を見回しながら、アスに指示を出した。
「アス、主機関の始動を頼む。この艦を動かせば、どんな艦か分かるよ。俺たちの力で、ルミナスを最高の戦闘艦にしていこう」
アスが機関のコンソールに手を置き、応じた。
「了解しました、艦長。主機関にリンク開始…リンク完了。主機関、始動します」
スイッチが入ると、低い唸り声と共に主機関が稼働を開始。力強い鼓動が艦全体に響き、貴志が満足そうに笑った。
「いい音だな…これなら戦える。アス、どうだ?」
だが、アスが少し眉をひそめて報告した。
「艦長、メインウェポンシステムが封印されています。艦橋に戻って、システムの封印解除が必要です」
貴志が頷き、すぐに行動を決めた。
「よし、じゃあ艦橋に戻るか。封印解除して、全システムを動かしていこう」
二人は機関室を後にし、艦橋へと向かった。
通路を歩きながら、アスが貴志に小声で話しかけた。
「艦長、この艦…、何らかの原因でしばらく使われていなかったようです。システムにリンクしたところ、艦の元々のAIと軍との間で何かトラブルがあった形跡があります」
貴志が足を止めて、不安げに振り返った。
「何!? この艦、大丈夫なのか? 変なトラブル持ちだから、俺たちに押し付けたのかよ…」
アスが落ち着いた声でフォローした。
「艦長、心配いりません。この艦は完全に私の指揮下に入っています。問題はないですよ。ただ、元々の艦AIが行方不明のようです。記録には残ってますが、どこかで切り離されたみたいですね」
貴志が首をかしげながら歩き出した。
「艦のAIが行方不明って…何だよそれ。軍の管理が杜撰なのか? アス、お前がいるから安心だけどさ、ルミナスって何かワケありっぽいな」
アスが微笑んで応じた。
「艦長、私がいる限り、ルミナスは安全です。元々の艦AIが何であれ、私がこの艦を完璧に動かします。貴志さんの指揮があれば、どんな過去があっても最強の戦闘艦にできますよ」
貴志がアスの言葉に笑顔を取り戻した。
「そうだな。お前がそう言うなら、信じるよ。アストラリスも最初は不都合な箇所あったけど、俺たちで強くした。ルミナスも同じだ。埃だらけでワケありでも、俺たちの手で最高の戦闘艦にしよう」
二人は艦橋に向かって歩を進め、ルミナスの謎めいた過去に不安を抱きつつも、それを乗り越える決意を新たにしていた。貴志の優しさと意志、アスの冷静なサポートが、ルミナスでの新たな挑戦を支えていた。
ルミナス艦橋での始動と清掃の様子、主機関の稼働、そして艦の過去の謎が明らかになる場面を描きました。
次話は、ルミナスに「幽霊」騒動がおきます。
ご期待ください。




