第42話:新たな命令とルミナスへの移行
第42話として、貴志、アス、ルナ、キャスが艦橋で改装とドローン購入の計画を和気あいあいと話し合い、連合軍からの新たな命令で駆逐艦ルミナスの貸与と海賊掃討作戦への参加が決まる展開を描きました。貴志の不安と、アスの心の支えを織り交ぜました。
※表題を章から話に変更しました。
【改装計画と新しいドローン】
貴志とアス、ルナとキャスは、それぞれ改装とドローン購入の計画を終え、アストラリスの艦橋に戻ってきた。艦橋には穏やかな空気が流れ、紅茶の香りが漂う中、メンバーは改装計画や購入内容を共有し始めた。
貴志が紅茶を手に持って切り出した。
「よし、みんな揃ったな。俺とアスは工廠でアストラリスの強化を決めてきた。ジェネレーター交換でレーザー砲の射程が2割伸びて、シールドも3割強化。ミサイル発射管は『ファー』を搭載だ。長距離攻撃が安定するぞ」
アスが微笑みながら補足した。
「艦長、私の誘導が必要な場面もありますが、マーベルの時のようなリスクは減ります。貴志さんの慎重さと私のサポートで、次は余裕を持って戦えますよ」
ルナが目を輝かせて飛びついた。
「お兄ちゃん、すごいね! キャスお姉ちゃんと私もドローン決めたよ! 攻撃用の『ハンター・ドローン』2機と、索敵とジャミング用の『スカウト・ドローン』4機だよ!」
キャスが笑いながら付け加えた。
「ルナちゃんがハンターでガンガン攻めて、私がスカウトで守りと索敵をやって、シミュレーションで試したんだ。ルナちゃんの勢いと私の慎重さがいい感じに合ったよ」
貴志が笑って頷いた。
「ルナの突っ込み癖とキャスの冷静さか。戦場でもそのコンビネーションは頼りになるな。アストラリスが強化されて、ドローンが増えれば、俺たちの戦い方も広がる。キャスも艦長っぽくなってきたな」
キャスが照れ笑いした。
「貴志さんに褒められると嬉しいよ。私、みんなと一緒に強くなりたいから、もっと頑張るね」
ルナが紅茶をこぼしそうになりながら叫んだ。
「お兄ちゃん、アスお姉ちゃん、キャスお姉ちゃん、次はもっとすごい戦いしようね! ドローンちゃんたちも大活躍だよ!」
アスが穏やかに笑った。
「みんなの個性がアストラリスを強くしますね。私も誘導や索敵でしっかり支えますよ」
艦橋は和気あいあいとした笑い声に包まれ、改装とドローンの計画が今後の戦闘にどう活きるかを話し合ううちに、チームの結束がさらに深まった。
【アストラリスからルミナスへ】
話が一段落したところで、艦橋の通信機が鳴った。アスが応答すると、第一艦隊司令所からの無線連絡だった。
「こちら第一艦隊、第3艦隊分艦隊司令のブラウン大佐だ。貴志中尉、速やかに第一艦隊司令所まで出頭されたい。以上」
貴志が眉をひそめた。
「また呼び出し? 今度は何だよ…ルナ、キャス、艦を頼む。俺とアスで行ってくる」
キャスが頷き、ルナが元気に応じた。
「うん、貴志さん、気をつけてね!」
「お兄ちゃん、アスお姉ちゃん、すぐ戻ってきてね!」
貴志とアスは艦橋を後にし、司令所へと向かった。道中、貴志は不安を隠せなかった。
「アス、何の呼び出しだと思う? 前回の昇進みたいにいい話ならいいけど…、なんか嫌な予感がするんだよな」
アスが貴志の横に並び、優しく励ました。
「艦長、大丈夫です。何かあっても、アストラリスとみんながいます。私もあなたを支えますから、安心してください」
貴志がアスの言葉に少し笑顔を取り戻した。
「…そうだな。きみがそう言うと、心強いよ。まぁ、何でも来いって感じだな」
【ブラウン大佐と新しい任務】
第一艦隊司令所に到着した貴志とアスは、ブラウン大佐の執務室に通された。大佐は冷徹な表情で書類を見ながら話し始めた。
「貴志中尉、アストラリスの改装に時間がかかると聞いている。時間を持て余してるようだな。そこで、連合軍の駆逐艦『ルミナス』を貸与する。
12.7cm3連装レーザー砲2基、対艦ミサイル発射管4基、ドローンは機種に問わず6基まで搭載可能だ。
普通の駆逐艦だから、貴官なら慣れてるはずだ。ルミナスで海賊掃討作戦に参加しろ」
アスが貴志に小声で補足した。
「艦長、アストラリスより近接攻撃力が強化されていますが、防御力が不安な艦種です」
大佐が続けた。
「これは貴志中尉への命令だ。拒否権はない。速やかに第5ドックに行き、艦を受領しろ」
貴志が慌てて質問した。
「ちょっと待ってください、大佐! アストラリスやアス、ドローンAIのルナはどうなるんですか?」
大佐が冷たく一瞥し、呆れたように答えた。
「中尉、貴官はそんなことも知らないのか?」
アスが貴志に耳打ちした。
「艦長、私、アストラリスのAIですが、艦に縛られてるわけじゃありません。ルミナスの艦システムにリンクすれば、アストラリスと同じように一緒に戦えます。ルナもこちらからドローン隊を連れていけますし、艦のシステムとリンクすれば大丈夫。ただ、慣れるまで2日ほど必要です」
貴志がホッとしつつ、大佐に確認した。
「じゃあ、アスとルナも一緒にルミナスで動けるってことですよね?」
大佐が苛立たしげに頷いた。
「当たり前だ。とにかく、作戦開始は5日後だ。3月20日0900、第一艦隊ブリーディングルームに集合しろ。準備を整えろ。以上、下がってよし」
貴志とアスは執務室を後にした。
司令所を出た貴志は、不安と不条理さを感じながら呟いた。
「命令なら仕方ないけどさ…アストラリス置いて別の艦って、なんか腑に落ちねえよ。アス、お前どう思う?」
アスが貴志の肩に軽く手を置き、穏やかに答えた。
「艦長、私もアストラリスが恋しくなりますが、ルミナスでも一緒に戦えます。貴志さんの指揮があれば、どんな艦でも最強にできますよ。私とルナが慣れるまでの2日、しっかり準備しましょう」
貴志が苦笑いしながら頷いた。
「そうだな。きみがそう言うなら、やってみるか。ルミナスか…近接攻撃力が高いなら、俺の突っ込んだ戦い方にも合うかもな。アス、お前がリンクしてくれたら心強いよ」
二人は第5ドックに向かい、ルミナスを受領した。黒と銀の塗装が施された駆逐艦は、アストラリスよりコンパクトだが、鋭い印象を与えた。貴志が艦を見上げて呟いた。
「防御が弱いなら、俺の判断が試されるな…アス、ルナ、キャスと一緒に、また死線をくぐる覚悟だ」
アスが微笑んで応じた。
「艦長、私たちがいます。ルミナスも、アストラリスと同じように家族にしましょう」
貴志とアスは、5日後の作戦に向けた準備を始め、
少しの不安はあったが、アスの支えとチームへの信頼が、彼を新たな挑戦へと押し進めていた。
アストラリスの改装計画を話し合う和やかな場面から、連合軍の命令で駆逐艦ルミナスへの乗艦変更が決まる展開を描きました。
次話からは、乗艦がアストラリスからルミナスに変更となり、新しい展開となっていきます。
ご期待ください。




