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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第40話:アストラリスの強化と新たな始まり

第40話として、貴志、アス、ルナ、キャスが新たな一日を迎え、アストラリスの修復と強化に着手する様子を描きました。技術的な議論とルナ・キャスの微笑ましいやりとりが、戦いの後の穏やかな時間を演出しています。

※今回から本文内に節を設け、読みやすさを重視していきます。また、表題を章から話に変更しました。

素敵で記憶に残る夜を過ごした貴志とアス、ルナとキャスにとって、また新たな一日が始まった。

オルテガ・フロンティアの朝陽が艦に差し込み、艦橋に集まったメンバーは活気に満ちていた。貴志がみんなに声をかけ、改めて今日の予定を伝えた。


「おはよう、みんな。今日からアストラリスの修復と強化を始めるぞ。レーザー砲の強化、シールドジェネレーターのアップグレード、ルナのドローンの増強だ。二手に分かれて動こう。俺とアス、ルナとキャスで組むぞ」


アスが頷き、補足した。

「艦長、私と貴志さんは工廠で修復と兵装の増強を担当します。ルナとキャスはドック内の補給廠でドローンの購入をお願いします。効率よく進めましょう」


ルナが元気よく手を挙げた。

「お兄ちゃん、キャスお姉ちゃんとドローン選ぶの、楽しみだよ!」

キャスが笑顔で応じた。

「うん、ルナちゃん。私もワクワクしてる。どんなドローンがいいか、一緒に決めようね」


貴志が笑って締めた。

「よし、じゃあ各自準備して出発だ。アストラリスを最強の艦に仕立て上げるぞ!」

メンバーは意気揚々と二手に分かれ、行動を開始した。


【貴志とアス:工廠での強化交渉】

貴志とアスは普段ならドックに向かうところだが、今回は工廠を訪れ、修復と兵装増強について技術官と話し合うことにした。工廠の技術官は恰幅のいい中年男性で、アストラリスの損傷状況を一瞥すると、すぐに提案を始めた。


「貴志中尉、アストラリスの機関自体は現状でも問題ない。ただ、シールドジェネレーターは今回の戦闘で被弾して損傷してるから交換が必要だ。レーザー砲の出力アップと、シールドのパワーアップには、これが不可欠だよ」


貴志が頷き、具体的な強化を尋ねた。

「分かった。ジェネレーター交換でどれくらい強化できるんだ?」


技術官が設計図を広げながら説明した。

「レーザー砲は艦の容積的に口径を大きくするのは無理だが、新しいジェネレーターで出力が上がる。射程距離が2割延伸して、15.5cmレーザー砲と同等になる。シールドも3割強化されて、軽巡洋艦レベルに近づく。ただ、これ以上は艦体を拡大改装しないと限界だ」


貴志が少し残念そうに呟いた。

「そうか…でも、射程とシールドが上がるなら十分だ。ミサイルはどうだ?」

技術官が目を輝かせて提案した。

「ミサイル発射管の改装なら、巡洋艦レベルの『ファー』を搭載できる。威力は駆逐艦搭載レベルだが、射程距離はマーベルに匹敵する長距離型だよ」


貴志が喜んで頷いた。

「射程が長くなるのはいいな! マーベルみたいに艦が壊れる心配もないだろ?」

アスが冷静に補足した。

「艦長、ただし誘導レーダーの出力が低いので、最終誘導はアストラリスの直接誘導が必要です。マーベルの時と同じですね」


技術官が笑って付け加えた。

「通常戦闘なら問題ないよ。直接誘導が必要なのは、超長距離の敵だけだ。ミサイル発射管の改装も含めて、25万クレジットで全部できる。どうだ?」


貴志がアスと目を合わせ、即決した。

「よし、それで頼む。アストラリスを軽巡洋艦並みに仕立ててくれ!」


二人は技術官と握手を交わし、修復と強化の契約を結んだ。


【ルナとキャス:補給廠でのドローン選び】

一方、ルナとキャスはドック内の兵器・補給廠に向かい、ドローンの購入に取り掛かった。

補給廠のカウンターには分厚いカタログが置かれ、5mから10m級の様々なドローンが並んでいる。二人はカタログを広げ、にらめっこを始めた。


ルナが目を輝かせて指差した。

「キャスお姉ちゃん、これ見て! 8m級の『ハンター・ドローン』! レーザー付きでカッコいいよ!」


キャスが別のページを開いて反論した。

「ルナちゃん、でもこっちの10m級『ガーディアン・ドローン』はどう? シールド付きで守りも強いよ。私たち、守るのも大事だよね?」

「あー、でもハンターの方が攻撃強いよ! 海賊やっつけるならこっち!」

「うーん、でもガーディアンの方が長持ちしそう…あれもいいし、これもいいし…」


二人はカタログを挟んでワイワイと議論し、なかなか話がまとまらなかった。補給廠の若い女性技術士官が、そんな様子を微笑ましく見つめていた。


彼女は心の中で呟いた。

「戦場じゃ死線をくぐり抜けるほど優秀な二人なのに、一旦外に出ると普通の女の子だな。こういう優柔不断さも可愛いもんだねー」


ルナがさらに別のドローンを指差した。

「キャスお姉ちゃん、この6m級『スカウト・ドローン』は? 小さいけど速いよ!」

「うーん、速いのもいいけど…やっぱり決められないよ、ルナちゃん!」


技術士官が笑いを堪えながら近づき、助け舟を出した。

「お嬢ちゃんたち、迷ってるなら用途を教えてくれればアドバイスするよ。何が欲しいんだい?」


二人は顔を見合わせ、ワイワイと相談を続けた。結局、決めきれずに技術士官の提案を待つことになり、補給廠は賑やかな笑い声に包まれた。

アストラリスの修復と強化が具体化し、貴志とアスが技術的な交渉を進める一方、ルナとキャスの微笑ましいドローン選びが描かれました。戦いの後の穏やかな時間とチームの個性を描き出しました。

次話も引き続き、チームの個性を描いていきます。

ご期待ください。

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