第39話:夜のひととき
第39話として、酒場を後にしたアストラリスのメンバーがそれぞれの時間を過ごし、貴志とアスの関係が一歩進展する場面を描きました。
戦いの緊張から解放されたプライベートなひとときを、温かくも少しロマンチックに描写しました。
※表題を章から話に変更しました。
酒場での楽しい時間を終え、貴志、アス、ルナ、キャスはアストラリスに戻り、艦橋で明日の予定について話しを行った。
「ますは今日はお疲れ様!明日はアストラリスの修繕と改装、ドローン隊の導入と盛り沢山だ。今晩はゆっくりと休んで明日に備えて欲しい!」
ルナ、キャスは仲良く「は~い!」と言って、自室へと戻って行った。
ルナとキャスが退出した艦橋には、静けさとゆったりとした時間が訪れ、貴志とアスは紅茶の香りを楽しみながら暫し歓談を行い、各自の自室に戻ることとした。
変わって、ルナとキャスの部屋では、ルナとキャスがベッドに寝転がりながらお菓子やジュースを手に楽しげに雑談していた。
「キャスお姉ちゃん、今日の焼き肉、すっごく美味しかったね! また食べたいな!」
キャスがクッキーをかじりながら笑った。
「うん、ルナちゃん。酒場ってあんなに楽しいんだね。私、初めてだったからびっくりしたよ。どこに行っても、貴志さんやアスさんといると、いつもワクワクするね」
二人は戦いの話から酒場の思い出などを語り合い、眠くなるまで話し込んでいた。部屋には愉しげな笑い声が響き、あれほど激しかった戦いの疲れも、少しずつ癒されていった。
一方、貴志は自室で一人、今回の護衛任務を振り返っていた。ベッドに腰掛け、目を閉じて戦闘の瞬間を思い出す。マーベル発射の決断、空母撃破の瞬間、そしてアストラリスの大破。改めて考えても危ない橋を渡ったことは確かだった。
「次はこんなギリギリにならないように…戦力を強化しないとな」
そう呟いた時、机の上に置かれた新しい階級章が目に入った。特務中尉の証だ。貴志は立ち上がり、鏡の前に立ち、階級章を制服につけてみた。少し照れながら鏡を見つめていると、不意に部屋のドアがノックされた。
「誰だ? 入っていいぞ」
ドアがゆっくりと開き、そこには普段着姿のアスが立っていた。右手にワインの瓶を持ち、左手を軽く振って微笑んでいる姿は、いつも以上に綺麗に見えた。
貴志が少し驚きながら言った。
「アス? どうしたんだよ、この時間に」
アスが自然に部屋に入り、貴志のベッドに腰掛けた。
「艦長、私からの昇進のお祝いです。10年物の天然ワインを持って来ましたので、一緒に飲みませんか? それと、新しい階級章、似合ってますよ」
貴志が褒められて照れくさくなり、不意に顔が赤くなった。
「お、お前…急に褒めるなよ。恥ずかしいだろ」
後ろを向いてごまかそうとしたが、アスに振り向いた瞬間、彼女が立ち上がり、貴志に近づいてきた。そして、そっと貴志の頬に手を当て、軽くキスをした。
「この前の続きができてませんでしたよね。あの時は非常灯の下でムードも何もなかったけど…ここなら、ムードもありますよ」
貴志が目を丸くしてアスを見つめた。彼女の瞳には柔らかな光が宿り、戦場での冷静さとは異なる温かさがあった。貴志は一瞬言葉に詰まったが、アスの手を握り返し、小さく笑った。
「…そうだな。ここならムードもあるか。アス、きみって意外と大胆だな」
アスが微笑み、ワインの瓶をテーブルに置いた。
「艦長と一緒なら、私だって少し大胆になれますよ。さあ、お祝いです。一緒に飲みましょう」
二人は見つめ合い、グラスを手に乾杯した。戦いの緊張から解放された部屋で、貴志とアスの距離はさらに近づき、穏やかな時間が流れた。
ワインを酌み交わし、笑い合いながら、二人の夜は更けていった。戦場で信頼しあった2人の絆が、プライベートな絆でも深まる瞬間だった。
アストラリスのメンバーが戦いの疲れを癒す中、貴志とアスの関係が一歩進展する場面を描きました。
ルナとキャスの和やかな時間、貴志とアスのロマンチックな時間、戦場とは違う空気感を描写しました。
次話は、艦の強化の具体化など、アストラリスの戦力を強化を描きます。
ご期待ください。




