第37話:絆の確認と新たな一歩
第37話として、アストラリスがオルテガ・フロンティアに到着し、アストラリスの損傷に驚きながら戦闘を振り返り、貴志と仲間たちの絆が深まる場面を描きました。
※表題を章から話に変更しました。
アストラリスは護衛任務を終え、オルテガ・フロンティアに到着した。
入港後、入国手続きが終わるまでの間、貴志は艦橋でアス、ルナ、キャスと改めて向き合った。
キャスが紅茶を淹れ、全員にカップを配りながら、今回の戦闘を振り返る時間を設けた。
補修ドックに入り、主機関や補助機関を絞った薄暗い艦橋では、温かい紅茶の香りが広がり、一瞬の安堵が訪れた。
貴志が最初に口を開き、感謝の言葉を述べた。
「みんな、本当に良くやってくれた。今回の死線は、みんながいなきゃ絶対にくぐり抜けられなかった。アス、艦体に損傷を与えてしまって申し訳ない。弁解しようがないけど、あの時、マーベルを使う判断しかなかったと思う」
アスが穏やかに首を振って応じた。
「いえ、艦長。最良の判断だったと思います。マーベルを使う決断は、私にはできませんでした。あれは艦長でしかできない選択です。私はこれからも艦長についていきますよ」
貴志がアスの言葉に目を細め、心から感謝した。
「ありがとう、アス。嬉しいよ。君がいてくれるから、俺も頑張れる」
次に、貴志はルナに目を向けた。
「ルナ、ドローン隊をの一部を損失させてしまって悪かったな。でも、ミサイルへの対応は素晴らしかった。お前のおかげで艦が持ちこたえられたよ。ありがとう」
ルナが疲れた笑顔で手を振った。
「お兄ちゃん、大丈夫だよ! ドローン隊は3機もやられちゃったけど、残りの子たちが頑張ったもん! また補充して訓練すればいいよね?」
貴志が笑って頷き、最後にキャスに語りかけた。
「キャス、今回はかなり怖い思いをさせてしまって申し訳なかった。でも、お前、初めての実戦でレーザー砲を撃って敵を仕留めただろ。経験はかなり積めたと思う。こんな怖い思いはさせたくないけど…みんな、俺についてきてくれるかな?」
キャスが紅茶のカップを握り締め、真剣な目で答えた。
「貴志さん、私、怖かったけど…みんなと一緒なら乗り越えられたよ。私、艦長になるために貴志さんについていく。絶対に!」
ルナが飛び跳ねて賛同した。
「お兄ちゃん、あたしもずっと一緒だよ!」
アスが静かに微笑み、付け加えた。
「艦長、私も当然です。アストラリスは私たちの家ですから」
艦橋に拍手と賛同の声が響き、貴志は仲間たちの信頼に胸が熱くなった。アス、ルナ、キャスとの絆がさらに深まり、チーム、アストラリスの結束が一層強固になった瞬間だった。
入国手続きが完了し、貴志たちは艦橋からタラップを降りた。外に出た瞬間、アストラリスの損傷の大きさが目に飛び込んできた。
右舷は大きく抉れて大破し、ミサイル発射管の残骸がむき出しになって焼け焦げ、艦体には今回の戦闘が激しかったことが深い傷となって刻まれていた。その凄まじい光景に、貴志は思わず声が出なかった。
キャスが隣で呟いた。
「こんなにひどいなんて…貴志さん、私たちよく生きてたね」
ルナが少し震えながら言った。
「お兄ちゃん、アストラリスちゃん、ボロボロになっちゃったけど…直せるよね?」
貴志は二人を励ますように笑い、アスに目を向けた。そして、小さく呟いた。
「アス、そしてアストラリス、本当にありがとう。君がいてくれたから、ここまで来れた」
アスが貴志を見つめ、優しく応じた。
「艦長、私もあなたに感謝しています。この艦を直して、また一緒に戦いましょう」
タラップの上で、アストラリスを見上げる貴志たちの背後には、オルテガ・フロンティアの賑やかな港が広がっていた。
艦の修復と次の任務が待っているが、今はこの勝利と絆を噛み締める時間だった。貴志は仲間たちと共に、港の喧騒の中へと歩みを進めた。戦いの傷跡を背負いながらも、アストラリスは新たな挑戦に向かう準備を始めていた。
アストラリスがオルテガ・フロンティアに到着し、戦闘を振り返りながら貴志と仲間たちの絆が深まる場面を描きました。
次話では、今回の戦果が評価され、貴志は昇進していきます。
ご期待ください。




