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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第36話:戦いの余波と二人の絆

第36話として、アストラリスが戦闘後の危機的状況から復旧し、貴志とアスの絆が深まるロマンチックな場面、そして護衛任務の成功と次の目的地への進展を描きました。また、戦いの余韻とチームの結束を情感豊かに描写しました。

※表題を章から話に変更しました。

アストラリスは、マーベル発射で空母を撃破し、戦況を逆転させたが、その代償として艦は大破し、航行不能になっていた。

艦橋内は赤暗い非常灯に照らされ、損傷した機関の復旧作業が始まった。


今回は幸い人的被害はなかったが、一歩間違えれば、と思う場面も多数あり、また、アストラリスの状態は深刻で、艦のAIであるアスも疲労を隠せない様子だった。


貴志はアストラリスの損傷に不安を感じながらも、冷静を装いつつ、各自に対し指示を出した。

「ルナ、キャス、艦橋を頼む。俺とアスは機関室に行く。艦を動かせる状態にしないと、ここで立ち往生だ」


キャスが不安げに頷いた。

「うん、貴志さん…気をつけてね。私、ルナちゃんと一緒に頑張るよ」


ルナが疲れた声で応じた。

「お兄ちゃん、アスお姉ちゃん、早く戻ってきてね…」


貴志とアスは艦橋を後にし、機関室へと向かった。

赤暗い非常灯に照らされた通路を進む中、アスが貴志の背中にそっと身体を寄せた。

足元には、破損し脱落したケーブルや、機器類が散乱している不安定な中、彼女は貴志の背中に頭を付け、静かに語り始めた。


「艦長、あなただったから私たちを守れたと思います。あなただからこそ、あの判断ができた。私は艦のAIとして、最良の選択肢しか提示できません。マーベルを発射するなんて、私にはできない決断でした。でも、艦長、あなたがやってくれた。私はあなたを、心から信頼しています...」


貴志は足を止め、アスの言葉に目を向け、非常灯の薄暗い光の中、何を言う訳ではなく、二人はただ見つめ合った。

アスの瞳には信頼と感謝が宿り、貴志は彼女の肩を抱き寄せた。戦闘を生き抜いた安堵と、互いへの深い絆がそこにあった。


「アス…君がいてくれたから、俺も決断できた。君が俺を支えてくれるからだよ!」


しばらく抱擁した後、貴志とアスはお互いの(くちびる)を重ねあった。アスが小さく笑った。

「こんな状況下じゃ、ムードもへったくれもないですね」


貴志も笑い声を上げた。

「そうだな。戦争の真っ只中でロマンスなんて、似合わねえよな」


二人は笑い合い、緊張を解したまま機関室へと急いだ。

機関室に到着すると、ミサイル発射の衝撃で主機関及び補助機関の安全装置が全てリセットされていることが分かった。アスが状況を分析し、貴志に報告した。


「艦長、主機関、補助機関の損傷状態から考えますと、安全装置をリセットして再起動しても、通常の半分程度の出力となってしまいます。半分程度の出力ですと、巡航速度での航行は可能ですが、戦闘は不可能です。どういたしますか?」


「戦闘はもういい。航行できれば十分だ。アス、安全装置のリセットを行ってほしい。」


アスがコンソールを操作し、安全装置のリセット操作を行った。すると、非常電源から通常電源に切り替わり、艦内の照明が明るさを取り戻した。貴志が安堵の息を吐いた。


「よし、これで動ける。アス、艦橋に戻ろう」

「了解しました、艦長。一緒に戻りましょう」

二人は機関室を後にし、アスは貴志に寄り添うように艦橋へと戻った。


艦橋では、ルナとキャスが、貴志とアスを出迎え、キャスがホッとした表情で報告した。

「貴志さん、アスさん、良かった! 護衛の重巡洋艦と駆逐艦も航行可能な状態まで復旧したって。重巡洋艦の特務大尉がオルテガ・フロンティアに救難信号を送って、まもなく惑星駐留部隊が来てくれるみたいだよ」


ルナが疲れた笑顔で付け加えた。

「お兄ちゃん、艦がまた明るくなって嬉しいよ…ドローン隊も頑張ったもんね」


貴志が二人を労った。

「キャス、ルナ、よく艦橋を守ってくれた。ナイスだよ」


その時、通信が入り、重巡洋艦の特務大尉の声が響いた。

「アストラリス、貴志少尉か。空母への直接攻撃、危険を顧みない判断だったが、見事に成功させた。評価に値するぞ。護衛艦隊とクルーズ船の代表からも感謝されてる」


クルーズ船の代表からも通信が続いた。

「貴志少尉、あなたのおかげで乗員、乗客全員が助かった。報酬に上乗せして払わせてもらうよ。ありがとう」


貴志が応答した。

「こちらこそ、協力してくれた護衛艦隊のおかげです。俺たちも航行不能だったが、何とか動けるようになった。オルテガ・フロンティアまで一緒に行きましょう」


しばらくすると、惑星駐留の哨戒艦と補給艦が到着した。

哨戒艦は、素早くクルーズ船に牽引ビームを照射し、牽引準備を行ない、補給艦はクルーズ船にエネルギー供給を行ない始めた。


アストラリス、護衛艦隊、クルーズ船は、駐留部隊の指揮下で目的地のオルテガ・フロンティアへと向かうことになった。アスが貴志に小声で呟いた。


「艦長、今回の敵空母撃沈で連合軍からの評価も上がりますね。キャスの初戦闘も成功です」


キャスが目を輝かせて言った。

「貴志さん、アスさん、ルナちゃん、私、初めての戦闘で勝てたよ…! 艦長になるために、もっと頑張るね」


貴志が笑って応じた。

「ああ、キャス。お前も立派に戦った。これからだぞ、アストラリスはまだまだ強くなる」


アストラリスは損傷を抱えながらも、任務を成功させ、次の目的地へと進んだ。戦いの代償は大きかったが、貴志の決断とチームの絆が勝利を掴んだ瞬間だった。

オルテガ・フロンティアでの修復と新たな挑戦が、彼らを待っていた。

アストラリスが戦闘後の復旧を果たし、貴志とアスの絆が深まりつつ、護衛任務の成功が評価される場面を描きました。

次話では、戦闘の振り返り、アストラリスの損傷状態に驚き、オルテガ・フロンティアでの修復を検討していきます。

ご期待ください。



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