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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第33話:護衛任務と初戦闘

第33話として、アストラリスが護衛任務を開始し、キャスが初実戦に挑む緊張感溢れる場面を描きました。護衛陣形への不満や、貴志の慎重な姿勢を通じて、戦闘への準備、チームワークを活かした戦闘を描写しました。

※表題を章から話に変更しました。

アストラリスは高級クルーズ船の護衛任務を開始し、リガル・プリマの港を出港した。

今回の任務には、アストラリスの他に重巡洋艦クラスの傭兵船1隻、駆逐艦クラスの傭兵船2隻が加わり、合計4隻の護衛体制が敷かれた。海賊の多い宙域とはいえ、これだけの布陣はかなりの戦力だ。貴志は艦橋のディスプレイで護衛陣形を確認しつつ、キャスに説明した。


「キャス、今回は俺たち以外に3隻の傭兵船が一緒だ。今回の指揮艦である重巡洋艦が先頭、左右に駆逐艦2隻、俺たちアストラリスは最後尾を守る。海賊が来ても対応できる布陣だよ」

キャスが目を輝かせて頷いた。

「すごいね、貴志さん。4隻もいるなら、クルーズ船も安心だね。私たちも、ちゃんと護衛できるかな…」


だが、貴志は内心で陣形に不満を感じていた。最後尾に配置されたアストラリスは殿艦(しんがりかん)であり、敵の初撃を受けやすい位置だ。重巡洋艦の傭兵が特務大尉のベテランで、護衛のリーダー格だったため、決定を覆すことはできなかった。アスに小声で愚痴をこぼした。


「アス、殿艦ってのが気に入らないな。特務大尉だからって、俺たちの意見なんか聞いてくれない。階級制度って面倒くさいよ」


アスが冷静に答えた。

「艦長、不満は分かります。でも、傭兵の世界では戦果が発言力を高めます。今回の任務で結果を残せば、次は貴志さんの意見が通りやすくなりますよ。まずは索敵に集中しましょう」


貴志が頷き、気持ちを切り替えた。

「そうだな。キャス、ルナ、アス、索敵を頼む。敵艦の接近を早く見つけることが大事だ。キャスも一緒にやって、実戦を学べよ」


キャスがコンソールを握り、真剣な表情で応じた。

「うん、貴志さん。私、頑張るよ。アスさん、ルナちゃん、よろしくね!」


ルナが元気よく手を挙げた。

「お兄ちゃん、キャスお姉ちゃん、あたしのドローン隊で敵艦を見つけるよ! 出発ー!」


5機のドローンが艦から飛び立ち、周辺宙域の監視を開始した。アスはレーダーと熱探知センサーを駆使し、キャスはアスの動きを見ながら索敵の補助に励んだ。貴志は最後尾のリスクを意識し、緊張感を持って任務に臨むこととし、改めてアス、ルナ、キャスに警告を発した。

「殿艦は一番狙われやすい。最初に攻撃を受ける可能性が高いから、気を抜くなよ、みんな!」


クルーズ船と護衛艦隊は、オルテガ・フロンティアへ向かう航路を進んだ。宙域は静かだったが、海賊の影が潜む危険なエリアだ。貴志はコンソールを睨み、いつ襲撃が来ても対応できる準備を整えていた。


しばらくすると、アスが急に声を上げた。

「艦長、索敵レーダーに反応あり! 距離5光秒、後方から急速に接近中です!」

キャスが慌てて確認した。

「私も熱感知センサーに微弱な反応有り! 何か来てるよ、貴志さん!」

アスが続けて補足した。

「本艦の逆探知レーダーにも反応がありました。未確認艦からのレーダー波からのスキャンを受け、未確認艦に捕捉されているようです。接近中の艦艇は敵艦だと思われます」


ルナがドローン隊の映像をスクリーンに映し出した。

「お兄ちゃん、キャスお姉ちゃん、ドローンが見つけたよ! 小さい船が3隻、こっちに来てる!」


スクリーンには、高速ミサイル艦2隻と大型支援艦1隻が映っていた。貴志が即座に判断を下した。

「海賊だ! キャス、初戦闘だぞ。落ち着いて俺の指示を聞け。アス、他の護衛艦に連絡しろ。ルナ、ドローン隊で敵の動きを監視!」

アスが通信を送った。


「アストラリスより緊急警報。後方から未確認艦艇3隻が急速接近中。本艦は未確認艦からレーダースキャンを受けている。敵艦と思われる。各艦戦闘態勢に移行、応戦準備を!」

重巡洋艦の特務大尉が応答した。

「了解、アストラリス。最後尾で初撃を受ける可能性が高い。敵を足止めしつつ、こちらで迎撃する。持ちこたえろ」


貴志が歯を食いしばった。

「やっぱり最後尾が狙われるか…キャス、レーザー砲を準備しろ。アス、エネルギーシールドを最大に、チャフ、フレアの準備を。ルナ、ドローン隊でミサイル艦を牽制!」


キャスが緊張しながらコンソールを操作した。

「レーザー砲、準備OK! 貴志さん、どうすればいい?」

「敵がミサイルを撃ってきたら、まず回避だ。俺がタイミングを指示するから、慌てるなよ」


敵艦が距離を詰め、高速ミサイル艦が一斉にミサイルを発射した。アスが叫んだ。

「11時よりミサイル3発接近! 10秒で命中します!」

同時に艦の機械合成音声が、ミサイル接近警報を発してきた。

「11時方向、ミサイル接近。近接防御火器(パルスレーザー)動作開始」


貴志が即座に指示を出した。

「アス、面舵一杯で回避! キャス、チャフ、フレアの発射!ルナ、ドローン隊のパルスレーザーでミサイルを撃ち落とせ!」


アスが面舵一杯を取り、右舷側に急速回頭、キャスが発射したチャフ、フレアがアストラリスがいた場所に展開、1発のミサイルはチャフ、フレアで欺瞞され目標失念、ルナのドローン隊のパルスレーザーと近接防御火器でもう1発のミサイルを撃墜。2発を撃ち落としたが、残り1発が近接防御火器の弾幕をくぐり抜けてエネルギーシールドに命中し、アストラリスが揺れた。


キャスが声を上げた。

「当たった! 大丈夫かな!?」


アスが冷静に報告した。

「エネルギーシールド残量70%、艦体には損傷なしです。キャス、慌てないでください。次こちらからの攻撃です」


貴志がキャスを励ました。

「アス、キャス、ルナ、よくやった! 今度は反撃だ。レーザー砲で敵ミサイル1番艦を狙え!」


キャスにとっての初戦闘が始まった。アストラリスは最後尾で敵の猛攻を受けつつ、護衛任務を果たすべく応戦を開始した。貴志、アス、ルナのサポートの下、キャスは実戦の洗礼を受けながら成長の第一歩を踏み出していた。

アストラリスが護衛任務で初戦闘に突入し、キャスが緊張の中、実戦を学び始める場面を描きました。

次話では、想定していなかった敵艦が現れ、貴志やアスが徐々に追い詰められていく、シリアスな場面もあります。

次話もご期待ください。

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