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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第31話:再挑戦と合格の果てに

第31話として、キャスが傭兵試験に再挑戦し、難易度の高い試験を見事に突破して合格する過程と、試験官からの助言やアスの補足を通じて今後の道筋を描きました。キャスが一歩一歩、成長していく様子も描写しました。

※表題を章から話に変更しました。

傭兵試験での失敗は、キャスにとって苦い経験だった。しかし、彼女はその失敗を成功への糧と捉え、気持ちを新たに再挑戦に臨んだ。アストラリスでの再教育を通じて、焦りや思い込みを捨て、1点に集中しすぎないよう平常心を保つことを自分に言い聞かせていた。


「冷静に…周りをよく見て判断するんだ。私ならできる」


試験会場に戻ったキャスは、前回の反省を胸に刻み、シミュレーションルームへと足を踏み入れた。だが、彼女が知らなかったのは、傭兵試験の通例だった。試験官は2度目の挑戦者に対し、難易度を上げて試験を実施する慣習があった。同じ条件では思考が硬直し、合格しても「悪い成功体験」として実戦で命を落とす傭兵が多いためだ。


シミュレーションが始まると、キャスは与えられた軽巡洋艦のコンソールに座った。前回とは操作方法が異なるコンソールで戸惑いもあったが、冷静に考え、準備時間中に操作をマスターすることが出来た。


今回は敵艦が3隻、ミサイル艦2隻と高速駆逐艦1隻で、連携して襲いかかってくる設定だった。アスの声がヘッドセットから聞こえた。

「キャス、敵艦が複数で接近中です。まずは距離を取って、全体の動きを見てください」

キャスは深呼吸し、前回の失敗を思い出して冷静さを保った。艦を後退させ、レーダーで敵の配置を確認。ミサイル艦が一斉に攻撃を仕掛けてきた瞬間、キャスはエネルギーシールドを展開しつつ、チャフとフレアを撒いてミサイルを回避した。


「ミサイルは防げた…次は攻撃だ!」

アスの指示に従い、レーザー砲でミサイル艦1隻を捕捉、一斉射撃で敵艦に命中させると、敵艦が煙を上げて沈黙した。

ミサイル艦が沈黙したのを合図のように、次は高速駆逐艦が接近してきた。キャスは誘いに乗らず、艦を旋回させて距離を維持しつつ、2隻目のミサイル艦にミサイルを撃ち込んだ。爆発が敵艦を包み、残る高速駆逐艦が単独で突進し、レーザー砲を撃ってきた瞬間、キャスは冷静に取舵で艦を左へと急速回頭させ、敵艦の攻撃をかわすことが出来た。そして最後に、敵艦と相対する瞬間、レーザー砲とミサイルの集中砲火で、敵の高速駆逐艦を仕留めた。

シミュレーションが終了し、画面に「合格」の文字が表示された。キャスは安堵の息を吐き、シミュレーションルームから出てきた。貴志が笑顔で迎えた。


「キャス、やったな! 見事だよ!」

アスも微笑んで称賛した。

「素晴らしい判断でした、キャス。周囲を見渡し、冷静に動けたのが勝因です。私も誇らしいですよ」

試験官がキャスに合格通知を渡し、厳粛な口調で助言を述べた。

「キャス、これから君は1人の傭兵として活躍するわけだが、傭兵には上下関係はない。実力と経験が物を言う世界だ。ランクなんて甘っちょろい制度はない。実践を積み重ねれば、自ずと周りから評価され、連合軍からも認められる。まずは一つ一つ丁寧に任務をこなすことだ。決して無理はするな。ヒヨッコが無理した時は、大概、敵艦のミサイルが命中するか、惑星の引力圏に引き摺り込まれ、消息不明さ。命あってのものだねー」


キャスが真剣に頷くと、試験官が続けた。

「もし傭兵で上を目指したいなら、連合軍に認められることだな。功績を残せば、軍からの信頼も得られる。それが傭兵の道だ。頑張れよ」

キャスは試験官の言葉を胸に刻み、礼を言った。

「ありがとうございます。私、頑張ります!」

そのやりとりを横で聞いていたアスが、貴志に小声で助言した。

「艦長、貴志さんは帝国軍との戦闘で戦艦を撃沈し、撃破した功績がありますよね。その結果、連合軍から特務少尉に任官されています。他人からは『少尉』と呼ばれますが、自ら名乗る時は慣例で『特務少尉』と言うものです。軍から給料も出ていますよ」

貴志が少し照れながら応じた。


「そうだったな…特務って1つ下の階級扱いだから、曹長待遇なんだよな。キャスも功績を残せば、連合軍に認められるチャンスがあるってことだな」

アスがキャスに目を向けて微笑んだ。

「キャス、貴志さんのように戦果を上げれば、軍からの支援も得られます。私たちがサポートしますから、一緒に頑張りましょう」

キャスが目を輝かせて答えた。

「うん、貴志さん、アスさん、私、傭兵として立派な艦長になるよ。レミア姉さんや孤児たちのためにも、絶対に成功する!」


傭兵試験に合格したキャスは、アストラリスに戻り、新たな任務への準備を始めた。貴志とアス、ルナと共に、彼女は傭兵としての第一歩を踏み出した。試験官の言葉を胸に、一つ一つの任務を丁寧にこなし、実力と経験を積む決意を固めていた。次の護衛任務が、キャスの成長の第一試練となるだろう。

キャスが再挑戦で傭兵試験に合格し、試験官からの助言と貴志の功績を通じて今後の目標が明確になる場面を描きました。次話は貴志、アスと共に、キャス初の護衛任務を臨みます。

ご期待ください。


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