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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第19話:酒場での情報収集と謎の海賊

第19話として、ブラック・ファントムの情報収集を目的に基地へ戻り、傭兵酒場での交流を通じてその謎めいた存在に迫る様子や、貴志の転生前の知識、ルナの存在感を描いております。

※表題を章から話に変更しました。

「ブラック・ファントム」の討伐に失敗した貴志は、一旦作戦を改めることとし、アストラリスをリガル宙域の基地へに帰還した。貴志は囮作戦が功を奏さなかった悔しさもあり、新たな情報を集める決意を固めていた。基地に到着後、補給と修繕を済ませ、傭兵詰所で小海賊撃滅の褒賞金を受け取った。報酬は現金5万クレジットとエネルギー資源1単位。貴志はアスとルナを連れ、時計を見た。

「16時か…夕飯には早いけど、傭兵酒場で情報収集でもしよう。アス、ルナ、行くぞ」

アスが穏やかに頷いた。

「良い考えです、艦長。酒場は傭兵たちの情報交換の場です。ブラック・ファントムのヒントが得られるかもしれません」

ルナが小さな手を振って跳ねた。

「お兄ちゃん、お酒飲むの? あたしも一緒に行くよ!」

貴志は苦笑しながらルナの頭を撫でた。

「ルナ、お前は見た目子供だけど、実体化AIだからな。酒場に入っても問題ないだろ。行こうぜ」

こうして、三人は基地近くの傭兵酒場「スターダスト・タバーン」へと繰り出した。


酒場に足を踏み入れると、時刻が早いにもかかわらず、既に熱気が渦巻いていた。木と金属のテーブルには屈強な傭兵たちが座り、酒を片手に大声で語り合っている。戦果の自慢、命からがら逃げてきた話、大穴を当てた儲け話が飛び交い、笑い声と怒鳴り声が混ざり合っていた。貴志はアスとルナを連れて隅のテーブルに座り、店員に青みがかったビール「ブルースター・エール」を注文した。

ルナがビールを手に持つと、不思議そうに眺めた。

「お兄ちゃん、これ飲むの? 変な色だね」

「未経験でも味は分かるんだろ? 少し飲んでみ。アスも一緒にどうだ?」

アスが微笑み、ルナと一緒にグラスを傾けた。ルナは一口飲んで目を丸くした。

「うわっ、苦いけど面白い味! お兄ちゃん、もっと飲んでいい?」

「ほどほどにな。情報収集がメインなんだから」

貴志は笑いつつ、周囲の傭兵に目を向けた。近くのテーブルにいた筋骨隆々の男にビールを奢り、さりげなく話しかけた。

「おい、兄ちゃん。ちょっと聞きたいんだけど、ブラック・ファントムって海賊、知ってるか?」

男はビールを受け取り、豪快に笑った。

「おお、気前がいいな、新入り! ブラック・ファントムか…あいつを知らねえ傭兵はいねえよ。だが、誰も艦をハッキリ見たことがねえんだ」

貴志が眉を寄せると、別の傭兵が会話に加わった。

「そうだよ。レーダーに映らねえし、黒い霧の中から黒い艦が突然現れる。高速でミサイルぶっ放して機関部をぶっ壊し、積荷だけ奪ってまた霧に消えるんだ。幽霊みてえな奴だよ」

さらに別の女傭兵が身を乗り出して言った。

「わたしも一度遭遇したぜ。輸送船の護衛してた時、霧が湧いてきたと思ったら、いきなりミサイルが飛んできてな。艦がやられる前に逃げたが、仲間の艦は全滅だ。あいつ、化け物だよ」

貴志は話を聞きながら、転生前の知識が頭をよぎった。

「レーダーに映らない…黒い霧…ステルス艦じゃないか? 地球じゃ軍が使ってた技術だ。光学迷彩とレーダー撹乱を組み合わせたようなさ」

アスが貴志の呟きを聞き、小声で応じた。

「艦長、その推測は鋭いです。ステルス技術なら、ブラック・ファントムの神出鬼没さも説明がつきます。私が周辺宙域のデータを分析して、霧の発生パターンを調べますか?」

「うん、頼む。アスなら何か掴めるかもしれない」

ルナがビールを飲み終え、無邪気に言った。

「お兄ちゃん、黒い霧って怖いね。あたし、ドローンで探してやっつけてあげるよ!」

貴志はルナの頭を撫でつつ、内心でモヤモヤしていた。情報は集まったが、遭遇できないままでは作戦も立てにくい。酒場を出た後、アストラリスに戻り、貴志は哨戒任務を続けることにした。

「アス、ルナ、周辺宙域を哨戒しよう。ステルス艦なら、霧の出る場所を重点的に探す。遭遇できなくても、動きを予測できればこっちのもんだ」

「了解しました、艦長。私が索敵範囲を広げ、ルナのドローンで細かいエリアをチェックします」

「うん! お兄ちゃん、あたし頑張るよ!」

アストラリスは基地を出港し、ブラック・ファントムの痕跡を求めて哨戒を開始した。貴志の転生知識とアスの分析、ルナのドローンが揃えば、この謎の海賊を仕留める糸口が見つかるかもしれない。酒場での情報が、彼らを次の戦いへと導いていた。

ブラック・ファントムの情報収集を通じてその謎めいた特徴が明らかになり、貴志の転生知識が活かされる場面を描きました。次話では、ブラック・ファントムとの遭遇を描きます。

ご期待ください。

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