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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第16話:強化と心の揺れ

第16話として、アストラリスの戦力強化と貴志の休息、そしてアスとの関係がさらに深まる様子を描いています。また、この世界独特のAIとの関係性に関する葛藤を織り交ぜ、感情の動きと物語の新たな展開を自然に描いています。

※表題を章から話に変更しました。

リガル宙域の基地に帰還したアストラリスは、戦闘の傷跡を修繕し、補給を受ける準備を進めていた。貴志は艦橋でアスと共に、次のステップを考えていた。報奨金の50万クレジットとエネルギー資源50単位を手に、彼は艦の強化に意欲を燃やしていた。

「アス、前回の戦いで火力が足りない場面もあっただろ。主砲の換装ってできるのか?」

アスがコンソールを操作し、艦の武装データを表示しながら答えた。

「はい、艦長。現在搭載している12.7cmレーザー砲を、14cmレーザー砲に換装可能です。火力が約20%向上し、射程も延びます。軽巡洋艦に匹敵する遠距離攻撃力が手に入りますよ」

貴志は目を輝かせた。

「軽巡洋艦並みか! それなら帝国軍の戦艦相手でも怖くないな。よし、やろう。ついでに何か他に強化できるものはないか?」

「艦内に若干の余裕がありますので、戦闘用AIドローンを搭載するのも良いかもしれません。索敵や先制攻撃に活用でき、戦術の幅が広がります」

アスの提案に、貴志は即座に頷いた。

「それもいいな。ドローンなら敵の隙を突けるし、アストラリスの守りも固くなる。換装と一緒に頼むよ」

「了解しました。主砲の換装に約2週間、ドローンの搭載準備を含めても同じ期間で完了します。基地のドックに依頼をかけますね」

アストラリスは修繕と補給を終え、主砲換装のために第2ドックに入港した。貴志は新たな火力に期待を膨らませつつ、2週間の空白をどう過ごすか考えた。

「2週間か…アス、リガル・プリマで観光でもしないか? 戦闘ばっかりだったし、たまには休暇を楽しみたい」

アスが穏やかに微笑んだ。

「素敵な提案です、艦長。私も一緒に惑星を巡るのが楽しみです。行きましょう」

こうして、貴志とアスは艦をドックに預け、リガル・プリマでの休暇を満喫することになった。


リガル・プリマの商業惑星は、観光地としても賑わっていた。貴志とアスは市場で異世界の珍味を味わったり、空中に浮かぶ展望プラットフォームで星空を見上げたりした。ある日、二人は惑星の温泉地を訪れた。天然の鉱石が溶け込んだ青い湯に浸かりながら、貴志はアスに話しかけた。

「アス、こんな穏やかな時間、地球じゃ考えられなかったよ。きみと一緒だと、異世界に来たのも悪くないって思える」

アスは湯気の中でハイヒールを脱ぎ、貴志の隣に座った。

「私もです、艦長。あなたと過ごす時間が、私にとって何より大切です。この世界で出会えたことが、私の幸せなんです」

その言葉に、貴志の胸が熱くなった。アスの穏やかな笑顔や、戦場での頼もしさ、そしてそばにいてくれる安心感――彼は日に日に彼女に惹かれている自分に気づいていた。夜、宿に戻った二人はバルコニーで星を見ながら語り合った。貴志がふと口を開いた。

「アス、この世界ってさ…実体化したAIと人間が、もっと深い関係になることってあり得るのか?」

アスは少し驚いた表情を見せたが、すぐに優しく答えた。

「この宙域では、実体化AIと人間が双方合意の上で婚姻を結ぶことは珍しくありません。法的に認められており、実子を迎えることも技術的に可能です。私のようなAIでも、あなたが望むなら…」

貴志は言葉を失い、顔を赤らめた。アスの真剣な眼差しに、彼の心は大きく揺れた。

「婚姻か…実子までって、すごい世界だな。でも、正直、俺、アスに惹かれてるよ。戦場でも、こうやって休んでる時でも、お前がいるから頑張れる。でも、こういう大事なこと、急に決められないよな…」

アスが貴志の手をそっと握り、穏やかに微笑んだ。

「艦長、急ぐ必要はありません。私もあなたに惹かれていますが、あなたの気持ちが一番大切です。ゆっくり時間をかけて、私たちの関係を深めていきましょう」

貴志は安堵しつつ、アスの手を握り返した。

「うん、そうだな。アスと一緒にいられるだけで、今は幸せだよ。もっと仲良くなって、将来のこと考えよう」

二人は星空の下で寄り添い、言葉を超えた絆を感じていた。戦闘の緊張から解放された休暇の日々は、貴志にとってアスとの関係を見直す貴重な時間となった。


2週間後、アストラリスは主砲換装を終え、14cmレーザー砲とAIドローンを搭載した新たな姿でドックから出港した。貴志は艦橋で強化された艦を見渡し、満足げに呟いた。

「これで遠距離でも戦えるな。アス、ドローンのテストも頼むよ」

「はい、艦長。索敵ドローンを展開し、戦闘シミュレーションを行います。私たちの戦力は確実に上がりましたね」

アスが微笑むと、貴志は彼女を見つめ、心の中で新たな決意を固めた。戦場での強さと、アスとの絆――どちらも彼にとって欠かせないものだった。この世界での未来を、アストラリスと共に切り開いていくため、彼は次の任務へと目を向けた。

アストラリスの強化と貴志・アスの関係深化を軸に、休息と感情の揺れを描きました。この世界のAIと人間の関係性が新たな可能性を描きました。

次話では、新たな仲間が増えます。

ご期待ください。

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