表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
模型から始まる転移  作者: 昆布


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/269

第12話:海賊との戦いと帝国軍の影

第12話として、海賊との遭遇戦から放棄基地での収穫、そして帝国軍の大型艦艇との緊迫した状況への移行を、戦闘の臨場感と貴志・アスの成長を描きながら、物語を展開していきます。

今回は新たに、帝国軍を初描写しました。

※表題を章から話に変更しました。

アストラリスはオルテガ・フロンティアの空白宙域に突入し、連合軍の偵察艦としての任務を始めた。貴志は艦橋でコンソールを握り、アスがレーダーを駆使しつつ、索敵データをリアルタイムで解析する中、静寂を切り裂く警報音が響いた。

「艦長、レーダーに感あり。敵影確認! 前方5光秒に海賊と思われる艦艇、ミサイル艦4隻と支援艦2隻です!」と、アスが言うと同時に「1番艦からミサイル発射を確認! ミサイル管制レーダーの反射波、ロックオンされました!」

艦橋に機械合成音声が響いた。

「ミサイル接近警報、ミサイル接近警報。防御システム稼働、チャフ、フレア自動展開します」

アスの報告に、貴志は即座に指示を出した。

「迎撃準備だ! 対空砲でミサイルを叩き落とせ!」

アストラリスのパルスレーザー砲8門が一斉に火を噴き、飛来するミサイルを次々と迎撃した。艦を覆ったチャフ、フレアでミサイルを回避し、エネルギーシールドが残りの攻撃を吸収し、艦体に響く衝撃を貴志が歯を食いしばって耐える中、「アス、火器管制システム稼働だ。敵1番艦にレーザー砲、2番艦にミサイルを照準しろ!」

アスが冷静に照準を調整した。

「レーザー砲4門、ミサイル艦1番艦にロックオン。発射します!」

青白い光線が宇宙を貫き、海賊のミサイル艦が爆発四散した。残る3隻も執拗に攻撃を仕掛けてきたが、アストラリスの機動力と火力が上回り、支援艦1隻を含む計3隻を撃沈。残りは逃亡を図ったが、貴志が追撃を命じた。

「逃がすな、アス! 対艦ミサイルで仕留めろ!」

「了解しました。ミサイル発射管2門、発射!」

轟音と共に放たれた対艦ミサイルが、最後のミサイル艦を捉え、炎と破片に変えた。戦闘は僅か10分で終わり、アストラリスに目立った損傷はなかった。貴志は安堵の息をつき、アスに笑いかけた。

「やったな、アス。海賊相手なら、もう怖くないな」

「艦長の指揮が冴えていました。私たちの連携も完璧です。これで連合軍への報告に箔が付きますね」

戦果を積み重ねた満足感の中、アスが新たな発見を報告した。

「艦長、海賊の放棄基地を検知しました。座標を特定済みです。調査に向かいますか?」

「放棄基地? 何か使えるものがあるかもしれないな。行こう」

アストラリスは海賊の残骸を後にし、放棄基地へと進んだ。


放棄基地は、小さな小惑星に掘られた要塞だった。海賊が逃げ出した痕跡が残り、倉庫には放置された物資が散乱していた。アスが内部をスキャンし、貴志に驚くべき報告をした。

「艦長、倉庫内に高価な艦対艦ミサイル(トレハ:中距離射程、対戦艦攻撃用)が8基、大型戦艦搭載用でアストラリスでは発射が出来ませんが、マーベル(長距離射程、対大型戦艦攻撃用)も2基あります。さらに、各種レアメタル――トリリウム結晶やイリジウム合金も大量に保管されています。これらは海賊が略奪したものでしょう」

「トレハとマーベル!? そんな高価なミサイルが放棄されてるなんて。これをアストラリスで使えればなー」

「艦長、安心してください。この宙域の宇宙法では、放棄された場所の初発見者が全てを正当に入手可能です。私たちが最初に踏み入れたため、これらはアストラリスの所有物となります」

貴志は目を丸くし、思わず笑った。

「マジか! アス、これは大当たりだな。連合軍に報告して、評価も上げようぜ」

アスが連合軍本隊に通信を送り、放棄基地の確保と戦果を報告した。返信は迅速で、第1分艦隊司令部からはお褒めの言葉をいただき、アストラリスと貴志の評価が上がったことが確認された。貴志とアスは艦橋で顔を見合わせ、会話が弾んだ。

「アス、これで連合軍に恩を売れたな。艦対艦ミサイル(トレハ)があれば、次の戦いも怖くないよ」

「はい、艦長。このミサイルは大型艦の装甲を貫く威力があります。私たちの戦力が大幅に強化されました。艦長と一緒にいると、運が良いですね」

「俺もアスと一緒だから頑張れるんだよ。次はもっと大きな戦果を――」

その言葉を遮るように、索敵レーダーがけたたましく鳴り響いた。アスが瞬時にデータを確認し、緊迫した声で報告した。

「艦長、大型艦艇10隻以上を検知! 距離3光分、帝国軍の識別信号です。第1分艦隊司令部及び本隊の第一艦隊司令部に緊急電を発信しますが、この速度では退避が間に合いません!」

貴志の顔が青ざめた。

「帝国軍!? 10隻以上って…どうすりゃいいんだ!?」

両司令部への緊急通信が繋がり、アスが状況を伝えたが、本隊の到着には時間がかかるとの返答。貴志は慌てつつも、アスと目を合わせ、決断を迫られた。

「アス、退避できないなら…この放棄基地に隠れよう。放棄されたトレハを使って、帝国軍に一撃を食らわせるんだ!」

「了解しました。基地の小惑星に艦を潜ませ、敵が接近するのを待ちます。ミサイルの装填準備を急ぎます!」

アストラリスは小惑星のクレーターに身を隠し、主機関を最低出力まで低下させて待機態勢に入った。アスがトレハ8基を発射管に装填し、貴志はコンソールを握り締めた。スクリーンに映る帝国軍の艦影が徐々に近づく中、彼らは息を潜めた。

「アス、俺たち生き抜けるよな?」

「はい、艦長。私がいます。帝国軍に損害を与え、本隊の増援が来るまで持ちこたえましょう」

貴志は頷き、アスの手を握り返した。放棄基地での幸運が、帝国軍との戦いで試される時が来た。対戦艦ミサイルを手に、彼らは新たな戦場に挑む準備を整えた。

海賊との戦闘での勝利と放棄基地での収穫を通じて貴志とアスの自信が高まりつつ、帝国軍の出現で一転して緊迫した状況に突入する展開を描きました。次話では、帝国軍との戦闘が開始されます。

ご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ