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模型から始まる転移  作者: 昆布


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第9話:強化と休息の時

第9話として、護衛任務の報酬を活用した艦の強化と、商業惑星「リガル・プリマ」での駐留を軸に、貴志とアスの日常的なやり取り、物語が一息つく休息の場面を描いています。

※一部読み辛い箇所を編集しました。また、表題を章から話に変更しました。

リガル宙域に到着し、護衛任務を終えた貴志とアストラリスは、報酬を受け取るため、入港した「リガル・プリマ」の傭兵酒場を訪れた。

カウンターでは、報酬を現金とエネルギー資源の形で受け取り、その額は予想以上に充実していた。


貴志は艦橋に戻り、報酬の明細を眺めながら呟いた。

「結構もらえたな。これで当面は食いっぱぐれはないか。アス、どう思う?」


アスは、いつもの穏やかな笑みを浮かべて応えた。

「はい、艦長。護衛任務の成功報酬としては十分です。武器弾薬や食料の補充にも充てられますが、一つ提案があります」

「提案? 何だ?」


貴志が興味深そうに尋ねると、アスはスクリーンに艦のステータスを表示させながら説明を始めた。

「今回の海賊との戦闘で、アストラリスのエネルギーシールドがミサイル攻撃に耐えたものの、エネルギー残量が50%を切る場面がありました。余裕が少ない状況でしたので、シールドジェネレーターの交換をお勧めします。新モデルに換装すれば、エネルギーシールド強度が30%向上しますよ」


貴志は前回の戦闘を思い出し、確かにシールドがなければ危なかった場面があったことを実感した。

「30%強化か…確かに、あのミサイルの雨をまた食らうのは怖いな。報酬で賄えるなら、やっちゃおう。アス、許可するよ」


「ありがとうございます、艦長。早速手配します。ここ「リガル・プリマ」のドックで交換作業が可能です。入港期間は約1週間、その間はこの港に駐留することになります」

「1週間か。ちょうど休息も兼ねられるな。よし、ドックに入港しよう」


貴志の決断に、アスが即座に手続きを開始した。

アストラリスは補給埠頭、第6岸壁を離れ、第2ドックへと向かい、艦体を預ける準備を整えた。


ドックへの入港が完了すると、アストラリスのシールドジェネレーター交換作業が始まった。

貴志は艦外に出て、ドックの作業員たちが忙しく動き回る様子を眺めた。巨大なクレーンが古いジェネレーターを吊り上げ、新しいモデルが艦に組み込まれていく。

アスが隣に立ち、状況を報告した。

「交換作業は順調です。新しいシールドジェネレーターは、エネルギー効率も向上しており、戦闘時の持続力が増します。これで次回の任務も安心ですね」

「うん、アスのおかげで助かるよ。前回の戦闘で分かったけど、やっぱり防御が大事だな」


貴志がそう言うと、アスは軽く微笑んだ。

「艦長の安全が私の最優先事項ですから。さて、作業が終わるまでの1週間、リガル・プリマで何をしますか?」


貴志は少し考え込んだ。戦闘と任務で緊張続きだっただけに、休息の時間は貴重に思えた。

「そうだな…まずは食料と武器弾薬の補充を済ませて、あとはこの惑星を見て回りたい。異世界の商業惑星なんて、そうそう見られるもんじゃないし」

「良いアイデアです。私も同行しますので、市場での買い物や情報収集をサポートしますよ。リガル・プリマは交易が盛んで、珍しい品物も多いと聞きます」


アスの言葉に、貴志は少しワクワクした。

「じゃあ、早速行こう。報酬の一部使って、うまい飯でも食いたいな」

二人はドックを後にし、リガル・プリマの中央市場へと足を踏み入れた。


そこはカルナック交易区よりも規模が大きく、色とりどりの屋台や店舗が立ち並んでいた。

貴志はアスと共に食料を買い込み、ついでに現地の名物である「クリスタル果実のグリル」を試した。

甘酸っぱい味に驚きながら、彼は笑顔を見せた。

「これ、うまいな! アスも食べてみろよ」

「ありがとうございます、艦長。確かに美味しいですね。この果実はエネルギー含有量も高いので、非常食にも適しています」

アスが分析しながらも楽しそうに食べる姿に、貴志はほっこりした気分になった。


その後も二人は市場を巡り、武器弾薬の補充を済ませた。ミサイルやレーザー砲のエネルギーセルを追加購入し、アストラリスの戦闘準備を万全に整えた。報酬のほとんどを艦の強化と補給に使い切ったが、貴志は満足だった。

「これで次に海賊が来ても怖くないな。アス、いい提案だったよ」

「艦長が納得してくださるなら、私も嬉しいです。この1週間、リガル・プリマでゆっくり休んで、次の任務に備えましょう」


貴志は頷き、商業惑星の夜空を見上げた。

無数の星と、遠くに浮かぶ宇宙船の光が広がる景色は、地球では決して見られないものだった。アストラリスと共に過ごす日々が、彼にとって新たな日常となりつつあった。

1週間の駐留期間は、休息と準備の貴重な時間となるだろう。

任務後の報酬を活用して艦を強化し、休息と補給を描写しています。貴志とアスの穏やかなやり取りを通じて、二人の信頼関係がさらに深まる様子を描いています。次話で新たな任務が始まるのか?ご期待ください。

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