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遊撃隊『牙』の回想録  作者: 姫崎ととら
厄災の少女と嘘つきな少女(遊撃隊結成まであと五年)
19/55

運命との出会い/厄災との遭遇

始まりました、厄災編という名のティカと彼女の相棒の過去編!!

よろしくお願いします!

 "彼女"は、天才であった。


 風の国の平凡な冒険者夫婦のもとに生まれ育った。

 四歳の頃、母の使う魔法に憧れ魔法を学びだした彼女は、わずか六歳にして上級魔法を修得する。

 もう自分たちでは教えきれないと判断した両親は、まずは社会性と教養を付けさせるために初等学校へと彼女を入学させる。

 より多くの魔法を知るためにはより多くの知識が必要だと考えた彼女は、たくさんの事を学び、飛び級を重ね、社交性を身につける前にわずか三年で卒業してしまった。

 両親は知識に飢えた様子に恐怖すら覚え、九歳になった彼女を遠ざけるように魔法学校へと入学させた。


 しかし、そこでは彼女の望むような知識は得られなかった。

 友達を作る事も無く、飛び級をまたも重ね、魔法院に入った十二歳の春。


 彼女は、運命と出会った。


****


 "彼女"は、出来損ないであった。


 風の国の最強の冒険者夫婦のもとに生まれ育った。

 三歳の頃、広大な世界を見た。風の吹くままに歩き出したら、大鷲(ガルーダ)に捕まり連れ攫われかけた。母が足を撃ち抜き、父がキャッチしたおかげで肩を複雑骨折したものの命は救われた。

 高所恐怖症になったが、あの鳥を撃ち落としてやると復讐に燃え、彼女はまず知識を得るところから始めた。

 両親はたくさんの事を彼女に惜しみなく教えた。時間はかかったが、彼女は着実に自分の物にしていった。

 だが、自分が苦労した事を年下の弟達が苦もなく簡単にこなしている姿を見て、彼女は自分が出来損ないなのではと思うようになった。

 決定的に出来損ないだと理解したのは、十歳。

 魔力はあるのに魔法が使えない。詠唱は合っているのに、魔力を放出する術が分からない。


「あんた、子供のくせに頭硬いのね」


 母はただ思ったことを言っただけではあるが、彼女にはショックであった。

 そもそも、魔法とは何かを理解するために魔法学校への入学の許可を請い、学費は自分で払うことを条件に許可が下りた。

 両親としては諦めさせるために言った条件だったが、彼女は学費を稼ぐためと冒険者ギルドに登録し、二年掛けて入学金と一年分の学費を稼いだ。これには両親も驚き、以降の学費と必需品の費用は出すと約束した。


 そして魔法学校に入学した十二歳の春。


 彼女は、厄災と遭遇した。




 この物語は、天才少女ルナ・カタフトロス・エルフィンストーンと、出来損ないの少女コトハ・ルグナ・ベスティートが、厄災の獣と呼ばれるまでの話である。


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