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第29話 本の虫


暇だ、特にすることもないし、マリアに何処かに連れて行って欲しいとお願いすると、庭に案内してもらう事に成り、昼の食事は庭の東屋で取ることに成った。


広い屋敷だとは思っていたが、ここって城の中の屋敷で、庭は城壁で囲まれた広場の一角が庭に成っている。


城壁は目測6m近い高さの石組で塔や小屋が付随している。


ヨーロッパ中世の城といった感じの実戦的な城だ。


庭も野球場が入るくらいの敷地に草木が植えられて、よく管理されている。


マリアのほかに帯剣した男性が二人、少し離れた所で護衛している様だ。


食事の後のお茶を飲みながら護衛の一人を呼んで聞いてみた。


「騎士団の方ですよね?女性の騎士の方もおられるのですか?」


騎士は恐縮しながらも答えてくれた。


「ブラウンシュバイク領はバルフィリア王国東方の要ですから、腕さえ有れば男女の差は有りません。少数ながら女性騎士も存在します。」


騎士団の普段の訓練や、魔王との戦争や魔獣討伐の話などを色々聞いた。


苦労話や頑張っている雰囲気を感じ取って、


「いつも尽くしてくれてありがとう。」


にっこり笑って礼を言う、過去の自分を振り返って見て、労働者に優しくしたい。

ホワイト企業を目指したい、社長が夜逃げする所は駄目だ!


そんなこんなで庭での休憩を終える。






時間を潰せそうな場所として、書庫が有るとの事だったが、父上の許可が要るらしく、執務が忙しい時間の合間を見て、お願いに参上する事に成った。


『ぜひ書庫の本の知識が欲しい生存していくために最低限の知識が欲しい、地理、歴史、法律は最優先だ。』


『魔法の知識と金融や度量衡も調べる必要が有ります。』


ぷぷるんの言う通り魔法も重要課題だ、調べる事が多すぎる。


執務室に通されると、ハンスと机の上の書類を捌きながら、父上がこちらを見て言った。


「シャルロッテ何か頼みが有るそうだが。」


「はい、お父様シャルロッテに書庫に入って本を読む許可を下さい。」


少しピクリと眉が動いた様な気がする。


「書庫に有る本はお前には少し難しい、絵本や図鑑の類は多くないが。」


ここは押しの一手でガンガン行くしかない。


「シャルロッテはもっと世の中の事が知りたいのです。

 どうかお父様お願いします。」


しばし考えをまとめている様に腕を組んでいた、目をシャルロッテに向けると机の引き出しから鍵を取り出しシャルロッテに渡した。


「汚したり無くしたりするのは無しだ。

 書庫の中だけで閲覧する事、そして昼間だけ使っても良い。」


「ありがとうございますお父様!」


両手で鍵を受け取り、部屋を退出する。





『よっしゃ!書庫の鍵ゲットだ!』


『今から書庫に行って本の量だけでも確認しましょう。』


マリアにお願いして書庫へのルートを案内してもらう、かなり複雑なルートだが、ぷぷるんの画像記憶サポートが有るので一度通れば迷う心配は無い。


古臭い扉の鍵を開けて中に入ると、かなりの量の本が収蔵されていた。


マリアは本には興味が無さそうなので、この中で本を読んでいるから、他の仕事が有るなら日の暮れる前に呼びに来てくれればいいと言って追い出して扉に鍵を掛けた。


「これで誰かに連れ去られる心配も無いでしょ?」


「お嬢様!」


少し困った顔をしていたが、渋々戻って行ったようだ。




今は語彙や文法に付いての知識が足りない。


教科書的なテキストを探して文法や単語の知識を吸収する。


ページを見て知識を画像保存し、脳内ライブラリーに整理保存する作業は

ぷぷるんにお願いすれば、極めて効率よく学習できそうな気がする。


絵本や教科書や辞書に相当するテキストを探して当たりを付けていく。






集中していてかなりの時間が流れていた、マリアの呼ぶ声で急いで扉を開ける。


自室に戻りながらマリアが尋ねる。


「お嬢様書庫はどうでしたか?」


「とても気に入りました、これから毎日通います。」


マリアはちょっとうんざりした顔に成ったが気にしない。




それから、文法や教科書的な初等テキストを連日読み漁って行くと、何だか以前見た事ある単語が出てくる、これは恐らくあれだ。


『ぷぷるん、以前調査の時の金属板を見せてくれ!』


<ステータス表>


名前:シャルロッテ・フォン・ブラウンシュバイク

種族:人間

性別:女性

年齢:4

LV:15

HP:160/160

MP:∞/∞

STR(強さ):65

DEX(器用):90

VIT(耐久):50

AGI(敏捷):120

INT(知力):150

LUK(運 ):100

EXP(経験値):5208


称号:የአለማዊው አምላክ መልእክተኛ

スキル:

取得魔法:የእግዚአብሔር ኃይል


おっと!今度は意味が分かる!


『ぷぷるん、彼らはこのステータスで、人間の性能を計測しているみたいだ。こんな計測が出来るなら、戦う前に勝敗が分かりそうだが。』


『注目すべきは他にも、無限と言う概念が無い様です。』


『確かに∞=8として認識されてしまったみたいだが・・・』


初めからヤバい奴として警戒されるよりは、無能無害な感じの方がやりやすいので良しだな!


称号と取得魔法は文字がバグっている感じで何だか分からない。


この辺も色々揉めていた原因かもしれない。




ただ、この数値がどの程度の物なのか同年代の子供のステータス平均と比較しないと意味がない。





書庫での地政学的な収穫としては、この国はバルフィリア王国で中央大陸の中央やや東寄りにある国家、王国首都名バルフィリアで国内では王都と呼ぶ、今いるブラウンシュバイク辺境伯領は、王国の最も東の端に有る。


言語は大陸共通語。


宗教は聖教会で右派が20%、左派が15%、中間派が65%だ。


なんでもこの世界を創造した女神が手に持っている聖印を右手に持っているか左手に持っているかで、かつて大戦争が起きて何万人も死んだらしい。


その後聖印は右手の時もあるし、左手の時もある中間派が現れて、ほぼ大勢と成って落ち着いている。


いつの世界でも宗教の恐ろしさは、どんなにばかげた事でも当事者は本気だから怖い、禁忌関係のNGワードもこの線が一番多い、宗教原理主義者には気を付けよう!


ブラウンシュバイクの歴史としては、三百年ほど昔に当時の王家の三男が騎士団を率いて東方に遠征する。その責任者としてこの辺境伯領に、ブラウンシュバイク家を興したのが始まりと成っている。


すでに王位継承権とかそういった王家との縁戚関係には無いが、東方の要として国家鎮護の要職にある、東方から侵入する蛮族や、辺境の盗賊や魔獣が王国に侵入するのを防いでいる。そして武を重んじる家風が有名。


ブラウンシュバイク領の主要生産品目は穀物生産と牧畜、北方の山脈から流れる二本の大河、ブリネジ川とドゥーナ川に挟まれて肥沃な大地に恵まれている。


領都ブラウンシュバイクには北西からのローテンブルック街道、西からのネルトリンゲン街道、南西のハーフブルック街道が交わる。領都近くを流れるブリネジ川の船舶交易も盛ん。


つまり、東の国境ドゥーナ川の向こう側は未開の大地が続き、北方は山脈で行き止まり。南方にはブリネジ川やドゥーナ川で移動可能な湿地帯が広がっている。


こはフロンティアが広がっている。三百年前から東部開拓の最前線らしい。


度量衡の基本単位も書庫で確認することが出来た、あくまでバルフィリア王国における物であって、ブラウンシュバイク領周辺の話だ。


数字の計測は十進法を基本ベースにしているので1~9まで数えて桁が一つ増える方法で、現代日本と同じだ。


長さの基本単位はマルトで、かつての王の肩の付け根から中指の先までの距離が基準と成っていて、概ね1mと似たような長さに感じられる。


重さの基本単位は、水の体積から逆算すると、約10gを1ゲラとして利用している。


容量の基本単位はエファル、1マルトの立方体が100エファルと成るので、約10Lを1エファルとしている様だった、人から聞いたときに変換してSI単位での計算がしやすい。


金融の共通貨幣は、大金貨、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨、石貨の順で、


1大金貨=10金貨=100銀貨=1000銅貨=10000鉄貨


=100000石貨の順となる。


価格や市場の相場は市場などに出ないと分からない。


いずれ市場とか商店とかに行って市場調査がしてみたい。


魔獣や魔族に関しては書庫の資料では、まだ良いものが見つかっていない。


魔法も魔導書と言うものが有るらしいが、書庫では発見出来ていない。


先ほど父上に呼ばれて執務室に参上することに成った。


「お父様シャルロッテお呼びにより参上しました。」


父親に礼をする。


「シャルロッテは最近書庫に入り浸りらしいな。

 何か面白い物を見つけたのか?」


ギロリとこちらに目を向ける。何か不審な行動でもしたっけ?


毎日本を読み漁っていただけだが・・・


「本を読んでいました。前半は絵本や初等中等の教科書を中心に、

最近は地理や歴史の本を読んでいます。」


父上はニヤリと笑って、それを見たハンスさんが悲しそうな目をしていた。


「今度、司教様と導師様の推薦で、家庭教師がやってくる。

 その教師からさらに知識を学ぶとよい。」


「はい!お父様ありがとうございます。」


「シャルロッテ他に欲しいものは無いか?」


欲しいものって、今は書庫室の知識吸収で一杯だけど、あれ言ってみるか?


「書庫室に無かったので、簡単な魔導書が有ったら欲しいです。」


父上もハンスさんも残念な目でこちらを見つめる。


「シャルロッテお前には魔力が無い、いくら努力しても大きな魔法は使えない

それでも生活魔法の様な物なら1回位使えるかもしれないが・・・」


恐らく魔法に関しては見込みが無いので教師とか付けてもらえなさそうだ、自分で何とかするしかない。


「それで良いので魔導書を勉強したいです。」


「よかろう!」


良い返事をもらえて部屋から下がる事に成り、マリアと共に自室に帰ってきた。


どうやら一月後に家庭教師が来て、色々教えてくれるらしい。


どんな教師が来るのか楽しみだ。



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