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第17話 魔法少女救出作戦②


山の斜面を見下ろせる崖際に陣取って、ギリースーツを身に纏い、スナイパーライフルにも枯草で擬装を施して伏射の体勢だ。


目視での夜間の視界は悪いが、このスコープは熱源監視やスターライト的な夜間監視

モードに自動で切り替わって作戦には問題無い。


今日の月齢は半月で雲が少なく、目視でもそれなりに視界は良好だ!


田舎の空は星空が美しい!


街灯が少ないから星座を見るには持って来いだ!


採石場に至る道で資材を搬入する車両が数台通り過ぎる。


トラックやダンプカーなどだが、時々家畜を積載している車両有るのが気になる。


ウシとか豚とか鶏で食堂でも経営するのだろうか?


予定通り魔法少女3人が出現ポイントに現れる。


「ぷぷるん、あの3人は何でテレポート的な現れ方をするんだ?」


『彼らにも専属の使徒が付いています。』


「俺に対するぷぷるんみたいな感じだよね?」


『そうです、彼らの使徒は対話型の情報伝達を犠牲にして、

 代わりにゲーム端末を模して仮想空間でプレーしている様な

 体感機能を提供します、初代魔法少女の反省から敵の追跡妨害にも

 力を注いでいますが、反面衣装チェンジもできません。』


なるほど、それぞれ能力も一長一短で違いが有るんだな。


「こちらは暗闇でもスコープの切り替えが有って、視界良好だけど彼女たちは大丈夫なの?」


「魔法少女3人は敵味方の識別方法があって、敵には赤、一般人は青、魔法少女には緑のマーカーで敵味方判定が視界内に表示されています。」


隠れていても視界に入るとマーカーで教えてくれるシステム、ますますゲームっぽい感じだ。


そろそろ予定の時刻が迫ってくると、一旦車両の通行が途絶える。


車両が遠くに見えてズームしてナンバーを確認すると目的の車両だった!


まだ少し遠いが周囲を低倍率に視野を広げて監視すると、ドローンが2機車両上空を飛んでいる。


以前から稀にドローンが付いている車両が有ったが、今回も人質輸送に合わせてドローンでの監視を行っているようだ。


こちらの存在に気付かれる前に二機とも落としておく、スコープのクロスライン中央に後方のドローンを合わせて射撃する。


こちら側に向かってくる方向に直線で移動中だったため、そのままドローン中央に命中して粉々に粉砕される。


前方のドローンは少し下方を飛んでいて動きが大きい、ブレを予想しつつ射撃を行うとプロペラに命中したらしく、キリモミに成りながら前衛の魔法少女たちの方向に落下していった。


手前の車両は品山33 へ66-83だから護衛車両だ!


助手席側の前輪をパンクさせて隊列を止める。


スコープ内のクロスラインをタイヤの未来位置に合わせて、呼吸を整えてトリガーに指を掛ける。


「カシッ!」といつもの弾丸が装填された感覚を味わって、トリガーに力を掛けていく「ぷすっ!」という空気を押した様な音がして、軽いが確かに撃ったという感覚が伝わる。


カーブに差し掛かって減速したところで護衛車のタイヤがバーストし、道路を塞ぐように車両が停止した。


後方の車両は慌てて急ブレーキを掛けたが、前方車両に追突する前に少し右向きに成って完全に停止したところで無傷の後方車両の運転手に照準を合わせる。


運転手は前方の車両の様子を窺うように前のめりに成って前方を窺っている。


クロスラインを頭部に合わせて一発撃ち込む、左側頭部から入った弾丸は右側の後頭部から抜けて、まるでトマト祭のスペインの町並みの様に、助手席の男の顔を真っ赤に染め上げた。


助手席の男は運転手の血糊だか脳味噌で顔面が真っ赤に成って、シートベルトを外そうとして慌てているが滑って外せないでいる。


胸部に一発撃ち込んで無力化成功だ!


魔法少女二人が前方車両の怪人や戦闘員と戦って、ほとんど一撃で敵を倒して進んでいる状態だ!


別の魔法少女が一人後方の車両を確保しに動いて、後ろの車両から降りてきた戦闘員に対して、ロッドを振り回して肉ミンチに変えている。


ポニーテールの魔法少女に向かって進んでくる棍棒使いの怪人は、これまでの怪人とは身のこなしが違う、魔法少女が衝撃波や魔法を放っても棍棒を振るって消滅させているようだ。


この救出作戦の胆は時間が勝負だ!


棍棒怪人の脳天にクロスラインを合わせて、トリガーを引く!


額に小さな穴が開いて、後方に脳味噌をぶちまけてぶっ倒れた。


ポニーテールの魔法少女は周囲をきょろきょろと不思議そうに見まわしていたが後方の車両に駆け寄って、人質を車両から降ろしている。


赤毛の魔法少女は周囲の敵を殲滅し終わって、倒れた怪人や戦闘員にとどめを刺している。



後方の車両から人質がポニーテールの魔法少女に背負われて凄い勢いで斜面を登ってくる。


彼女たちの後方に迫る敵は見当たらない。


スコープを襲撃現場に戻すと、採石場方向からの増援車両が見える。


到着までには少し時間が有りそうだ。


襲撃した車両は火魔法の得意そうな赤毛の魔法少女が、死体ごと火の海に変えている。


あれならドライブレコーダーも燃えたであろうし、人質の生死確認も時間がかかるだろう。



救出者は回収ポイントに置かれて大人しくしているようだ。


新たな増援の中で手ごわそうなのが居たら支援するが、後は任せても大丈夫だろう。






急にブレーキが掛かって、体が転がる。


荷台に横に成っているので転がるだけで新たな怪我はない。


相変わらず真っ暗で何も見えないので、聞き耳を立てて集中する。



「おい!どうした?」


「前の車が事故ったらしい!」


「ちょっと様子を見てくる!」


車から誰かが下りようとスライドドアーを開ける音に混じって、

「プスッ!」 「プスッ!」と二回音が聞こえた。


「おい!なんだか様子がおかしいぞ! 車をUターンさせろ!」


「あっ!運転手が死んでいます!」


「何だと!前に回れ!」


何か怒鳴り声が聞こえて周囲が騒がしい!


しばらく争うような音が聞こえていたが、急に静かになった。


車の扉が開いたようだ、車から連れ出されて乱暴されるのだろうか?


急に新鮮な空気が流れ込んで周囲がひんやりとして緊張が走る。


「もう大丈夫だから!」


女の声だ!以前私の指を切り刻んでいった拷問者も若い女だった。


笑いながら一センチ刻みに工具で指の肉を千切って行った!


「ひいっ! いいやっだ! やめて! もう酷いことしないで!」


思わず声を上げて叫んでしまった。


「あなたを救いに来たの!

 ここはまだ危険だから、安全地帯まで大人しくしていて!」


突然両手を握られて引っ張られる。


「ひぃ! ゆっゆるしてっ! ごめんなさい。」


まずは許しを乞う、もっと酷い事をされないために。


「少しじっとしていてね!」


声の女性が言った後、何度も手錠に衝撃が来て、

「バキリ! ガチャリ!」と衝撃と共に金属が裂ける音が聞こえる。


手錠はとても硬い金属だ、自分の力ではどうにもできなかった、

それが毟られるように音を立てて腕からはがれていく。


機嫌を損ねたらどうなるか分らない。


「ひいっ! ああ・・・」


自然と声が出たあとは何も言えなくなった。


「相変わらず物凄い怪力ですね!」


別の方向から女性の声が聞こえたが、突然体が宙に浮いたと思ったら、ふわりと誰かに背負われる。


この女性は自分の背中に私を背負ってくれている様だ。


これまで施設で背負われたことはない、動けなく成ると両足をつかまれて引きずられたり、動けるまで蹴られたりだった。


背中から感じる体温が暖かい、それに柔らかでいい匂いがする。


体をぴったりと密着させて振り落とされない様にしがみ付いた。


何度も振り落とされそうに成りながら、激しい動きに合わせていると。


不意に背中から、ゆっくりと丁寧に下ろされて弾んだ口調で囁かれる。


「あなたはここで助けが来るまで、

 静かに大人しくしていてちょうだい。

 絶対に勝手に動いちゃだめよ!」



何の返事も出来ないでいる間に、スッーっと気配が消えてしまった。




冷たい土の感触と何年振りかの草木の匂い、自然の中の感覚とても静かだ。


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