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第16話 魔法少女救出作戦①


教団が最近に成って基地化を進めている施設がある、元々砂利の採石場だった場所で、数年前から採石は廃業している。


初代魔法少女救出作戦は、その採石場近くで仕掛ける事に成りそうだ。


現在対象の魔法少女が収監されている教団施設に襲撃を掛ける手も有るが、人口密集地域で騒ぎを起こすと敵味方以外の一般人に被害が出そうで却下だ。


採石場への道路は県境を跨ぐ主要な県道から別れた支線が数キロ続いて、採石場の私道に繋がっている。


ダンプカーや重機が通れる幅の広い道路だが、廃業した採石場で終点に成るため車通りは少なそうだった。


送電線が近くを通っているので、空路で輸送される心配は無さそうだが、どの程度の護衛で輸送するのだろうか?


名前と年齢から救出対象は若い女性だが、教団施設で数年間過ごしているため、山道を歩かせたりバスや電車の様な公共機関を利用するのも難しい。


保護するにしても何所か安全な場所に連れていきたいが、再び魔人の関連施設に届けられたら目も当てられない。


先ずはレンタカーの確保だ!


バイト代は全て消えてしまいそうだが、何とかなるだろう。


少し土地勘を付けるために現地調査が必要だ、ハイカーやピクニックの観光客を装っての偵察を実施する。


「所で味方戦力は三人とも出られそうかな?」


「恐らく全員参加すると思います。」


俺と変わらず時間にフリーな人たちなんだろう。






久しぶりの車の運転だ、市街地より郊外の方が運転しやすい、人や車の交通量が少なくなっていい感じだ。


県境を跨る主要な道路だけあって、交通量は多いがそれほど苦には成らない。


採石場へ通じる道路の分かれ道には、採石場と書かれた看板と矢印が設置されているが、赤ペンキで×印が塗られている。


もしかしたら教団側の監視がいるかも知れないので、採石場行きの道はやり過ごして、数キロ進んだ先の道を曲がる。


用心に越したことはないので、採石場の道とは尾根を挟んで反対側にそこそこ有名なお寺に繋がる道路がある。


ほとんど林道と言っていい山道だが、寺に参拝する人も沢山いるらしく、桜、サツキ、藤の花、紫陽花、紅葉とシーズンになれば、それなりに混むらしくて、そこそこいい感じに整備されている。


レンタカーは価格の一番お安いクラスの軽自動車で、狭いところも楽々だがエンジンパワーは頼りないので坂道はゆっくり登って行く。


寺に向かう道から逸れる林道が見つかり、この車ではそれ以上進めない所まで車を乗り入れる。


車には、「周辺地質調査のため駐車します。○×地理学研究室」の文字を書いた電話番号入りの紙をフロントガラスから見える位置に置いておく、個人が勝手に名乗る研究室や研究所だって、沢山あるから特に問題ない。


これが無いと自殺や事故に間違われて通報されることが有るので、この辺は準備しておいた。



リュックを背負って杉林へと入っていく、杉はそれほど手入れをされていないので、山林所有者がここまで入ってくることも無さそうだが用心していこう。


なだらかな傾斜が続いて尾根筋のピークを超えると、例の採石場へ向かう道路が一望できる場所がある。


ここからその道までの斜面は少し急斜面で北面という事もあり、立木が少なく見晴らしが良い!


道は一旦こちらに近づいた後に緩やかに離れていくS字カーブを描いていて、道の前後からは見えにくい。


採石場行きの道路と、この場所の距離はレンジファインダー双眼鏡で300~400mといった感じだ。


採石場にどの程度の敵が潜伏しているか分からないが、ここで事が起きたのをリアルタイムでつかんだとしても、駆けつけるのに30分以上の時間は掛かるはずだ。


3日ほどここに陣取って、交通量を見ながら作戦を練る!






魔法少女ファンシーりなに変身し監視を続けてきたが、この3日で分かったことは昼間にこの道を通る車両は無い。


21時から23時位までの時間帯に車両の出入りがあって、

深夜からは、ほとんど通行する車両が無いという事。


徒歩で行き来する者もいない様だ。


車両通行時間でも前半は資材を運ぶ車両で、人員の出入りは後半に集中している。


あまり遅いと警察関係に怪しまれるし、沿道の人に警戒されるが、この辺の時間帯なら、そこそこ交通量が有るが道も混んでいない。


あとは時間が来るのを待つだけだと思っていると、ぷぷるんが慌てだした。


「あっ! ついに施設で動きがありました!

 車両に乗せられた魔法少女は1名です。

 ナンバー品山33 お55-89白のワンボックス

 ナンバー品山33 へ66-83同じ白のワンボックスが護衛です。」


やはり、この時刻にあの施設を出たとなると、この辺を通るのは22時頃だ。


「予定通りだ!みり、るる、ゆいに連絡を取ってくれ!」


すでに夕方に成りかけているが、こんなに突然呼び出して大丈夫なんだろうか?


俺のような無職でもアルバイトとか有ったら無理だよな?


そんな心配をよそに5分と立たずに三人から参加了解の連絡が届いたと教えられた。








空間から沸き立つようにみりが現れて片手を上げて挨拶してくる。


「ゆい、早いね~!」


振り返って、笑顔で答える。


「えへへ! みりだって」


「皆さんごきげんよう」


そこでるるも登場して皆で情報共有だ。


今回は人質救出作戦だ、品山33 お55-89白のワンボックスに乗った一般人を救出する。


救出対象者以外の戦闘員と怪人は殺害し車両は全て燃やす。


周辺に監視している敵が居ないか捜索しながら一般人を向かいの尾根の指定ポントに運んで今回のミッションは完了!


追加の敵が来たら救助者の存在を隠蔽欺瞞しつつ敵を殲滅する!


救助者の救出で経験値2倍のボーナス、今回は救助対象者のケガや敵の追跡が有ったらレベルダウンで、救助対象の死亡でテストプレイヤー資格剥奪のペナルティー有。


ペナルティーは結構きついが、経験値2倍は大きい!


夜も遅いので対象以外の車両はスルーしないと本命に逃げられてしまう。


るるが前方で警戒偵察して、みりとゆいが後方で待機し車両を挟み打ちにする作戦だ!


「ピキッ!」 上空で小さな音がした。


気のせいかと思っていると、「ガサリ!」と草むらで何か音がした。


とても小さい音で距離も離れているが、向こうに居るみりに声をかける。


「みり!聞こえた?」


「ゆいも聞こえたの?聞き違いかと思った!」


みりにも聞こえた様だ。




そんなやり取りをしている時、向こうから車両が2台が砕石場の方向に向かって進んでくる。


るるが合図を送って来たので、対象の車両だ!


あと少しでと飛び出す準備をしていると、唐突に先頭車の前輪がパンクした!


前輪の助手席側のタイヤがパンクしてバーストすると、急ブレーキをかけて道を塞ぐように停止した。


後方の救助者が居る車両も慌ててブレーキを踏んで、先頭車とギリギリ衝突しないで停止した。


先頭車両から怪人と戦闘員が下りてくる。


るるは静かに後方の車両に向かって行く!


みりが大声を上げて、「オラッ! くそ怪人どもこっちに来い!」


と挑発しながら飛び出して、先頭の怪人を炎の剣で一刀両断にする。


こちらにも全身を岩の様な骨格で覆われた鎧の怪人が迫ってくる。


自分も負けじと全力のパンチで顔面を殴る。


首が向いてはいけない方向に曲がって、ゴキリと言うかバキリと言った音がして、一撃で怪人が倒れた。


今回は汚い汁が手に着くことも無くとてもうれしい。


「やった~!」


片足ジャンプでぶりっ子ポーズを決める、これがキャラ設定の一部だから仕方がない。


こん棒の様な物を振り回す怪人は、距離を取って懐に入れさせない。


すかさず拳に気合を貯めて衝撃波を繰り出すが、こん棒を使って衝撃波を弾いてしまう。


互いに間合いを探りながら見合っていると、「パシュッ!」っと音がして怪人の眉間に穴が開く。


そのままこん棒の怪人は、後ろ向きにひっくり返って動かなくなった。


「なっ!」


るるかみりの攻撃が当たったのかと双方を見るが、こちらに攻撃を放った様子はない。


後方のワゴン車に近づいて、るると一緒に後方のハッチを開けると頭に黒い袋を被された一般人がいる。


殲滅対象の赤いマーカーが無く、みりやるると同じ緑のマーカーだ!


るると顔を見合わせて、無言のアイコンタクトで両手が空いている自分が背負っていく事になった。


「もう大丈夫だから!」と声を掛けるが。


「ひいっ! いいやっだ! やめて! もう酷いことしないで!」


一般人はパニック状態だ!




こんな時はSWAT方式で気絶させるか、拘束したまま回収ポイントまで移動させるしかない。


「あなたを救いに来たの!

 ここはまだ危険だから、安全地帯まで大人しくしていて!」


そう言って手を取ると、両手に手錠が掛けられている。


見れば両手の小指と薬指が無い。


「ひぃ! ゆっゆるしてっ! ごめんなさい。」


よく見ると露出した手や足は痣だらけで、乱暴にしたら折れてしまいそうだ!


いつ敵の増援が来るか分からない!


こんなところに長居をしていちゃダメなのは間違いない。


至急回収ポイントまで移動させなければ!


「少しじっとしていてね!」


両手に気合を入れて手錠の鎖を引きちぎり、金具で腕に傷を付けない様に慎重に少しずつ指先で手錠を破壊し分解していく。


「バキリ! ガチャリ!」と音がするたび。


「ひいっ! ああ・・・」


声を上げる一般人は、やがて恐怖で大人しくなった。


「相変わらず物凄い怪力ですね!」


るるからの突っ込みはスルーして、彼女を背負う。


るるが後方で援護し、みりが道路上の敵に止めを刺して車両を焼く!


事前の役割分担は出来ているのですぐに行動を始める。


人を背負ったまま急な斜面を登るのは、かなりの重労働だ!


救助した女は、時折「ひいっ!」と声を上げる以外は無害だ。


人質がきちんとしがみ付いてくれるので、両手がフリーに使える。


木や草などを掴んでバランスを取りながら回収ポイントに急ぐ!


あと少しで回収ポイントになる場所で、樹木の状態が変わって視界が開ける。


襲撃した車両が燃えて明るく見えている、みりが派手にやっているようだ。


だが、道路の先からその方向に増援が向かっているのが見える。


早く援護に向かわなければ成らない。


救助者を回収ポイントに座らせて、優しい声をかける。


「あなたはここで助けが来るまで、静かに大人しくしていてちょうだい。

 絶対に勝手に動いちゃだめよ!」


一般人を回収ポイントに残して、斜面を下る。


ステータス表示には経験値2倍ボーナスの表示が出ているので、回収作戦はミッションクリアーだ!


後は時間いっぱいまで戦闘員や怪人を倒して経験値稼ぎだ!


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