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第12話 大賢者アムネシア


夜勤明けの朝は清々しい!


引き継ぎで日勤の管理者に昨夜の掃除内容と、状態の確認及び掃除道具の点検と収納を見届けてもらう。


管理者のおじさんは定年間近の斉藤さんだ。


「伊藤君丁寧に仕事してもらってありがとう。」


人から感謝されるなんて何だかほっこりする。


「伊藤君は今週だけの短期バイトだっけ?

 なんなら上の人に声かけてあげるから長期契約にしない?」


有期の契約で安定収入を確保するのは生活の上では、ありがたい事だが魔法少女に変身することで病気や怪我の心配が無くなった以上、好きな事をして生きていくと決めたのだ。


「ありがとうございます。せっかく声掛けて頂いて嬉しいのですが、

 新しい仕事が決まっていまして、すいません!」


すまなそうに肩をすくめて、申し訳ないといった態度を示す。


とりあえず次の仕事が決まっている事にしておこう、実際魔法少女業に就職してるで良いんだよな?


決まっている仕事が有るのにキャンセルするような不義理はしないって好印象だし、また機会があったら雇ってもらえる。


「それじゃ仕方ないな、今週残り頼むね!」


肩をポンポン叩かれて、お互い笑いあった。


「ハイ!よろしくお願いします。」


缶コーヒを飲みながら家路につく。



「昨夜のビル屋上からの支援は、魔法少女たちの役に立てただろうか?」


山籠りでライフル射撃を修業するうちに、コツというか勘の様なものが付いてきた。


どのタイミングで射撃すれば命中出来る!的な感覚をつかめる様に成ってきた。


すでに人間辞めている元人間の頭を吹き飛ばしたと言うのに、何だか現実の出来事の様な気がしない。


「ものすごく役に立っていました、大活躍です。」


ぷぷるんは、興奮気味に声をだす。


お出かけ専用に購入したリュックの中でバタバタ動いている。


ぷぷるんとの会話を誰に聞かれるか分らないし、リュックの中なら他人に聞かれる心配も少ない、さらに両手がフリーなのが良い。


教団の病院前を通って帰ることにする。


昨夜のうちに病院の周囲は建築工事中のバリケードフェンスで覆われている。


黄色と黒の虎縞の衝立だ、2m近い衝立のせいで中が見えない。


中ではブルドーザーやシャベルカーなどの重機の音が聞こえる。


死体や証拠を埋めて隠しているのだろうか?


病院の入口には臨時休業のお知らせの看板と、女性職員たちが事情説明の為に、診療に来た患者を誘導している。


「今日の診察は無しですか?」


診察を受けに来た一般人の声が聞こえる。


「大変申し訳ありません。下水配管の漏水が有って、工事のために休診となります。」


頭を下げながら職員の女性が応対している。


下水工事なら重機が出入りしていても怪しくないし、死体や血肉が腐敗しても下水臭で誤魔化せる、いい手だ!


戦闘員や怪人の処理はどうなってるのか見てみたいが、警戒も強化されているに違いない、あえて危ない橋を渡る必要もない。


この辺にいる人間全部が改造人間の可能性もある訳だし、とりあえず単なる通行人として、急がず慌てずにこの場を離れる。





苦々しげに研究棟4階から鋭い視線を下の道路に向けて、一人の女が佇む。


「チッツ!」


先ほどから舌打ちが止まらない、何たる失態、最悪最低の結果だ。


魔法少女を捕えて脳改造手術で奴隷化するための必殺の作戦が失敗した。


戦闘員と怪人の大半を投入した大作戦であった。


「教団病院の損害は壊滅的だ!洗脳者を使って速やかに証拠隠滅を謀るのだ!」


女の足元に跪いて見上げるように男が話しかける。


「大賢者アムネシア様!」


女はさも不機嫌そうな態度で男に返事をする。


「なに?」



「大神官ネメタス様の遺体近くに落ちていました。」


男が白いハンカチに集めた、粉々に成ったアクセサリーの部品、ネメタスの額に有ったサークレットだ!


アムネシアは一目見て、すでに魔人様の魔力が抜けている事に気が付いた。


このサークレットで魔法少女たちの身体の自由を奪って、動けなくなったところで魔法少女の脳内にメスを入れる手はずだった!


そのための手術台と外科チームも準備されていたというのに!


イライラを男にぶつけるように、乱暴にハンカチごとサークレットの残骸を奪い取った。


「他に何か分かったことは?」


そんなことは何時もの事と割り切った態度で、淡々とアムネシアの質問に答える男。


「銃の様な飛び道具が使われた形跡があります。」


アムネシアは鼻息荒く男を睨みつける。


「魔法少女の武装が進化したのか?それとも別の敵が現れた?」


「判りかねます。現在捜索中ですが、銃弾は発見されていません。」


弾が見つかれば銃の種類や威力が分るはず。


アムネシアはヒステリーを起こしながらも物思いに耽るのだった。




初めて現れた魔法少女2名は、現実世界の一般人が変身していた。


彼女らの住所氏名は警察組織を操って、簡単に辿ることができた。


家族や親類、友人、関係者を宗教団体の信者に洗脳し、時には改造人間として、魔法少女を家庭環境から破壊し精神的に追い詰めていった。




彼女たちは我々の手に堕ち、情報を手に入れることが出来たが、魔法少女に対する実験の失敗などが重なり、変身する能力を失ってしまった。


次に現れた3名の魔法少女は、神出鬼没だ!


警察や行政機関の信者を使って、監視カメラの映像から彼らを追跡しても、突然現れるために追跡できないし、消えるときも然りだ。


今回こそは本部施設に誘き寄せて、魔法少女を完全な形で手に入れるチャンスだったというのに!


アムネシアのヒステリーは治まらない。


「魔法少女ってやつらはどうしていつも邪魔ばかりするんだ!

次こそは絶対に拷問にかけて死ぬより辛い目にあわせてやる!」


ヒステリーが極まって白目を剥いて口から泡を吹きだしながら、わめき散らすのだった。



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多くの人の目に触れることで感想ももらえるようになるので、

作品を楽しく書くことができるようになります。

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