親父ハーレムを父上に聞いてみた
私は五歳のシェレスティアナだ。
番外編のみちょっと大きくなっている。
そんな私は、気になってることを聞いてみた!!
執務室には、書類に埋もれている父上が居た。
「シェティ?どうしたんだい?」
狼の耳をピクピク動かしつつ、優しい父上は首を傾けた。
「父上、世には親父ハーレムと言う新たなジャンルがある。
やはり、親父のロマンとはピチピチ姉ちゃんに囲まれてイチャイチャするのが良いのか?」
気になって私は父上に問い掛ける。
「内容に寄るかな?親父ハーレムは……確かにその世代には人気あるかもだけど、若い子には同年代の主人公のハーレムが合っていると思うよ」
苦笑して父上は私に答えると、世話しなく尻尾を動かす。
この反応は、動揺している時の反応だ。
「ふむ?ならば、父上も親父世代なら同じ筈。父上は親父ハーレム好きですか?まぁ、確かに若い女の子に囲まれてイチャイチャラブラブは親父の夢ですね」
私は気付いて父上に尋ねる。
「えっ?……まって……何でそうなるのかな?僕は親父ハーレムなんて読まないよ?」
冷や汗を掻いて父上は私に言うけど……
「ほお?じゃあ、これはどうかな?君の枕元の裏から大量に出てきたのだけど」
男装の麗人として美しく凛々しい母上が、感情の籠らない目で父上の前に本の山を置いた。
私は母上に片手で目隠しされて分からないが、一緒に母上と入って来た兄上曰く如何わしい女性達に囲まれた親父ハーレムの表紙だったらしい。
「あ……いや…それは……」
「私が居るのに君は満足出来ず、わざわざ破廉恥な小説を読んでいたんだね?君には失望したよ」
「まっ待ってくれ……ブームになってから僕も気になって」
「言い訳は結構。可愛いシェルティに悪影響を与えたりしたら大変なんだ。残念だが君にはお仕置きが必要なようだね」
「ちょ……」
「スネークテイルアタック!!」
母上の必殺、蛇の尻尾が父上に炸裂した。
「うわぁーーー!!」
父上は窓ガラスを突き破り遥か後方へと飛んでいく。
父上も翼があるんだから飛べば良いのに。
私は呆れた顔をして思った。