18 羞恥の極み
ブックマーク・☆での評価・誤字報告・感想をありがとうございました!
今回はちょっと下の方面できわどい描写があります。
「レイ姉、大丈夫かにゃ?」
「その……病気ではないので……。
マルガも将来、毎月こうなります」。
「え~?」
絶不調である。
まさかの初潮で大出血とか、ここ最近で最大の精神的修羅場だ。
だが、私を追い詰めているのは、それだけではない。
「さあ、レイちゃん、パンツを脱いで!
綺麗にしてあげるから!」
キエルにとんでもないことを迫られている。
「え、いや、その……。
血は浄化の魔法で消せますので……っ」
「駄目だよ!
まず血を止める処置をしないと、根本的な解決にはならないし!」
「でも、その、恥ずかしぃ……!」
「女同士だから、恥ずかしくないよ。
それにこれは、大事なことだから……。
とにかく、パンツは脱いで。
どう処理をするのか、教えてあげるから」
あかん、これは断り切れない……。
「ううぅぅぅ……」
私は泣く泣く、ズボンとパンツをずり下げた。
こんなダンジョンの通路の真ん中で下半身露出とか、恥ずかしすぎて新たな性癖に目覚めそうだ。
いや、ダンジョン内でのトイレの時にも、同じことをしているけど、その時はさすがにみんなは私の側から離れてくれるから、恥ずかしさは軽減されている(なお、出した物はダンジョンに吸収される)。
だが、今はキエルやマルガにガン見されているのだ。
やばいな、これ……。
ママンにア●ルを舐められた時以来の、恥ずかしさだぞ……!
「まずは血を拭き取るけど、レイちゃん、自分でする?」
「ええ……浄化の魔法でできますので」
私は自分の股間や、ズボンとパンツを汚す血を魔法で消し去った。
「うん、綺麗だね!」
それは汚れが無くなったって意味?
それとも私のツルツルの股間が!?
「あまり見ないでください……」
「ああ、ごめん。
それで、次は血を止めるよ」
と、キエルは空間収納から何かを取り出した。
「この空間収納、私みたいに容量が少なくても、こういうのを常備しておく為にも便利だね。
教えてくれてありがとう、レイちゃん」
「どういたしまして……?
えと……それは?」
キエルが取り出したのは、紐が付いた棒状の物体だった。
まさか、噂に聞くタンポン──!?
異世界にもあったのか!?
「これ、スライムの身体を乾かして粉にしてから、お湯で溶かして煮詰めた物を、型に流し込んで固めたんだよ。
これを挿入れておけば、血を吸収してくれるから」
「スライム!?
まさかトイレに使っていたので、作っていませんよね!?」
「……だとしても、洗ってから煮沸消毒されているから、大丈夫だよ」
おい、否定してくれ……。
そりゃ、トイレの中にいるスライムも、無限に生きている訳じゃないのだろうから、死んだ後にそういう用途に使われる可能性も否定はできないのだろうけれど……。
仮に浄化の魔法で綺麗にされていたとしても、気分の問題だ。
あと、元スライムとしては、またもや複雑です……。
「そ……それを、私の膣に、挿入れるのですか……?」
棒状の物……というだけで、レイチェルのトラウマが発動しそうなんだが……。
「うん、最初は怖いかもしれないけど、これがあるのと無いのとでは、快適さが違うからね。
頑張って使おう!
なんなら、私が挿入れてあげるよ?」
「い、いえっ、それは遠慮しておきます!」
そんな高度なプレイは、さすがにまだ早い。
私の求めていた百合って、こんなのじゃなかったはずなのだがなぁ……。
「それじゃあ、はいこれ。
私達は、後ろを向いているね」
「え……ええ」
キエルに、ブツを渡されたが、思っていたよりも太い気がする。
これ、本当に私のに挿入いるの!?
いや、この身体は未経験じゃないから、余裕で挿入るはずだけどさぁ!!
でもだからこそ怖い。
トラウマがががががが──。
ブツを持つ手がガクガクと震える。
落ち着け、これは医療行為、医療行為だ。
逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄──。
私は意を決して、局部にそれをあてがった。
「ひうっ!」
思わず変な声が出た。
なんでこんなに敏感なんだよ、ここはっ!?
燃えたよ、燃え尽きた……。
真っ白にな……。
「レイ姉が白くなってるにゃ……」
……終わった──色んな意味で……。
止血の作業は終わったが、なんだかもう私の尊厳とか、色々なものも消し飛んだような気がする。
「うん、頑張ったね、レイちゃん。
よく頑張った!
あとは清潔な布を当てておけば、下着が汚れるようなことは無いと思うよ」
キエルはそう励ましてくれるけど、なんだか精神的な消耗が酷い。
それになんか……うん、股間に異物感があるな。
パンツの中の布も、ゴワゴワしているし……。
これは慣れるまで、結構苦労するぞ……。
「あれ?
レイちゃん、泣いてる……?」
「え?」
いつの間にか、私は涙を流していたようだ。
今日は色々とありすぎて、ちょっと精神状態がグチャグチャになっているのだろう。
あと、ホルモンバランスとかの影響もあるのかもしれない。
「ふえっ……ふえぇぇ……?」
「お~、よしよし。
もう大丈夫だからね~」
「そうにゃ」
なかなか涙を止められない私を、キエルは優しく抱きしめてくれた。
それを真似してか、マルガも私にしがみついている。
なんだか凄く安心する。
ただ、それは彼女達のおかげだけではないのかもしれない。
今回のことは、ある事実を私に教えてくれた。
良かった……。
この身体、ちゃんと成長していたんだ……。
1度は死んで、もう成長しないのかもしれないと思っていたこの身体が──。
そう思うと、なんだか余計に泣けてきた。
当分この涙は、止めることができない……そんな確信があった。