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5 狩りの時間だ!

 ブックマーク・☆でのポイント、ありがとうございました!


 用事があるので、ちょっと早めの更新です。

 なお、今回は少々飯マズ描写があります。お食事中の方は注意してください。

 拝啓、兄上様。

 今頃は転生しているのでしょうか?

 私は……着実に弱ってきています。


 ……このままだと、お兄ちゃんの後を追うことになる可能性も皆無ではない。

 そう、どうしてもキツネの食生活に、慣れることができないのだ。

 キツネの味覚ならば、生肉は食べられない程ではないのだが、やはり人間の基準では不味いし気持ちが悪い。


 あと、肉が手に入らなかった時は、虫なんだ。

 虫は生肉以上にキツイ……。


 とにかく見た目は勿論、「細菌や寄生虫は大丈夫なのか?」という先入観もあって、思わず吐きそうになる。

 勿論、全く食べないと死ぬので、限界まで腹を空かせてから無理矢理胃に入れるという手段を使ってはいるが……。

 空腹は最高のスパイス──ってね♪(空元気)


 しかしどのみち、そんなダイエット状態で、乳幼児が真っ当に育てるはずがない。

 まだママンの母乳があるから、なんとかなっているという感じだ。

 つまりママンの母乳が出なくなる前に、なんとかしなければ詰む。

 

 ……慣れるしかないのかなぁ……。

 はぁ……もうくじけそう。

 そんな落ち込む私を心配してか、妹ちゃんが声をかけてくる。


「きゅうぅん?」


 うう……ありがとう。

 もう妹ちゃんだけが、私の心の支えだよ。

 というか……これは妹ちゃんなのだろうか?


 最近は食事量の差が如実に出ていて、妹ちゃんの身体の方が私よりも大きくなりつつある。

 動物の赤ちゃんの成長スピードは、マジで凄まじいな……。

 ……あなたが姉か?


「きゅうん?」


 私の羨望の籠もった視線の意味が分からないとでも言うように、妹ちゃんは首をかしげる。

 ああ、可愛いなぁ……。

 もうこの子の為に、何が何でも頑張るよ。

 守りたい、この笑顔(笑ってない)。




 その後、なんとか根性で拒食症を克服しつつあるけれど、やっぱりメシマズという現実は変わらない。

 せめて調味料が欲しいなぁ。

 異世界物のお約束なら、何でも自分で作るんだろうけれど、我が肉球ハンドでは加工品とか無理や……。


 結局、乳離れの時期も迫っているようなので、私達は本格的に狩りの訓練に力をいれなければならなくなった。

 しかし美味しくもない物を狩るなんて行為は、モチベーションが全く上がらない。

 私はママンが捕まえてきた小動物を、他の兄妹達がいたぶっている──つまり擬似的な狩りの体験の様を、ぼんやりと眺めていることが多かった。


 前世では動物を殺すなんて経験をしたことが無かったから、殺生(せっしょう)自体に抵抗感があるしね……。

 食べる為には殺さなければならないという理屈は分かるんだけど、やっぱり可能な限り殺したくはないんだよなぁ……。

 そもそも餌になる小動物は、いちいち可愛い姿をしているから、余計に嫌だ。


「うきゅんっ!」

 

 だが、そんな私の消極的な態度を見かねたのか、ママンや妹ちゃんが、狩り体験に参加するように促してくる。

 はいはい、やりますよぉ……。

 私は、渋々と参加することにする。


 今回の標的であるネズミのような生き物と、私は対峙した。

 既に兄妹達が狩り体験を行った後なので、全身傷だらけで、身体の所々が血で汚れている。

 うう……可哀想だよぉ……。


 これから私は、この小さな生き物の、息の根を止めなければならない。

 今世で初めての殺生ということになる。

 いや、前世を含めても、虫以外でなら初めてかな?


 本当はやりたくない。

 だけど生きる為には、仕方が無い──と、割り切るしかないのだろう。


 まあ、やるべきことは分かっている。

 相手の弱点である延髄に噛みついて、断ち切ればいいだけだ。

 それで即死させてやれば、無駄に苦しませることも無いし、何よりも餌に逃げられることも無い。


 やるのならば、効率的に──徹底的に。

 伊達にママンや兄妹達の狩りの様子を、ただ見ていた訳ではない。

 手順通りにやれば、初心者の私でも手こずらないはずだ。

 というか、散々兄妹達にいたぶられた獲物は、もう弱り切っていて、逃げることもできないだろう。


 それは赤子の手を捻るよりも、簡単な作業になるはずだったんだ。

 しかしネズミに噛みついた瞬間、私の視界は暗転した。



 えっ────?

 家族が入院する可能性が高くなったので、予告無しで更新を休むこともあります。なるべく予約掲載とかでなんとかしたいと思うけどね……。

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