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40 魔王を超えし者

 ブックマーク・☆での評価・いいねをありがとうございました!

 さて……あとはクジュラウスを倒すだけなんだけど、瞬殺するだけなら超余裕なんだよなぁ。

 オーラを見た感じ、魔力や生命力の大きさは、70年前に倒した大怪獣ヘンゼルの5割増し程度ってところかな?

 でも今なら私じゃなくても、アイやアリタでも倒せる範囲内だと思う。


 ただ、生け捕りにして裁判にかけ、この戦争の責任を取らせるとかいう話になると、ちょっとリスクが大きい。

 こういうタイプは何をしでかすか分からないし、実力だけなら大魔王と呼んでも差し支えない程度にはありそうだからなぁ……。

 生かしておくだけでも危険かな……。


 ならばこの場で罰を与えて──できるだけ苦しませてから死んでもらおうかしら?


「このっ!!」

 

「おっと」


 私の考えが察知されたのか、クジュラウスが攻撃してきた。

 ふむ……熱線か。

 それじゃあ習得したばかりの、「反射鏡」を使ってみるか。


 あ、さすがにクジュラウスも反射された熱線を、(かわ)せるだけの実力はあるのだな。

 う~ん、動きが鈍い相手にしか使えないな、これ……。


「くっ……!!

 古代魔法を易々と……!

 まさか貴様が……!?」


「ああ、あなたがまとめてくれた資料は、有効活用させてもらったわよ。

 まあ、お礼は言わないけれど、これはお礼代わりね」


 私は無数の水滴を生み出し、散弾銃のような勢いで撃ちだした。

 クジュラウスは回避行動を取るけれど、豪雨の中で雨粒を()けるようなもので、回避は不可能でしょ?

 そこは「結界」で防御するか、転移魔法で逃げるか、あるいはなんらかの攻撃で相殺(そうさい)させるしかなかったはずだけど、戦闘経験が少ないのか判断ミスをしているね。


 なお、水滴は数cmの厚さがある鉄板でも貫通する威力があるけど、強化されたクジュラウスの肉体を貫通するほどではない。

 だけど強酸で作った水滴だから、体内に入り込んで酷いことになっていると思う。

 さすがに体内に入り込まれると、耐性を持っていてもその効果が落ちる場合があるんだよね。


「ぐっ……があぁぁっ!?」


「その程度は、すぐに回復できるできるでしょ?

 そのまま何もしないのなら、私の方から攻撃するわよ?」


 私は風魔法を操り──、


「……………………!?

 ………………………………!?」


 クジュラウスの周囲を真空にした。

 このままでは呼吸ができないのは勿論、空気中に含まれていた魔力や精霊を利用した魔法を使うことすらできなくなる。


「…………──このっ!!」


 魔力や気で身体強化をしたのか、クジュラウスは猛スピードで真空の領域を飛び出し、私に殴りかかってくる。


「ほっ」


「ぐっ!?」


 私はクジュラウスの攻撃をいなして、合気柔術の要領で投げ飛ばした。

 動きが素人だな。


「ほら、立ちなさい。

 次の攻撃が行くわよ?」


 私は数百本の岩の槍を空中に生み出し、それをクジュラウスへと向ける。


「なめるなぁぁぁぁっ!!」


 叫ぶクジュラウスを中心に衝撃波が発生し、岩の槍を全て砕いてしまった。

 それならば──、


「グガ、ガガガガっ!!」


 クジュラウスを囲むように衝撃波をいくつも発生させ、連続で叩き込む。

 その後もクジュラウスが何かをする(たび)に、同種の魔法やスキルで反撃して完封した。

 するとクジュラウスは、段々何もしなくなってくる。

 ポキポキと心が折れていく音が、聞こえてくるようだねぇ……。


「あなた、大きな力を手に入れただけで、その使い方を研ぎ澄ませてもいないただの素人ね。

 そんなんじゃ、私の敵ではないわ」

 

「な……なんだ貴様は……!?

 そんな膨大な数のスキルを、何故持っている……!?

 私でさえ、ギリギリを見定めて、ようやく手に入れた物を……!?」


 畏怖するような目で、クジュラウスは私を見た。

 確かこいつ、勇者召喚の術式をアレンジして、他者から能力を奪うことができるんだよね?

 それなら私の方が、スペシャリストだ。


「私があなたの上位互換だからよ!

 私は生まれつき、他者の能力を奪うスキルを持っているからね」


 正確には能力だけじゃなく、肉体も魂も丸ごと奪える。

 だからおそらく、クジュラウスが使っている術のような限界は無いのかもしれない。

 少なくともスキルを正しく使っている範囲では、吸収できる上限はクジュラウスのそれよりもはるかに上だろう。


「なっ……!?」


 愕然とするクジュラウス。

 彼が長い研究の末にようやく手に入れた能力を、最初から持っている私の存在──それを知って、虚無感に襲われているのかもしれない。

 研究するのなら、私の「魂の融合」を研究した方が、手っ取り早かったかもね。


「そんな……こんなところで我が研究が……!

 無駄にしてたまるかぁぁぁ──!!」


「むっ……!」


 クジュラウスが禍々(まがまが)しい魔力を放っている。

 何か奥の手を仕掛けてくるつもりかな?


「ふはははは、これは避けられぬぞっ!!

 死神の鎌(デス)!!」


 クジュラウスが術を発動させた瞬間、私の身体(からだ)に衝撃が走る。

 ちょっ──!?

 予備動作も無く、対象に直接働くの!?


 回避不可能とは、厄介だなぁ!

 土日はお休みです。ちょっと体調が悪いので、それの状態によっては休みが伸びるかも……。

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