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39 暗殺組織との戦い

 ブックマーク・いいね・感想をありがとうございました!

 あの後、勇者の女の子の後を追跡してみたけど、彼女は城へと入っていった。

 普段は城で生活しているのかな?

 だとすると、他の勇者も同じだという可能性が高いのかもねぇ……。


 その後、町の外でシルビナ達と合流する。

 母さんも帰ってきていた。


「奴隷が店からいなくなっていますねぇ……」


 あ、やっぱり。

 他でもそうなのか。


「私は情報収集の為に、奴隷商を片っ端から乗っ取ってきます。

 城攻めはその後ですね。

 あなた達は、先に暗殺組織を潰しておいてください」


 一般の奴隷の救出は後回しでもいいけど、暗殺組織は国の有事ともなれば、人員が戦闘に駆り出される可能性もある為、組織に所属している奴隷は、安全を考慮して先に救出することになった。


「それではアリタ、後はお願いします」


「うん、任せて」

 

「マルガとセポネも頑張ってくださいね」


「はいにゃ」


「アリゼお姉様の為に、頑張ります!」


 セポネは一族再興の為だ──と、聞いていたんだけれど……。

 どうやら母さんの全力毛繕い(グルーミング)を受けて、心変わりを起こしてしまったらしい。

 今は一族の再興よりも、母さんの(そば)で働きたいと思っているようだ。


 大丈夫? それ一族の滅亡に、一歩近づいていない?

 まあ、一個人が動かないだけで滅びるようなら、どのみち滅びる運命(さだめ)なのかもしれないけれど。

 

 ……ともかくあの毛繕いは、たまに奴隷契約よりもタチが悪いのでは……と思うこともあるけど、本人が幸せそうだからまあいいか……。


「じゃ、行こうか、シルビナ」


『ああ!』

 

 それから私達はセポネの案内で、かつて彼女が所属していたという暗殺組織の本拠地へと、襲撃をしかけた。

 町の各所に地下へと続く秘密の入り口があって、その地下の最深部に本拠地があるらしい。

 私達はその入り口から、普通に突入していく。


 なるべく騒ぎを大きくして組織の人間を集めておいた方が、救出する人間も見つけやすいしね。

 ただ幹部が逃げる可能性があるので、他の出入り口には罠を仕掛けておいた。


 お、侵入したら早速お出迎えが来たよ。

 

「何者だ、お前らっ!?」


「貴様らに名乗る名前は無い!!」

 

 私の返答を合図に、シルビナが斬りかかっていく。

 暗殺者とはいっても、勇者との戦いが想定されてカスタマイズされているシルビナから見れば、その戦闘力はさほど脅威ではないようだ。

 ましてや暗殺者が得意とする隠密行動からの不意打ちは、今や人間とは全く違う感覚器官を有しているシルビナならば、余裕で感知できる。


 それにミスリルの身体(からだ)には、暗殺者がよく使うナイフは勿論、暗器(隠し武器)や毒なども通用しない。

 もはや天敵と言ってもいいくらい、暗殺者達にとってシルビナは相性が悪いと言える。


「なんだこいつは!?

 応援を呼べっ!!」


 とはいえ、いかにシルビナが強くても、相手が多ければ1人で戦うのは効率が悪い。

 まあ、経験値的には美味しいのかもしれないけど、時間がかかる。

 だから──、


「マルガレテ、我々も!」


「にゃっ!!」

 

 と、マルガとセポネも、参戦する。


 マルガはSランク冒険者なので、暗殺者程度に(おく)れを取るようなことはない。

 そしてセポネも、長年暗殺者として働かされていたので、その能力は低くないようだ。

 むしろ命令で嫌々と戦わされていた時よりも、今は実力を発揮できているのではなかろうか。


 実際、他の暗殺者達を翻弄する速度で動き回り、確実に仕留めている。


「おお、セポ(ねえ)もなかなかにゃ!

 マルガもやるにゃよ!」


 次の瞬間、マルガが分身する。


「「「なっ!?」」」


 マルガの分身には、暗殺者達ですら驚愕した。

 それは実際に身体が増えている訳じゃなく、人並み外れた移動速度に加えて、緩急をつけた特殊な歩法で、分身をしているかのように見せているのだ。

 気配も出したり消したりしているから、その正確な位置を特定するのは難しい。

 当然暗殺者達は、そんなマルガの攻撃を回避できるはずもない。


 まさに、ザ・ニンジャ!


「素晴らしいわ、マルガレテ!

 私も負けてられないですね……!」


 妹の奮闘に、セポネも俄然やる気を出したようだ。

 気が込められた掌底の一撃で、易々と暗殺者が沈む。

 猫パンチ、強っ!?

 

 ……うん、私の出る幕は無いね。


「あ、アリタさん!

 この人は奴隷契約を受けています」


 お、出番か。

 私は蜘蛛糸でその人を拘束し、命令違反の強制力で舌を噛んで自害しないように、糸を束ねて猿轡(さるぐつわ)状にしてから噛ませた。

 

 

 あとは王国のレイチェル姉さんのところに、転移魔法で送っておく。

 姉さんなら不測の事態があっても、対応できるだろう。

 

 そんな感じで戦闘と救出を繰り返しつつ、私達は地下の奥へと進んでいった。

 結局あの後に発熱して、1日寝込みました。執筆の時間も取れなかったので、明日以降の更新で間に合わない場合があるかも……。

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― 新着の感想 ―
[一言] 江戸さん、投稿より自身の健康ですよ!今はもう治ったのでしょうか?
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