最終話 異世界でラノベを読みたいから、ダンジョンへ来た
「つうかマジで勝っちまったよ……、レインハルトってやっぱすげぇな……」
激闘の末にダンジョンキーパーを一人で倒してしまったレインハルトだったが、消耗しすぎたらしく今はレイネと共に休んでいる。
あの化け物染みた強さのレインハルトに卑怯なやり方ながらオレが勝ったのは本当に奇跡だったのだろう。
「つ、遂にダンジョンの攻略だね……」
扉の前に立ったアレイは緊張した面持ちで立っている。
とは言え、オレも似たようなものである。
おっかなびっくりとばかりに扉の前に立ったオレ達の眼前で扉がひとりでにゆっくりと開いていった。
ゴゴゴゴ、と擬音が付きそうな感じに開いた扉の中はまるでゲームなどでよく見る玉座の間そのまんまであった。
やたらに太い石の柱が何本も立ち並び、どデカイ部屋の中心には赤い絨毯が敷かれている。
その最深部は他より一段高くなっている場所があり、階段状になった上には高価そうな椅子が置かれている。
その椅子の上に光り輝いた本が浮かんでいた。
オレとアレイは玉座に向かってゆっくりと歩いていくと、玉座の上で浮いていた本を受け取った。
美少女が可愛らしいイラストで描かれた表紙には「妹と姉と従妹と居候に迫られて、色々耐え切れない俺の自宅ハーレムは爆発しそうです」の文字が躍っている。
異世界に来てから二十日もの時間が経っている。
その間、読めなかったライトノベルが今、オレの手の中にはあるのだ。
「うお、うおおおおおおおおおお!! キタァアアアアアアアア!!」
ライトノベルを手に取り、まずは一ページ、更に一ページ開ける。
イラストレーターさんによって描かれた複数のカラーイラストが掲載され、それを入念に眺めてライトノベルのプロローグが書かれている。
間違いない――――これはライトノベルだ。
「な、なあ!」
「ああ、読んで良いよ」
待ちきれないとばかりの表情を浮かべるオレに対してアレイは頷いて見せた。
この最初の一文を読む時が、新刊を紐解く緊張の一瞬である。
正にダンジョンへ足を一歩踏み出した、あの感覚にそれは似ていた。
そしてオレはライトノベルの冒頭へと目を滑らせて行った――――
これにて本作は完結となります。
ここまで読んで戴けた方、誠にありがとうございました!
ここまで読んだ感想など戴ければ本当に嬉しいです。あと評価なども良ければ……入れてもええんやで?
なお、本作は実は五年前に書き上げたもので、私が今書こうとしている作品『こちら異世界、ライトノベルが流行ってます。』の前身に当たる作品となっています。
なのでもし本作を気に入って下さった方がいれば、『こちら異世界、ライトノベルが流行ってます。』も読んで戴ければ嬉しいです。ちょっと更新滞っていますが、近い内に更新しますので、何卒……。
また、完結作品は『陰キャが炎上したら最強になっていた』や『魔王に挑むは村人A』などもありますので、良ければ読んでみて下さい。
では、ちょっとした宣伝なども挟んでしまいましたが、ここまで読んで戴けて本当に嬉しいです。
改めましてありがとうございました!




