「第一話 嵐の中の産声」
初投稿作品タイトルです。やるなら好きなものというこでロボット物にしました。
至らぬ部分もあるかと思いますが、是非読んでください。
よろしくお願いします。
その日は嵐だった。
雷雲の中、一機の大型輸送機がまるで急ぐように飛んでいた。
「どうだ、調子のほうは?」
「かなり荒れているが、問題ない」
輸送機のパイロットがそんな話をしていた。
「まぁ、この分なら普通に飛んでて大丈夫だろう」
「まったくだ」
二人が軽く笑ったところに、一人の男が割って入った
「こら、今は任務中だぞ。それに今回は重要だ。気を引き締めろ」
「はっ、すみませんでした、大尉!」
パイロットは揃って敬礼した。
男の名はユウ・ナイトウ。地球連合軍大尉だ。今回は輸送機にある新兵器
のパイロットとして、この輸送機に乗り込んでいる。
「お~い、何かあったのか?」
そこに同僚のシン・ヒロキ大尉が操縦席に入ってきた。
「いや、何でもない。ちょっと注意していただけだ」
「そうか、それより席に戻ろうぜ」
「あぁ、分かった」
そうして二人は、操縦席を離れた。
その頃、この雷雲の遙か上空を飛ぶ、二機の大型輸送機があった。
地球連合軍に反旗を翻すガリア帝国のものだった。
「奴ら雷雲を利用して、ここを抜けようとしているようだな」
「あぁ、だが護衛をつけずに隠密行動したことが、失敗だったな」
どうやら帝国には、輸送機のことは筒抜けだったようだ。
「よし、この辺りでいいだろう」
「はっ、ゴッドアーマー、ゼル各隊、発進!」
輸送機のハッチが開き、人型ロボット、ゴッドアーマーが銃と翼を携え、降下し次々飛び立った。
身の丈17,8メートルはあろう巨人が雷雲の中に入っていった。
一方その頃、雷雲の中注意しながら、進む連合の輸送機。
ユウとシンは控え室でくつろいでいた。
「全く、新型機の輸送とはいえ、こんなとこ通らななくても」
「そう言うなシン。もうすぐ抜ける予定だ。そうしたら海も拝めるぞ」
二人がそんな談笑をしていた、その時だった。
ピピピピピピピッ!
「んっ!」
「これは!」
二人は急いで、高性能レーダー兼照準機「キャンサー」を右耳に取り付けた。
「モニター確認。頭上から六機来る!」
「輸送機に連絡! 速度を上げるんだ」
輸送機は連絡を受け、速度を上げた。しかし、少しばかり遅かった。
バリバリバリッ!
マシンガンの銃声が雷鳴ととも聞こえた。
「対応が早いな、手練れの者か」
「落ち着いている場合か。この輸送機には武器はないんだぞ」
シンは少し慌てていた。だが、ユウは余裕だった。
「あるじゃないか、ひとつだけ」
「まさか、あれを。まだ実戦テストもしてないのに!」
シンの言葉を遮り、ユウは格納庫へと向かった。
敵機は輸送機を目標に、マシンガンを打ち続けた。だが、雷雲の中だからか、何とか外れていた。
だが、このままでは撃墜されるのは時間の問題だった。
「よし、格納庫のハッチに着いた。開けるぞ」
ユウとシンはハッチを開けて、中に入った。
中には、戦闘機らしき物があった。
「これが新兵器・・・」
シンは初めて見たそれに、ただ驚いていた。
「そうだ、これが連合初のゴッドアーマー、RA-01グライデン一号機だ。しかも変形するやつだ」
「はっ、変形するって、こんなすごいのに乗るのか?」
「何言ってるんだ? お前も目的地に着いたら、二号機に乗るんだぞ。聞いたことないのか?」
「聞いてない! 命令書にも無かったぞ」
「そう言うなシン。俺も口頭で命令を受けただけだ。一応シミュレーションは受けただろ」
「まぁ、それはそうだが。今は状況がー」
バリバリバリバリバリッ!
「敵機が近づいて来る。とにかく乗るぞ!」
ユウはそう言って、操縦席のハッチを開け、中に入った。
「もうどうなっても知らんぞ、輸送機、降下用ハッチを開けろ! 命令だ!」
やがて、降下用ハッチが開き、機体は最終ハッチのみとなった。
ユウは機体のチェック素早く終え、シートベルトをしっかり締め、操縦レバーを握った。
「よし、シミュレーション通りだ。これならいける」
そして、最終ハッチ解除のボタンを押した。
ガシャという音とともに、機体がゆっくりと降下していった。
そして、エンジンが火を噴きグライデンは発進した。
「輸送機から何か出て来ました。戦闘機らしき物です」
「何でも構わん、打ち落とせ!」
隊長機の命令で、ゼル各隊はグライデンにマシンガンを放った。
「来たな。スピードが違い過ぎるぜ」
グライデンは普通の戦闘機とは圧倒的な速さで弾丸を避けていった。
「よし、今度はこちらの番だ。キャンサー、ターゲットロックオン、発射!」
と同時に、左右横に付いている二つの主砲からビームが発射された。
「何!」
隊長機の絶句と同時に、二機のゼルが撃墜された。
「すごい、これならいける」
輸送機から見ていたシンは、機体の性能に半ば喜びを覚えた。
「敵の新型か? ビーム兵器が使えるのか」
「隊長、いかがいたします? このままでは」
「仕方無い、雲を出て追って来たところを叩くぞ」
「はっ!」
ゼル各隊は一斉に雷雲から脱出した。
「誘い込む気か。乗ってやるか」
ユウはそのまま敵のあとを追って、雲の外に出た。
グライデンが高速で雲を出ると、ゼルが周りを囲むように待ち構えていた。
「よし、人型変形だ」
ユウは変形スイッチを押すと、グライデンは折りたたんでいた手足を広げ、更に機首が胴体に収納され、
変わって背中から頭部がせり上がってきた。そして、背中の分かれていたバーニヤが合体し、変形が
完了した。
「変形しただと!」
隊長機の二度目の絶句とともに、グライデンは主翼を広げ、スピードを上げた。
「うわっ!、こっちに来る!」
兵士の一人が錯乱し、マシンガンを放った。しかし全く当たらない。
ドビュウウウウッ!
グライデンは冷静に、右手のビームガンを放ち、撃墜した。
「くそっ! 残りは周りを囲め。いくら新型とはいえそうしてしまえば」
隊長機の命令でゼル隊は、グライデンの周りを囲い、マシンガンを放った。
「シールド展開!」
ユウがスイッチを押すと、グライデンの左の円形状のものが展開し、砲身が縮んだ。そして、電気
みたいなものが包んだ。それを構えると、マシンガンの弾は弾けて消えていった。
「何なんだ、あれは!」
隊長機が驚いている間に、グライデンはスピードを上げて包囲網を破り、一気に接近した。
そして、ゼルに対し、右手ビームガンの砲身で横一文字に切り裂いた。
その瞬間、ゼルは爆発した。
グライデンは更にもう一機に接近、右斜めに切り裂き、撃墜した。
「何なんだ、あれは化け物か!」
隊長がコクピットで怒鳴った瞬間、グライデンのビームが当たり、撃墜された。
「よし、後は輸送機か」
ユウは輸送機をキャンサーで見つけると、そこへ向かった。
「何だ、戻って来たのか?」
「違う、味方機の信号が出ていない」
気付いたときには、すでにグライデンが目の前にいた。
左のシールドをガンモードに戻したグライデンは二機の輸送機に向けビームを放った。
「うわっ!」
輸送機のパイロットが一言いう間もなく、輸送機は撃墜され墜落していった。
「よし、もう敵はなさそうだな、んっ」
ユウがキャンサーでとらえたものは、味方の輸送機だった。どうやら無事雷雲を抜けたようだ。
「よう、ちゃんと動かせたようだな」
通信機からシンの声が聞こえた。
「ああ、言うことなし」
ユウそう言って返信した。
「じゃあ、これから帰還する」
「了解」
グライデンは戦闘機モードに変形すると、輸送機に戻っていった。
夕焼けの中、輸送機が飛んでいくところを覗く潜望鏡が一つあった。
「どうやら敵は、こちらには気付いていないようです」
「少佐、いかがいたします?」
「よし、事の一切をに報告する。追跡は引き続きこのままとする」
「はっ!」
少佐と呼ばれた男はそう命令すると、潜望鏡を下ろした。
「よし、深度三千メートルまで潜行。敵を見逃すなよ」
潜水艦はそう言って潜行していった。
追跡されている事に気付くことなく、目的地へと向かうユウとシン。
果たして、この事態を切り抜けられるのだろうか・・・。
(第二話に続く)
いかがでしたか? 書いたら大分長くなって読みづらかったかも。すみません。
二話以降はもう少し抑えめにいこうとおもいます。
でもまた長くなってしまったらすみません。