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異世界の半分はお約束でできている  作者: 倉内義人
第一章
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#002 目覚めたら森の中

2016年4月10日

2016年10月21日


 草木と土の匂いがして、目が覚めたら森の中だった。


「えー、あー、んー?」


 不思議なことに、前世の記憶はほぼないけれど、僕の地元はコンクリートジャングルだったはずだ。


 そして思い出したのは、車に跳ねられ、神様が現れ、異世界転生のテンプレートなコンビネーションに僕が嵌ったという事実。


 前世の年齢はわからないけれど、今は14歳。


 成人まで、あと一年ということで、幼女神が設定した年齢だ。



『ピコン』


「メニュー」




 神様は言っていた。


「たまーにメッセ送るから。メニューから見るんじゃぞ」と。


 このそっけない言い方。


 神様が幼女じゃなかったら、かなりムカついたと思う。


 幼女だから許すけど。



【メッセージ】■□■□■□■□■□■□■□


 無事着いたかの。


 まぁさっきも言ったが、前世よりはラクに生きれるから、がんばるのじゃ。


 森は危険がいっぱいなので、さっさと平原に向かうのじゃ。


 平原は北じゃ。


 ではの。


 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□




 いやいや。


 危ないならそこに落とすなと言いたい。


「とにかく北へ。北……へ……」



 僕は、北がどっちかわからなかった。



『ピコン』


【メッセージ】■□■□■□■□■□■□■□


 メニューにマップ機能付けるの忘れとったのじゃ。


 うん、まぁ苦しゅうない。



 PS

 迷子になったときはなるべくその場から動かん方がいいのじゃ。


 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□




 そりゃ、お前は苦しゅうないだろう。


 苦しいのは僕だ。




『ピコン』



【メッセージ】■□■□■□■□■□■□■□


 そんなお主に朗報じゃ。


 神から武器を授けるパターンは、容量の都合でちょっと厳しかった。


 そこで、ワシは機転を効かせたのじゃ。


 足元を見てみよ。


 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□




 すごい。流石、幼女でも神様。


 僕は幼女神を見直した。



 確かに最初から神様から武器を授かるパターンだと、いきなり無双しちゃうもんな。


 最初は店売りの数打物で地味に戦って、稼げるようになったら少しずついい武器になっていく。


 そういう展開もロマンだよな。


 僕は足元を探す。


 んー?何にもないけど


 強いて言えば、ちょっといい感じの木の棒が……



『ピコン』


【メッセージ】■□■□■□■□■□■□■□


 それじゃよ、それ。


 なんかいい感じの棒が落ちとるじゃろ。


 ずっと目をつけておっての!


 それがあったんで、お主を森の中に落としたんじゃよ。


 いやーようやく気になってたのが解消されたわ。


 杖によし、つっかえ棒によしの優れモノじゃ。


 あ、でもそれで魔物倒すとか無理じゃから。


 ポッキリいっちゃうからの(笑)


 ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□


「(怒)」


 ボキぃぃぃ!


 怒りのままに力を込めると、神から賜った『なんかちょっといい感じの棒』はポッキリと逝った。


 僕は、武器を失った。


 いや、最初から武器なんて無かったんだけど。


 武器は無いし、方角も現在地もわからない。


 僕は途方に暮れていた。




「おい、そこのお前。なにしとる?」


 そんな僕が振り向いた先に居たのは、ひげのもっさり生えたおっさんだった。

2016年4月10日

2016年10月21日:表現、誤字など修正しました

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