第六話:過保護な母親
っつーことで鍛錬なんだけど・・・
これも見つかると変に思われるよな。
ということは、いつ、どこでやるかちゃんと考えておかないといけないわけだ。
んーーよくわかんないから、適当にごまかしながらにするか。
うちのマミーなら少々おかしいことがあってもスルーしてくれるっしょ。
相当親バカだしド天然だからな。
なんか騙してるみたいで罪悪感が・・・。
…よ、よし!じゃあ早速いってみよー!
「あ、おかーさーん?」
「んー?どうしたの?まーくん。」
「あ、あのさぁ。そろそろ僕も一人でお外に出かけたいなぁって思うんだ・・・けど・・・・・・?!なんで泣いてるの?!」
「・・・・・グスッ・・・男の子はこうやって母の元を離れちゃうんだぁと思うと・・・グズッ・・・・・」
なんじゃそりゃっー!気が早いにもほどがある!ってかどんだけ親バカなんだよ!
「まだ、離れないから!気が早すぎるから!と、とりあえず、落ち着いて!」
「『まだ』なんだ・・・ううん・・・男の子だもんね・・・。一人立ちぐらいするわよね・・・・グスッ」
う゛っ。ひ、否定できない・・・。ど、どうする!こんな事態は想定していないぞ?!
「あ、あぁ・・・。そりゃあ、いつかはするけど、そんなにすぐは行かないから!
そのときまで、ちゃんと一緒にいるから!ずっと大事にするから!」
ど、どうだ!適当に言ってみたけどどうなんだ?!なんか告白みたいになったけどどうなんだ?!
「本当?・・・ありがとう・・・・・・。ごめんね?いきなり泣いちゃったりして・・・・・・」
こ、これは成功なのか?
「お外に一人で行きたいのよね・・・。いいわよ!まーくんなら大丈夫だもんね!
あ。でもまだ裏庭しかだめだからね?さすがに家のそとは危ないし。」
「う、うん!わかった!ありがとう!おかあさん!」
一応成功らしい・・・。あぁ~疲れた~。
いきなり、泣くとは・・・きつかった・・・
……まだ後ろからブツブツ聞こえる気がするけど空耳だよな!
まぁ、一応、許可が下りたから
結果オーライってことでいいかな?
……ちょっとまて、ということはこれから、
こういうことを言うときは毎回ああなるってことか?
・・・・・・うわっ。きっつい。
異世界での暮らしは前途多難だわ。